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第31話:ライアンの誕生日パーティーに参加します
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クラシエ様に絡まれてから、4ヶ月が過ぎようとしていた。あの後すぐに、クラシエ様から正式な謝罪を頂いた。
“もう二度とあの様なバカな真似はしません。どうかお許し下さい”
との事だった。もちろん、私は素直に謝罪を受け入れたのだが、ライアンはあまり納得していない様だった。
クラシエ様はその言葉通り、その後私に何かをしてくることはなかった。きっともう私に何かしてくることはないだろうと思っている。
そして今日はライアンの15歳の誕生日。侯爵家では盛大にパーティーを行う予定だ。もちろん、私も参加する。
プレゼントも準備した。ライアン、喜んでくれるかしら?
「お嬢様、そろそろパーティーに行く準備をお願いします」
「ええ、分かったわ」
リラに促され、早速パーティーの準備を始める。まずは湯あみを行った後、ドレスに着替えた。
「あら?今日のドレスはピンクにしてって言ったはずだけれど…」
私が今日の為に準備したドレスは、確かピンクだったはずなのだが、リラが着せてくれたドレスは赤だ。
「それが、今日のドレスはライアン様からのプレゼントでして…今日はこのドレスをどうしても着せて欲しいとの事です」
「まあ、ライアンが?この前はアクセサリーを贈ってくれたし。なんだか貰ってばかりで申し訳ないわね」
1度目の生の時は、こんな風にドレスやアクセサリーを贈ってくれることなんてなかったのに。それに赤色は私とライアンの色。わざわざ赤いドレスを贈ってくれるなんて、もしかして…て、そんな訳ないか。ライアンと私は、ただの幼馴染なのだから…
幼馴染…
なぜだろう、最近幼馴染と言う言葉が、あまり好きではない…
「さあ、お嬢様、そろそろ参りましょう。旦那様や奥様、お坊ちゃまも待っておりますよ」
「…ええ、そうね。早く行かないとね」
急いで玄関に向かい、両親とヴァンと一緒に馬車に乗り込んだ。
「マリア、ライアンが贈ってくれたそのドレス、よく似合っているわよ」
「ありがとうございます、お母様」
「そういえばライアンももう15歳なんだな。正式に婚約できる年齢になった。あいつは男前だし、騎士団からも期待されているからな。きっとたくさんの令嬢から、婚約の申し込みが来るんだろう」
婚約の申し込み…
確かにライアンは令嬢たちに物凄く人気がある。きっと色々な令嬢たちから、婚約の申し込みが来るだろう。
1度目の生の時は誰とも結婚しなかったライアン。でも、今回は…
もしライアンが他の令嬢と結婚したら…なぜだろう、考えただけで、胸が締め付けられる。ライアンはただの幼馴染のはずなのに。どうしてこんな気持ちになるのかしら?
「マリア、そんな悲しそうな顔をしないで。大丈夫よ、ライアンはきっとまだ誰とも婚約しないわよ」
私の肩を叩いて、慰めてくれるお母様。て、どうして慰められないといけないのよ!
「ちょっとお母様、私は別にライアンが誰と婚約しようと…別に…」
気にしないと言いたかったのだが、どうしても言えなかった。ライアンが他の令嬢と結婚するなんて、考えただけで胸が苦しいのだ。
「マリア、あなたはどれほど鈍いのかしら?ライアンはずっとあなたの傍にいて守っていてくれたでしょう?とにかく、いつまでものんびりしていると、本当にライアンを別の令嬢に取られてしまうわよ」
そう言ってため息をついている。ライアンを他の令嬢に取られるか。そんな事、考えた事もなかった。
「母上、あまり姉上をイジメないであげてくれ。姉上、僕はライアンが義兄上になってくれるなら大歓迎だからね」
なぜか満面の笑みで私の手を握るヴァン。もう、ヴァンったら…
そうしているうちに、ディファースティン侯爵家に着いた。パーティー会場でもある中庭に向かうと、すぐにライアンの両親と弟たちが出迎えてくれた。でも、主役のライアンの姿が見当たらない。
「おじ様、おば様、ライアンはどこですか?」
「ライアンなら、奥にいるよ。それよりマリア、そのドレス、とっても良く似合っているぞ」
「ありがとうございます。それでは私はこれで」
急いでライアンのいる中庭の奥へと向かう。こうやってディファースティン侯爵家に来るのって、どれくらいぶりかしら?1度目の生の時以来だから、もう何年も来ていない。
懐かしいわ、そういえばよくこの中庭で、ライアンと遊んだわね。懐かしい気持ちを抱きながら、ライアンの元へと向かう。
しばらく歩くと、ライアンの姿が。
すぐに声を掛けようとしたのだが…
「あの女性は、一体誰?」
美しい金髪の女性と、楽しそうに話しをしているライアン。その姿を見た瞬間、鋭利なナイフで胸を貫かれたような、そんな痛みが走る。
令嬢から人気が高いライアン。沢山の令嬢に囲まれている事はあっても、あんな風に令嬢と1対1で話す事なんてなかったのに。あの人は一体誰なの?
まさか…
ライアンの婚約者になる人?
イヤよ、ライアンを誰か別の令嬢に取られるなんて…
今までに感じた事のない恐怖と不安が、私の心を支配したのだった。
“もう二度とあの様なバカな真似はしません。どうかお許し下さい”
との事だった。もちろん、私は素直に謝罪を受け入れたのだが、ライアンはあまり納得していない様だった。
クラシエ様はその言葉通り、その後私に何かをしてくることはなかった。きっともう私に何かしてくることはないだろうと思っている。
そして今日はライアンの15歳の誕生日。侯爵家では盛大にパーティーを行う予定だ。もちろん、私も参加する。
プレゼントも準備した。ライアン、喜んでくれるかしら?
「お嬢様、そろそろパーティーに行く準備をお願いします」
「ええ、分かったわ」
リラに促され、早速パーティーの準備を始める。まずは湯あみを行った後、ドレスに着替えた。
「あら?今日のドレスはピンクにしてって言ったはずだけれど…」
私が今日の為に準備したドレスは、確かピンクだったはずなのだが、リラが着せてくれたドレスは赤だ。
「それが、今日のドレスはライアン様からのプレゼントでして…今日はこのドレスをどうしても着せて欲しいとの事です」
「まあ、ライアンが?この前はアクセサリーを贈ってくれたし。なんだか貰ってばかりで申し訳ないわね」
1度目の生の時は、こんな風にドレスやアクセサリーを贈ってくれることなんてなかったのに。それに赤色は私とライアンの色。わざわざ赤いドレスを贈ってくれるなんて、もしかして…て、そんな訳ないか。ライアンと私は、ただの幼馴染なのだから…
幼馴染…
なぜだろう、最近幼馴染と言う言葉が、あまり好きではない…
「さあ、お嬢様、そろそろ参りましょう。旦那様や奥様、お坊ちゃまも待っておりますよ」
「…ええ、そうね。早く行かないとね」
急いで玄関に向かい、両親とヴァンと一緒に馬車に乗り込んだ。
「マリア、ライアンが贈ってくれたそのドレス、よく似合っているわよ」
「ありがとうございます、お母様」
「そういえばライアンももう15歳なんだな。正式に婚約できる年齢になった。あいつは男前だし、騎士団からも期待されているからな。きっとたくさんの令嬢から、婚約の申し込みが来るんだろう」
婚約の申し込み…
確かにライアンは令嬢たちに物凄く人気がある。きっと色々な令嬢たちから、婚約の申し込みが来るだろう。
1度目の生の時は誰とも結婚しなかったライアン。でも、今回は…
もしライアンが他の令嬢と結婚したら…なぜだろう、考えただけで、胸が締め付けられる。ライアンはただの幼馴染のはずなのに。どうしてこんな気持ちになるのかしら?
「マリア、そんな悲しそうな顔をしないで。大丈夫よ、ライアンはきっとまだ誰とも婚約しないわよ」
私の肩を叩いて、慰めてくれるお母様。て、どうして慰められないといけないのよ!
「ちょっとお母様、私は別にライアンが誰と婚約しようと…別に…」
気にしないと言いたかったのだが、どうしても言えなかった。ライアンが他の令嬢と結婚するなんて、考えただけで胸が苦しいのだ。
「マリア、あなたはどれほど鈍いのかしら?ライアンはずっとあなたの傍にいて守っていてくれたでしょう?とにかく、いつまでものんびりしていると、本当にライアンを別の令嬢に取られてしまうわよ」
そう言ってため息をついている。ライアンを他の令嬢に取られるか。そんな事、考えた事もなかった。
「母上、あまり姉上をイジメないであげてくれ。姉上、僕はライアンが義兄上になってくれるなら大歓迎だからね」
なぜか満面の笑みで私の手を握るヴァン。もう、ヴァンったら…
そうしているうちに、ディファースティン侯爵家に着いた。パーティー会場でもある中庭に向かうと、すぐにライアンの両親と弟たちが出迎えてくれた。でも、主役のライアンの姿が見当たらない。
「おじ様、おば様、ライアンはどこですか?」
「ライアンなら、奥にいるよ。それよりマリア、そのドレス、とっても良く似合っているぞ」
「ありがとうございます。それでは私はこれで」
急いでライアンのいる中庭の奥へと向かう。こうやってディファースティン侯爵家に来るのって、どれくらいぶりかしら?1度目の生の時以来だから、もう何年も来ていない。
懐かしいわ、そういえばよくこの中庭で、ライアンと遊んだわね。懐かしい気持ちを抱きながら、ライアンの元へと向かう。
しばらく歩くと、ライアンの姿が。
すぐに声を掛けようとしたのだが…
「あの女性は、一体誰?」
美しい金髪の女性と、楽しそうに話しをしているライアン。その姿を見た瞬間、鋭利なナイフで胸を貫かれたような、そんな痛みが走る。
令嬢から人気が高いライアン。沢山の令嬢に囲まれている事はあっても、あんな風に令嬢と1対1で話す事なんてなかったのに。あの人は一体誰なの?
まさか…
ライアンの婚約者になる人?
イヤよ、ライアンを誰か別の令嬢に取られるなんて…
今までに感じた事のない恐怖と不安が、私の心を支配したのだった。
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