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第52話:これは一体…
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「ディン様、よろしければ今日、一緒に夕食を食べていきませんか?せっかくなら、皆で食べた方が楽しいでしょう?」
3人でお茶を楽しんだ私たち。ちょうど夕食の時間になったため、せっかくならディン様も一緒にと思って誘ったのだが…
「シャレル、ディンには愛する奥さんと子供が待っているのだよ。これ以上引き留めたら悪いよ。そうだろう?ディン」
ダーウィン様は、なぜか嫌そうだ。一体どうしたのかしら?そんなダーウィン様の気持ちを知ってか知らずか、ディン様は
「せっかくだから頂いていきます。こうやって王太子殿下やシャレル嬢との交流も、大切な時間ですから」
快く受け入れてくれたのだ。そんなディン様を、迷惑そうな顔で見つめるダーウィン様。何か不満だったかしら?
3人で仲良く食堂へと向かう。その時だった。
「兄上、シャレル嬢、それにディン殿、こんばんは。今から夕食かい?僕も一緒に頂いていいだろうか?」
やって来たのは、ジョーン殿下だ。いつも通り、穏やかな表情を浮かべている。
「もちろんだよ。ジョーン、一緒に夕食を摂ろう。シャレルもディンもいいだろう?」
「ええ、もちろんですよ」
2人も快諾している。正直私は、こんな男と食事をしたくはないが、私が拒否するのもおかしいだろう。もしかしたら、何か行動を起こすかもしれないわね。それに、この男が何を考えているのか、少しでも分かるかもしれない。
「私もよろしいですわよ」
笑顔でそう伝えた。
「皆、ありがとう。それじゃあ、皆で行こうか」
相変わらず胡散臭い笑顔でジョーン殿下も一緒に、食堂へとやって来た。そしてなぜか私の隣に座ったのだ。この人は一体何を考えているの?
「ジョーン、どうしてシャレルの横に座るのだい?彼女は僕の婚約者だよ」
「ああ、知っているよ。でも、僕にとっては義姉上にあたる人だろう。だから少しでも仲良くなっておきたくて」
ゾクリとするほど美しい笑顔を向けたジョーン殿下に、私の背筋は一気に凍り付く。この人は、あの頃と全く変わっていない。いいや、あの頃よりもパワーアップしている気がする。
ただ、その後は和やかな空気の中、食事を進めていく。
「兄上はいいね。可愛い婚約者も、信頼できる家臣もいて。僕には誰もいないから…婚約者は犯罪者として裁かれ、信頼できる家臣もいない。それに両親は、僕を他国に追いやろうとしているし…」
「ジョーン、それは違うよ。父上も母上も、君の事をとても心配しているのだよ。だから君の心が少しでも落ち着けば、そう思って他国で暮らすことを提案しているだけなんだ。君がそんな風に思っていただなんて、知らなかったよ。君さえよければ、これからはこうやって、一緒に食事を摂らないかい?」
ちょっと待って、ダーウィン様は何をおっしゃっているの?私は絶対に嫌よ。どうして私が、ジョーン殿下と一緒にこれからも食事を摂らないといけないの?
「兄上は優しいね。でも、シャレル嬢は僕の事が嫌いみたいだから、嫌なのではないのかい?」
「わ…私は別に、あなた様を嫌ってなどおりませんわ」
私は一体何を言っているの?とっさに嘘を付いてしまったわ。
「それは本当かい?それじゃあ、これから一緒に食事をしてもらえるのだね。嬉しいな、シャレル嬢、これからよろしくね」
ニヤリと笑ったジョーン殿下を見た瞬間、再び背筋が凍り付く。このままではダメだわ。ちょうどお手洗いに行きたくなってきたし、一旦避難しよう。
「私、お手洗いに行って参りますわ」
すっと立ち上がり、お手洗いに向かう。とにかく落ち着かないと、そんな思いでお手洗いに向かおうとした時だった。
「シャレル様、申し訳ございません。いつもお使いのお手洗いが今故障しておりまして。どうかこちらをお使いください」
使用人に案内されたお手洗いは、ある部屋にあるお手洗いだったのだ。ちょっと待って、この部屋は!
「あなた、この部屋はジョーン殿下の部屋よね。一体何を考えているの?私にジョーン殿下の部屋のお手洗いを案内するだなんて!」
「シャレル様、あなた様に見ていただきたいものがあるのです。どうぞこちらへ」
私の腕を引き、部屋の奥へと連れて行くメイド。この人は一体何を考えているの。どこに連れて行くつもりなの?
「どうぞこちらです」
何を思ったのか、クローゼットを開け、服をかき分けると、そこには扉が。その扉を開けて、笑顔で待っているメイド。恐る恐るお部屋の中をのぞくと、そこには…
「きゃぁぁぁぁ」
部屋中に、私の似顔絵が飾られていたのだ。その似顔絵は、8歳の時から16歳の今の姿まで、ありとあらゆる写真がある。中には私がお茶を飲んでいるものや、眠っているものも。どうしてこんな絵があちこちに?
「ここはジョーン殿下が、一番リラックスできるお部屋なのですよ。どうぞ中へ」
メイドに背中を押され、部屋に入った瞬間、胸についていたブローチがバリンと音を立てて壊れたのだ。これは一体…
「まあ、ダーウィン殿下は、あなた様にその様な物を付けさせていたのですね。ああ見えて、意外と優秀な様ですわね」
クスクスと笑っているメイド。いいえ、違うわ、この人はただのメイドではない。一体何者なの?
3人でお茶を楽しんだ私たち。ちょうど夕食の時間になったため、せっかくならディン様も一緒にと思って誘ったのだが…
「シャレル、ディンには愛する奥さんと子供が待っているのだよ。これ以上引き留めたら悪いよ。そうだろう?ディン」
ダーウィン様は、なぜか嫌そうだ。一体どうしたのかしら?そんなダーウィン様の気持ちを知ってか知らずか、ディン様は
「せっかくだから頂いていきます。こうやって王太子殿下やシャレル嬢との交流も、大切な時間ですから」
快く受け入れてくれたのだ。そんなディン様を、迷惑そうな顔で見つめるダーウィン様。何か不満だったかしら?
3人で仲良く食堂へと向かう。その時だった。
「兄上、シャレル嬢、それにディン殿、こんばんは。今から夕食かい?僕も一緒に頂いていいだろうか?」
やって来たのは、ジョーン殿下だ。いつも通り、穏やかな表情を浮かべている。
「もちろんだよ。ジョーン、一緒に夕食を摂ろう。シャレルもディンもいいだろう?」
「ええ、もちろんですよ」
2人も快諾している。正直私は、こんな男と食事をしたくはないが、私が拒否するのもおかしいだろう。もしかしたら、何か行動を起こすかもしれないわね。それに、この男が何を考えているのか、少しでも分かるかもしれない。
「私もよろしいですわよ」
笑顔でそう伝えた。
「皆、ありがとう。それじゃあ、皆で行こうか」
相変わらず胡散臭い笑顔でジョーン殿下も一緒に、食堂へとやって来た。そしてなぜか私の隣に座ったのだ。この人は一体何を考えているの?
「ジョーン、どうしてシャレルの横に座るのだい?彼女は僕の婚約者だよ」
「ああ、知っているよ。でも、僕にとっては義姉上にあたる人だろう。だから少しでも仲良くなっておきたくて」
ゾクリとするほど美しい笑顔を向けたジョーン殿下に、私の背筋は一気に凍り付く。この人は、あの頃と全く変わっていない。いいや、あの頃よりもパワーアップしている気がする。
ただ、その後は和やかな空気の中、食事を進めていく。
「兄上はいいね。可愛い婚約者も、信頼できる家臣もいて。僕には誰もいないから…婚約者は犯罪者として裁かれ、信頼できる家臣もいない。それに両親は、僕を他国に追いやろうとしているし…」
「ジョーン、それは違うよ。父上も母上も、君の事をとても心配しているのだよ。だから君の心が少しでも落ち着けば、そう思って他国で暮らすことを提案しているだけなんだ。君がそんな風に思っていただなんて、知らなかったよ。君さえよければ、これからはこうやって、一緒に食事を摂らないかい?」
ちょっと待って、ダーウィン様は何をおっしゃっているの?私は絶対に嫌よ。どうして私が、ジョーン殿下と一緒にこれからも食事を摂らないといけないの?
「兄上は優しいね。でも、シャレル嬢は僕の事が嫌いみたいだから、嫌なのではないのかい?」
「わ…私は別に、あなた様を嫌ってなどおりませんわ」
私は一体何を言っているの?とっさに嘘を付いてしまったわ。
「それは本当かい?それじゃあ、これから一緒に食事をしてもらえるのだね。嬉しいな、シャレル嬢、これからよろしくね」
ニヤリと笑ったジョーン殿下を見た瞬間、再び背筋が凍り付く。このままではダメだわ。ちょうどお手洗いに行きたくなってきたし、一旦避難しよう。
「私、お手洗いに行って参りますわ」
すっと立ち上がり、お手洗いに向かう。とにかく落ち着かないと、そんな思いでお手洗いに向かおうとした時だった。
「シャレル様、申し訳ございません。いつもお使いのお手洗いが今故障しておりまして。どうかこちらをお使いください」
使用人に案内されたお手洗いは、ある部屋にあるお手洗いだったのだ。ちょっと待って、この部屋は!
「あなた、この部屋はジョーン殿下の部屋よね。一体何を考えているの?私にジョーン殿下の部屋のお手洗いを案内するだなんて!」
「シャレル様、あなた様に見ていただきたいものがあるのです。どうぞこちらへ」
私の腕を引き、部屋の奥へと連れて行くメイド。この人は一体何を考えているの。どこに連れて行くつもりなの?
「どうぞこちらです」
何を思ったのか、クローゼットを開け、服をかき分けると、そこには扉が。その扉を開けて、笑顔で待っているメイド。恐る恐るお部屋の中をのぞくと、そこには…
「きゃぁぁぁぁ」
部屋中に、私の似顔絵が飾られていたのだ。その似顔絵は、8歳の時から16歳の今の姿まで、ありとあらゆる写真がある。中には私がお茶を飲んでいるものや、眠っているものも。どうしてこんな絵があちこちに?
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メイドに背中を押され、部屋に入った瞬間、胸についていたブローチがバリンと音を立てて壊れたのだ。これは一体…
「まあ、ダーウィン殿下は、あなた様にその様な物を付けさせていたのですね。ああ見えて、意外と優秀な様ですわね」
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