目覚めはガングロギャル?!黒歴史は封印!清楚系美少女になって初恋の彼の闇落ちを阻止します!!

むぎてん

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33 同類 side圭介

 

side圭介

「あーあ、俺、ゆかりのこと狙ってたのにさぁ。マジでこんなヤツでいーのかよぉー」
俺は冗談めかしてゆかりに言った。

違う。冗談なんかじゃない。

『人当たりが良くて優しくて、誰からも好かれるタイプで、話題が豊富で気遣いもできて、いつもみんなの中心にいる』

これが、俺に対するみんなの評価だ。
でも俺は本当はそんなできた人間じゃない。

誰かに嫌われたり笑われたりすることが怖い。
だから、ただニコニコ笑って相手に合わせるんだ。
否定も肯定もしない。
親身な振りをして、もっともらしい事を言う。
楽な方に流されるだけ。

俺とゆかりはよく似ていると思った。
だから気になったんだ。
彼女が他人と接するのを見る度に思う。
『俺と一緒、俺と一緒。俺と一緒』

ゆかりが三宅の事を好きだということは、前から気づいていた。
当たり前だ。ずっと見てきたんだから。

三宅はやめとけよ。
あいつはろくなヤツじゃない。
俺は知っている。

あいつは天才だ。
一応進学希望の俺は、誰にも言わず塾に通っている。
講師のファイルに挟まる、全国模試の結果を見たんだ。

あいつは全国一位だった。

こんな底辺高校のアホなやつらに『陰気』だの『ガリ勉』だの言われるような人間じゃない。
本物の天才だ。
ゆかりとはあまりにもレベルが違いすぎる。やめておけ。

それにあいつは俺たちを、いや自分以外の他人を全て馬鹿だと思ってる。
見下してるのが丸わかりだ。
何事もないような、すかした平然とした顔で心の中では猛毒を吐いている。
間違いない。

ゆかり、そんなヤツやめろよ。
ガングロやめたり勉強したり、無理すんなよ。

そんな天才と付き合ったってお前が苦労するだけだ。

俺とゆかりなら同じ景色が見れる。
同類だから。
俺ならゆかりを解ってやれる。


『救急車を呼べ!』
あいつが叫んだ。

ゆかりが倒れた時、貧血じゃね? って俺もみんなも思ったけど、そうじゃないことはすぐにわかった。

ゆかりは何度も吐いて、痙攣する。

みんなが固まったまま動けない中、三宅は大声で的確な指示を出していく。

ゆかりのゲロを指で掻き出し、人工呼吸をする。
教師に激しい口調で指示を出す。

ぐったりと死んだように動かなくなったゆかりに、必死で蘇生処置を繰り返す。

『川上!大丈夫だ!俺がいる!』

三宅は泣いていた。
泣きながら、必死にゆかりの命を繋ぎ止めていた。

ゆかり、こいつ、マジでお前に惚れてるよ。

ゆかり、こいつにはお前が必要だ。
お前もそうなんだろ?

分かるよ。俺たちは同類だからな。

だから、ゆかり、ゆかり、お願いだから。

・・・・・・死ぬな。


──────────
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