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39 思考回路が狂ってる sideありさ
sideありさ
「三宅さぁ、ゆかりに電話しなよ。退院したんだから大丈夫っしょ?」
三宅の顔の前で人差し指を立ててそう言うと
「図書室で電話とか、お前バカだろう」
と言われた。
「誰もいないんだからいいじゃん!」
図書委員は今日もサボってるし?
「俺は川上さんの連絡先を知らない」
「はぁ? なんで恋人どーしなのに知らないのよ!」
「恋人じゃない。お互いに好きだと確認しただけだ」
もう! こいつのこーゆー理屈っぽいとこ最悪だし!
「ありさー、ゆかりは告ってすぐ倒れちゃったんだから、連絡先知らないのはしょーがないんじゃね?」
早苗のゆーとーりだね。うん。
だけど!
「そもそも俺は携帯電話を持っていない」
「は? マジのはなししてんの?」
「連絡をする相手がいないからな、必要ない」
きいぃぃ!うっとーしい!
「ゆかりがいるでしょ!! なんでもいーから電話しなよ!」
あたしは自分のケータイを取り出して素早くゆかりにかけた。
ぷ・ぷ・ぷ・プルルルル
「ほら!」
「何を勝手に・・・・・・」
『もしもしー?』
ゆかりが電話に出た。
ケータイを三宅の手に押し付ける。
『もしもし? ありさ?』
三宅があたしを睨み付けてケータイを受けとった。
「川上さん、俺、・・・・・・ああ、ありさが勝手に・・・・・・早苗もいるが・・・・・・」
話し始めたのはいーけどさ!
『退院おめでとう』ぐらい、いーなよ!
そして名前呼び!!
なんであたしと早苗のコト、名前呼びなの?!
ゆかりが倒れたあの時は気にならなかったよ?
緊急事態だったからね?
でもフツーにクラスの女子を、いきなり名前で呼び捨てって・・・・・・あり得ないっしょ!
「川上さんがそう呼んでいるから・・・・・・名字は知らない」
はぁ? こいつ、あたしと早苗の名字、知らないわけ?
クラスメートの名字くらい憶えときなよ!
ああ、そう、きょーみがないってわけ!
「退院したって聞いて安心した・・・・・・ああ、楽しみにしてる・・・・・・じゃあ、また」
プツッ
「ちょっと!! なに勝手に電話切ってんのよ!」
あたしが足で床をダンダンと踏みつけながら言うと
「悪い、ありさも喋りたかったのか?」
って言われた。
こいつの思考回路はマジで狂ってる。
ゆかり、ホントにこいつでいいの?!
まぁ、あの時の三宅は確かにカッコよかったけど?
あんなパニクった状態で、あんだけ的確に動けるとかすごいし?
ゆかりのゲロをものともせずに人工呼吸とか、マジの愛を感じたけど!
うん、まぁ、ゆかりかいーならいっか。
平静を装いながらも真っ赤な顔でケータイを返してくる三宅を見てそう思った。
ゆかりが倒れた翌日から、あたしと早苗はガングロをやめた。
願掛けみたいな?
ゆかりが生きるために頑張ってるからね、
あたしらも、なにか見える形で頑張りたかったんだ。
みんな察してくれたみたいで何も聞いて来なかったのが嬉しかった。
あたしと早苗のすっぴんに、驚いてはいたみたいだけどね。
ゆかりはかなりの美少女で驚いたけど、早苗もすごい美人さんで驚いたよ。
大きな猫目が綺麗な、スッキリとした顔立ちだった。
早くゆかりに会いたいな。
ゆかり、驚いてくれるかな。
──────────
40~初電話 へ
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