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早苗と健斗⑥ side健斗
しおりを挟むside健斗
それから俺は早苗のアパートに飯を食いに通うようになった。
三日に一度くらいかな。
早苗の飯はマジで旨い。
実家に帰る事も大分減って、母さんが心配してるのは分かってるんだけど、やっぱ言えないじゃん?
だって俺と早苗は付き合ってる訳じゃないからね。
ちゃんとした恋人同士になれば、親にも紹介できるんだけどな。
早苗のアパートで、早苗の作ってくれた飯を食って、たわいのない話をする。
早苗は俺の話を面白そうに聞いてくれて、時々腹を抱えて笑ってくれる。
早苗の話も聞いていて面白い。
早苗は近くの保育園で保育士をしていて、子ども達の話を楽しそうに聞かせてくれる。
本当に子ども好きなんだな。
俺の子生んでくんないかな?
なんて、何度も理性が吹っ飛びそうになるのを必死で押さえる。
早苗に嫌われたら死ねる・・・・・・
俺ってヘタレだよなー。
早苗に告白してフラれたら、こんな幸せが全部なくなると思うと怖くて言い出せないんだ。
「健斗くん、ウチのこと早苗ちゃんて呼ぶじゃん? ウチ年下なんだし、呼び捨てでいいよ? みんな早苗って呼ぶし」
呼び捨てとか! 緊張するじゃん!
でもこの際だ。
呼び捨てついでに聞いてみよう。
グーパーグーパー。
「あー、じゃあ、早苗?」
「はいよ」
「早苗はさぁ、彼氏とかいないの? 俺、こんなしょっちゅう来て大丈夫?」
よし、聞けた!
それも、さりげない感じでイケた気がする。
「いないね。ウチは今まで誰かと付き合ったことないんだ。モテないからね。高校生の頃から姐さん扱いだったからさぁ」
早苗はあはは!と笑って言うが、それは男共にとって早苗が高値の花だからだと思うぞ?
「早苗が美人だからみんな言い出せないんじゃね?」
「またまたー、健斗くんは上手だねー、流石年上、お兄ちゃんなだけあるわ」
は? お兄ちゃん? んな訳ねーだろ!
「俺はゆかりのお兄ちゃんで早苗のお兄ちゃんじゃないぞ」
「あはは!知ってる!でもウチは健斗くんから見たらゆかりの友達だし? 妹みたいなもんでしょ?」
「だから妹じゃねえよ!」
俺の理性がぶっ飛んだ。
──────────
早苗と健斗⑦ へ
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