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美しい男は眉間に皺を寄せて、その端正な眉を顰めた。
『目を閉じていろ』
そう命令したのに、目を閉じない私を不愉快に思ったのか。
「何故、見る」
何故と聞かれても私にも分からない。
これまで私は基本的に客の言うとおりに接客してきた。
客と嬢の2人だけの密室では、客の要求に逆らえば何をされるか分からない。
痛いのと苦しいのは辛い。
女を買う男というのは、自分より幾段も下のカーストにいる風俗嬢など己の性欲だけでなく支配欲も満たして当然と思っているのだろう。
特に相手が私のような不美人なら。
そんなことは
長年の経験から分かっているのに。
それでも命令を無視してもこの男を見てしまうのは、美しいからか。
春に満開の桜を見るように、
夏の夜空に咲く花火を見るように、
秋に燃えるような紅葉を見るように、
冬に白銀の新雪を被った椿を見るように。
「貴方を見ていたいです」
「‥‥‥」
前世での初めての客はデップリと太り、脂ぎったハゲのオヤジだった。
比べるなんて失礼にも程があるが
こんなに美しい男がこの世界での初めての客なら、きっと今世の方が何百倍も何万倍もマシだろう。
「な、ぜ‥‥」
「貴方が美しいから」
「‥‥‥は?」
「初めてのお客様が貴方のような方で良かったです。貴方には私なんかが相手で申し訳ないですが」
「美しい‥‥?」
「はい」
金の髪も引き締まった体も目も鼻も口も、まるで神様が丹精込めて作り上げたかのように美しい。
全てを諦めた私はもう何も望まない。
けれど、今だけ、この美しい男を見ていたいと思った。
こんなにも美しい男が場末の娼館で私のような不美人を買う。
それはきっとなにか理由があるのだろう。
例えば性機能的な問題か、あるいは加虐趣味があるとか。
「優しくして欲しいなんて言いません。好きにして下さい」
瞬間、男の瞳が欲情と怒りの色に染まった。
そして、ベルトを外しトラウザーズを引き下ろすと、前触れもなく私の中に押し入った。
「っっ‥‥!!!」
破瓜の痛みは2度目でもやはり強烈だった。
歯を食いしばり、痛みに耐える。
それでも目は閉じない。
薄いシュミーズを力任せに破り裂き、乱暴に胸を揉みながら腰を振たくる男。
大きな二重の瞳からボタボタと私の頬に雫が落ちてくる。
嗚咽を漏らすことなく宝石のような涙を落とす男。
私の頬を濡らすこの涙にはいったいどんな意味があるのだろう。
「泣か、ないで」
私の言葉に男はピタリと動きを止めてぐしゃりと顔を歪めた。
歪んでも美しい。
そんな男の頬を撫でた。
「泣かないで」
もう一度言って、形の良い頭を胸に抱きしめる。
「うそ。泣いて。私の分も、貴方が泣いて」
抱きしめた腕にギュッと力を込めた瞬間、男が大きな声を出して泣いた。
「っ‥‥う、うあぁあああぁああ!!!」
男の慟哭が、私の裸の胸から心臓に直接響く。
泣いている男の体が震え、私の中に悲しい欲求を吐き出すと、じわりと染みこむようなその暖かさに私の体も震えて、男と私は同時に果てた。
『目を閉じていろ』
そう命令したのに、目を閉じない私を不愉快に思ったのか。
「何故、見る」
何故と聞かれても私にも分からない。
これまで私は基本的に客の言うとおりに接客してきた。
客と嬢の2人だけの密室では、客の要求に逆らえば何をされるか分からない。
痛いのと苦しいのは辛い。
女を買う男というのは、自分より幾段も下のカーストにいる風俗嬢など己の性欲だけでなく支配欲も満たして当然と思っているのだろう。
特に相手が私のような不美人なら。
そんなことは
長年の経験から分かっているのに。
それでも命令を無視してもこの男を見てしまうのは、美しいからか。
春に満開の桜を見るように、
夏の夜空に咲く花火を見るように、
秋に燃えるような紅葉を見るように、
冬に白銀の新雪を被った椿を見るように。
「貴方を見ていたいです」
「‥‥‥」
前世での初めての客はデップリと太り、脂ぎったハゲのオヤジだった。
比べるなんて失礼にも程があるが
こんなに美しい男がこの世界での初めての客なら、きっと今世の方が何百倍も何万倍もマシだろう。
「な、ぜ‥‥」
「貴方が美しいから」
「‥‥‥は?」
「初めてのお客様が貴方のような方で良かったです。貴方には私なんかが相手で申し訳ないですが」
「美しい‥‥?」
「はい」
金の髪も引き締まった体も目も鼻も口も、まるで神様が丹精込めて作り上げたかのように美しい。
全てを諦めた私はもう何も望まない。
けれど、今だけ、この美しい男を見ていたいと思った。
こんなにも美しい男が場末の娼館で私のような不美人を買う。
それはきっとなにか理由があるのだろう。
例えば性機能的な問題か、あるいは加虐趣味があるとか。
「優しくして欲しいなんて言いません。好きにして下さい」
瞬間、男の瞳が欲情と怒りの色に染まった。
そして、ベルトを外しトラウザーズを引き下ろすと、前触れもなく私の中に押し入った。
「っっ‥‥!!!」
破瓜の痛みは2度目でもやはり強烈だった。
歯を食いしばり、痛みに耐える。
それでも目は閉じない。
薄いシュミーズを力任せに破り裂き、乱暴に胸を揉みながら腰を振たくる男。
大きな二重の瞳からボタボタと私の頬に雫が落ちてくる。
嗚咽を漏らすことなく宝石のような涙を落とす男。
私の頬を濡らすこの涙にはいったいどんな意味があるのだろう。
「泣か、ないで」
私の言葉に男はピタリと動きを止めてぐしゃりと顔を歪めた。
歪んでも美しい。
そんな男の頬を撫でた。
「泣かないで」
もう一度言って、形の良い頭を胸に抱きしめる。
「うそ。泣いて。私の分も、貴方が泣いて」
抱きしめた腕にギュッと力を込めた瞬間、男が大きな声を出して泣いた。
「っ‥‥う、うあぁあああぁああ!!!」
男の慟哭が、私の裸の胸から心臓に直接響く。
泣いている男の体が震え、私の中に悲しい欲求を吐き出すと、じわりと染みこむようなその暖かさに私の体も震えて、男と私は同時に果てた。
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