【本編完結】二度も殺されたくないので最強魔王になりました

ましろはるき

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二章

33 焦らしプレイ

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 さすが高級宿。客室に浴室がついている。たっぷりのお湯と石鹸で身を清めて、バスローブを身にまとって寝室に向かう。俺を視界に入れたクロヴィスは、キングサイズのベッドに腰掛けたまま優雅に微笑んだ。
 ここまでくれば勝ち確である。まな板の鯉をどう料理してやろうというギラついた欲求を綺麗に隠して、蜜に惹かれる蝶のようにクロヴィスのもとまで足を進める。クロヴィスの前に跪こうか、それとも隣に座ろうか。迷う間も無くクロヴィスは俺を軽々と抱き上げて膝の上に乗せた。

「――っ、クロヴィス、さま……」
「ニール……」

 名を呼ばれただけで感じ入ったように身もだえすると、きつく抱きしめられた。分厚い胸板の下で脈打つ鼓動がはっきりとわかる。俺の鼓動も早い。目を潤ませたり顔を赤くしたり、その手の感情表現は男娼をやっていたときから得意だった。コツは呼吸を浅くすること。リラックスしたいときと真逆のことをすればいいだけだ。

「ニール……君にはじめて出会ったあのとき、騎士団の面々に怯むことなく、毅然と理を通す姿に興味を掻き立てられた」

 耳元にキスをしながら、クロヴィスが囁く。

「だが、こうして小さくなって震えている君も愛らしいものだな」
「あ……んっ……」

 クロヴィスの大きくて無骨な手のひらが俺の胸元をまさぐる。経験を重ねた手つきから、無茶をする手合いではないと察せられる。
 大げさにならないように慎ましく体を震わせて身を委ねているうちに、クロヴィスは俺のバスローブをはだけさせて、下腹部に触れはじめた。

「あっ! そこ、は……もう、準備してきたので……ああっ!」
「それは殊勝だが……私から愉しみを取り上げないでくれ」
「ひあっ!」

 浴室でほぐしてきた窄まりに、クロヴィスの指が滑り込む。充分に濡らしてあるそこは、既に雄を咥え込むための性器になっている。それを知らしめるようにひくつかせながらも、恥じらって見せることを忘れない。
 
「くうんっ……やぁあ……ああ……っ」

 クロヴィスの指遣いは巧みで、器用に俺が感じるポイントを探ってくる。演技の必要がないので助かる。
 悶えながらクロヴィスの胸元にすがる。鍛え上げられた見事な肉体を手のひらでなぞり、下半身へと指を滑らせて、俺はつい身をすくませてしまった。え。でかい。でかすぎでは? これまだ完全には勃起してないですよね? それでこのサイズ?

「大丈夫だ、優しくする」

 素で驚いてしまった俺に、クロヴィスは笑みをこぼしながら俺の胸元に唇を寄せた。

「あああっ! んんっ、やぁあ……ッ!」

 ベッドに押し倒されて、胸先を舌で転がされて、窄まりを責められて。あとは挿れられて中出ししてもらっておしまい、なんだけど。あまりに教科書通りの流れというか。
 もちろん俺はそれで異議はないどころか、手っ取り早くて助かる。でも手抜きをするのは性に合わない。貴重な能力を俺にもたらしてくれるはずのクロヴィスにはお礼にたっぷり楽しんでもらいたい。

「は、ああ……っ、クロヴィスさま……、僕にも、クロヴィスさまに……ご奉仕させて、ください……」
「……ああ、頼む」

 クロヴィスは鷹揚にうなずいて体を起こした。口淫をしようとしている俺の意図を読んで、ベッドヘッドに積まれたクッションに上半身を横たえる。察しがよくて助かる。俺はクロヴィスの股の間に座り、逞しい腹筋をなぞりながらナイトガウンをはだけさせた。
 既に隆起しつつあるクロヴィスの性器に唇を寄せる。いや本当にデカいな。ここまでの大物には男娼をやっていたころにもそうそうお目にかからなかった。

「はぁ……んっ、……クロヴィスさまの……すごい……」

 熱に浮かされたようにつぶやきながら、ちゅっちゅと裏筋に吸いつく。
 確実に能力をコピーするために、いったん口で搾り取っておこうかな。そう思案しながら唇で刺激しているうちに、クロヴィスが早くも焦れていることに気がついた。おやおや、騎士様のくせに堪え性がないですね。

「あっ、んむ……どうしよ……僕の口に、入るかな……」

 口に含んで、唾液を滴らせながら一度吸いついて、すぐに唇を離す。それだけでクロヴィスは熱く息を弾ませた。
 クロヴィスは王族。老騎士が言っていたとおり、性交渉の相手に困るということはないだろう。そして誰であっても、クロヴィスに快感を得てもらおうと必死になるはずだ。焦らされた経験はあるまい。
 方針を定めた俺は、下品にならない程度に舌を使って、じっくりとご奉仕を開始した。焦らしに加え、さらに柔らかめの言葉責めも添えておく。

「んっ……、これ以上、大きくしないでください……こんなに大きくされたら、僕の中に入らないです……」
「あ、ああ……だが、こればかりはどうしようもない……」

 クロヴィスのものに唇を寄せたまま文句を言うと、弱り果てた声音が返ってきた。
 口を使って愛撫しながら、時折上目遣いでクロヴィスを見つめる。これがほしくてほしくてたまらない。そんな演技をする必要もない。だってクロヴィスの能力がどんなものか楽しみで仕方ない。自然と欲望が瞳に灯る。
 俺の読みは間違っていなかったようで、クロヴィスは切なげに息を切らし、高まっていく性感に目を蕩かせている。そして明らかに、クロヴィスの性器は今にも破裂しそうに張り詰めている。思った以上に好感触だ。

「や、あ……クロヴィス様の……おっきすぎてこわい……」
「ん……無理強いは、しない、から……」

 ――だから早くいかせてくれ。そんな本音を理解しつつも、俺はあくまで控え目に、決定的な刺激は与えず、クロヴィスの性器を延々とねぶりあげる。泰然とした表情をしていたクロヴィスも、押し寄せる快感の波に耐えようと目元をしかめ、ついに根を上げた。

「くっ、う……ニール……そろそろ、いいか……?」
「は、い……僕も……クロヴィスさまが――」

 ほしい。言葉ではなく目でおねだりする。そうしながら俺はクロヴィスの上に乗り上げて、ゆるりと体重をかけた。

「あの……クロヴィスさまの、おおきすぎるので……僕が、クロヴィス様にまたがっても、いいですか……?」

 騎乗位で自分のペースで挿入させてもらいたい。そんな俺の意図を正しく読んで、クロヴィスは悠然と首を縦に振る。こんなときでも切羽詰まった様子は見せないのはさすがだ。もし王族然としたクロヴィスが理性をかなぐり捨てたらどうなるのか、ちょっと興味が出てきてしまう。そんな好奇心を抱きながら俺はクロヴィスの上にまたがった。
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