4 / 7
一章
なんの音でしょうか?→腹です♪
しおりを挟む遡ること数分前…
チカが王に謁見しに行った後。
庭園に残った兵士達は、怪物を遠巻きに見ていた。チカにココで横になっていてと言われて素直に寝転がっている。
怪物が身動ぎする度にビクビクしながら見ていた。
そんな時……
グルルルル……
唸り声か?
グルルルルルルルル……
鼻らしき場所をピクピク、くんくんしだした。
「グァッグァッ……(腹減った……)」
さっきの串焼き食べたかったなぁ~…。
「グァッ!!(行くか!!)」
グン!と立ち上がり伸びをし、準備体操を始めた。
周りはそれはもう焦る。明らかに動くための準備にしか見えないのだ。
遂にはピョンピョン飛び始めた。
何が起きるか、どう動くか分からず、すぐに剣を抜けるように帯剣に手を掛けた。
今か、いつだ、どこへ……
そんな事を兵士らが瞬巡した瞬間……
ダンッ!!
「……ッ!消えた!」
前回(召喚された際)、壁や床を壊してしまったので力をセーブした結果、足音だけを残してその場から消えるように見える結果に繋がった。
一気に城壁の上まで飛んだのに着地した音も小さく済んで嬉しい♪
「グァ~~♪」(小声)
城壁の上で周りを見回した。
とても良くなった目を使って、城の中を、城外を、城下町を見回す。
さっき落ちてきた部屋はもっと上の部屋のようだ。
あっちからいい匂いが……よっ!と飛び出して行った。
だがしかし、城壁に詰めている兵士にはバレたがほとんどの兵士は怪物を見て声を失っている間にその場から一瞬で消えた為、疲れから何か見えたのだろう……と、思い込ん…
「んな訳ねぇ!!連絡回せ~!」
「グァ~♪(飯~♪)」
城の中を飛び回り、やっと見つけた厨房の窓にソッと顔を覗かせると……
「…………。」
「…………。」
窓の横に居た見習いと思われる少年と眼が合った。
「グァッ♪(よっ♪)」
「…………ヽ(;゚;Д;゚;; )ギャァァァーーー!!」
叫ばれて、みんなの視線が窓へと集まる。
「「「え?……うわ~~!!」」」
見習いの少年以外は勝手口から出ていくが、至近距離で見た為に少年は腰を抜かしていた。
少年は器用に窓から入る怪物をじっと見ていた。足の爪と前足の爪を窓枠の隙間に入れて、窓が壊れないように開く。
開ききった窓に身体を入れ…バギッ
「……ガッガッ♪(まぁまぁ♪)」
バコーーン!
壊れたからもういいや、と壊したながら入ってきた。
熊より大きな巨体の怪物が窓から入るわけがなかったのだ。
「ガゥ~~♪(うまそ~~♪)」
昼前で出来上がって皿に盛ってある飯を片っ端から平らげていった。
「フ~~♪グァ?(ふ~♪ここどこ?)」
解らなければ、進めばいい!
「♪♪♪」
大満足で宮廷料理の数々を食べて厨房から出ていった……
王城の回廊を歩いていると、前にメイドさんが歩いている。後ろから着いていったら広いところへ行けるかもしれない。
カツ…カツ…カツ…カツ…
メイドの足音が一定感覚で聞こえる。
ギュム………ギュム………
その後ろを奇妙な足音が着いていく。
不思議な音が聞こえて、メイドさんは後ろを振り向いた。
何も居ない、至って普通の回廊だ。
「クァ~♪(アブねぇ♪)」(小声)
振り向く直前に上に飛んで天井にくっついたのだった。
この怪物…
だるまさんが転んだをして遊んでいる!
そしてまた歩き始めたメイドさん。
それを追いかける怪物。
またメイドさんが止まったので追いかけようとしたら、今度は横から声を掛けられた。
「メイド長………うう、うし…」
尊敬するメイト長の後ろに怪物がいてなんとか声を掛けた新米メイドさん。
「どうしたの?牛?」
気に掛けている新米メイドに声を掛けられたメイド長はなんとか後ろを振り返る。
「グァ??」
その2人から目を向けられた怪物・ゴライヴァイスは首をかしげた。
「「キャーーーーーー!!」」
ビックリしたメイド2人の叫び声は、音波攻撃となって怪物に襲いかかる。
「グァゥ!?」
ビックリした怪物はピョンと飛び上がり、天井に貼り付いた。もう遅い。
叫び声を聞いて集まって来た兵士はメイド2人を避難させて、天井に逆さまに貼り付いている怪物に槍を向ける。
「グァ~♪(バレちゃった♪)」
ボコォ………
「あ…」 「グァ?」
さすがに天井は怪物を張り付ける用には出来ていなかった。
落ちてくる怪物の先にあるのは、向けられている槍。
果たして勝負の行方は………
☆☆☆☆☆
一方その頃、王の居る応接室に怪物逃走の伝令がされていた。
「伝令!!怪物が逃走致しました!」
「何!?どこへ行ったか解る者はおるか?」
「時間軸を精査したところ、城壁に貼り付いているのを目撃した兵を始め、厨房にて陛下の食事を平らげて、また城内に戻っていったとのことです!!」
兵は伝令を伝えて下がる。
「むぅ…何がしたいのか……解らぬな…」
そこに口を挟むチカ。勇気ある~
「それで今のゴラ様は?」
「目下、捜索中で…」
「「キャーーーーーー!!」」
!!!!
「行け!」
王の号令で伝令に来た兵が出ていった。
「ゴラ様~~!!」
チカもついていった。
静まり返る応接室でずっと空気となって控えていた殿下が発言する。
「父上、1人目の召喚者を呼んでみては?」
居たのか?と内心考えつつ、顔に出さないように王は考える。
「!? うむ…。それも有りかのぅ……。よし、今あやつは城下に出ておったな。誰か伝令を頼む!」
「ハッ!!」
応接室の前で待機している兵士が走っていった。
☆☆☆☆☆
チカは、声のした方へと急ぐ。
「ゴラ様~~!!」
ガヤガヤと聴こえてくる場所へと走る。
その場所にやっと着いた時、ゴライヴァイスは兵士が構えている槍の上へと落ちて行くところだった……
「キャーーーーーー!!」
バキバキッ!! ゴシャーーーン……
パラパラ…
刺さった!と思い込んだチカは、ショックのあまり気を失ってしまった…。
0
あなたにおすすめの小説
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる