9 / 55
1-9 カボチャお化けの仮面男
しおりを挟む
あの魔王の恥ずかしい射精事件の後。
モナはぐったりしていたレオを家に送り届け、自宅のある教会へと歩いていた。
ちなみに魔王ウルは身体の持ち主であるレオの家に住まわせることになった。
モナがウルの吐精を手伝ってからの彼は何となくしおらしかったので(単に疲れていたのかもしれないが)、取り敢えず今日のところは何か悪事を働くということもないだろう。
「うーん、念のために監視でもしておくべきだったかしら? ……でも私が居たところで、結局は何もできないのよね」
何となく不安になったのか一度歩みを止め、振り返ってその心配の種の居る方角を見やる。
独り暮らしをしているレオの小さな家に明かりが点いたのを確認し、ふぅと溜め息をひとつ。そしてまた視線を帰り道に戻す。
(日本に居た頃だったら、監視カメラのひとつでもつけてやるのに)
前世の知識をモナがこの世界でも活かせられたことといえば料理ぐらい。
あとは孤児院で子ども達に算術を教えるのに役立った程度だ。
なにせこの世界にはパソコンもスマホも無い。
知識チートにも元々のスペックが良くないと活かせるものが無いのだ、という事をこの十九年の人生で酷く痛感している。
孤児といえば、レオも孤児院の出身だった。
元々身寄りがなく、十六歳で成人するまで教会の孤児院で育てられたのだ。
彼は親が居らずとも一切腐ることが無く、昔から他の孤児たちの面倒を見るくらいに優しい青年で、周囲の大人からの評判も良かった。
当時からシスター見習いとして孤児院の手伝いをしていたモナも、レオの陽だまりのような温かさが大好きだった。
『このまま彼と夫婦になって、一緒に孤児院の経営をするのもいいなぁ』
モナのそんな淡い乙女の夢は、とある事件によって呆気なく潰えてしまった。
彼が成人になると同時に、女神から『レオが魔王を斃す勇者である』という宣託が降りたのだ。
その宣託を受けたのは、先代の聖女だったモナの母であるレジーナだった。
彼女は娘のモナに聖女の座を渡し、勇者のサポートをするように命じた。
そうして彼らは平凡な生活に別れを告げ、世界を救う役目を果たすことになってしまったのだ……。
「まさか転生先の人生でこんなことになるなんてね。せっかくみんな無事に帰って来れたって思ったのに、挙句の果てにこんなことまで……」
やっと落ち着いてレオとの愛を育めると思った矢先の魔王である。
どうしてこんなことになってしまったのだろう、と思わず頭痛がしてきたこめかみを押さえながら自宅へと向かう足を速めた。
彼女達が住むこの王都はルネイサス王国の中でも最も治安がいいとされているが、それでも女性が夜中に一人で出歩くのは決して安全であるとは言えない。
それは例え聖女であれど例外ではないだろう。
むしろ母親譲りの美貌を持った彼女を目当てに、隙を狙って来る人間がいてもおかしくないくらいだ。
魔王も恐ろしいが、人間の悪意はもっとタチが悪い。
「――いい加減、私の後をつけるのは止めてくれない? 私、今日は非常に疲れているの。手加減出来ずについうっかり、貴方の息の根を止めてしまうかもしれないわよ? 今なら半殺し程度で許してあげるわ」
もうこれ以上の面倒事は本当に勘弁してほしい。
つらすぎて泣きそうになる顔をどうにか取り繕うと、懐から杖を取り出して気配のする方へと振り返った。
このままもう少し行けば教会に逃げ込めるのだが、そこに居る年若いシスターや孤児院の子どもたちを巻き込むわけにはいかない。
(私のせいで迷惑を呼び込むぐらいなら、私自ら処理してやるわよ。これでも勇者パーティの一員なんだもの。街のゴロツキ程度、片手で捻れるぐらいの実力は持っているんだからね)
いつどこから襲われても対処できるように、警戒をしながら辺りを見渡す。
しかし相手も警戒しているのか、中々モナの前に出てこない。
――そのまま何も起こらず、ただ時間だけが経過していく。
「そっちが来ないのなら、こっちから行くわよ……?」
あと五秒したら突撃しよう、そう思った瞬間。
闇のカーテンが突如現れ、モナの周囲を覆い隠してしまった。
あっという間に月の穏やかな光も消え失せ、夜を鳴く鳥の声もピタリと静まっている。
何の魔法を使われたのかと警戒心を高めていると、急激な魔力の高まりを感じた。
咄嗟に魔法に対する防御結界を張るためにモナは呪文を唱え始めるが、結界が完成する間もなく、目の前の暗闇からヌルリと奇妙な出で立ちをした男が姿を現した。
「やぁ、こんばんは。そしてはじめまして、かな?」
「……っ!! 仮面ですって!? 貴方はいったい……何者なの!?」
不審者の正体は下卑た笑みを浮かべた不良たち……ではなく、なんとカボチャお化けの仮面男だった。
顔は隠されていて分からないが背丈はモナよりも高く、細身の身体にスーツのようなフォーマルな衣服を身に着けている。
そして右手には黒いステッキを持っている。
仮面のせいか声が変だが、背格好からして性別はおそらく男。
(なんなのよこの男は……!! なんでハロウィンの仮装みたいな姿をしているの!? 普通に話しかけてきたし、少なくともモンスターが化けているとかではなさそうだけど)
レオやミケと違ってガッシリとした体格ではないが、不思議と貧弱な感じはしない。
間違いなく街のゴロツキのような雑魚ではないだろう。決して油断はできない。
「ボクはジャック。それ以上の何者でもない、ただの道化だよ」
(そんな仮面をした人物が何者でもない訳がないでしょうが!!)
ジャックと名乗った男はおどけた仕草でお辞儀をする。
表情は見えないのに、馬鹿にされているような態度が余計にモナを苛立たせる。
今日だけで色々あり過ぎて、聖女の若く張りのある綺麗な顔に皺ができてしまいそうだ。
「……金銭が目的、というわけではなさそうね」
「ははは、ボクはこの世界の外側の住人。そんな俗物的なモノに興味は無いね」
(世界の外側……? 余計怪しさが増したじゃないの。まったく、魔王の次は狂言師だなんて……どれだけ厄日なのよ今日は)
「あぁ、そう……それじゃあジャックさんは何が目的なのかしら? 私、もう疲れ果てているの。用が無いのだったら、このままさっさと帰らせてくれない?」
「ふふふ……それはボクだって知っているよ、聖女モナ。聖女の事はずっと見てきたからね」
両手で筒のような形にすると、それでカボチャの目の部分にくっつけて覗き見をするポーズをするジャック。
彼が今言ったことが事実なら、先程レオと共に居た時のことも一部始終、ジャックに見られていたわけで……。
「はあっ!? ずっと、って……ま、まさか!?」
「そうだよ。聖女があの男の性器を愛おしそうに「それ以上喋ったら貴方の仮面ごと、この杖でぶち抜くわよ」……おぉ、こわいこわい。そんなにアレが恥ずかしかったのかい? うわっと、ごめんって!!」
いい加減に堪忍袋の緒が切れたモナがジャックのふざけたカボチャお化け顔に、杖で殺意の乗った鋭い突きを繰り出した。
だがそれを彼は頭を横に倒すだけで軽々と避けてしまう。
もし彼が普通の人間だったら、スイカ割りのように頭がパァンと破裂していただろう。
それを易々と回避してのけたジャックはやはり、ただの変人では無いだろう。
殺しかけた本人であるモナでさえ、今のやり取りで判明したジャックの戦闘能力の高さに内心驚いていた。
「……いい加減にしないと、そのカボチャ頭で明日の朝のスープを作って孤児院の子どもたちに飲ませるわよ」
「それはさすがのボクも、ちょっと嫌だなぁ。分かったよ、用件だけ簡単に言うから。言ったら帰るからさ、ね? はははは」
「本当かしら……なら、さっさと言いなさいっての」
冗談は交わすが、戦闘の構えは崩さない。
カタカタと仮面を壊れたように揺らしながら笑うジャックを、この杖でいつでも殺せるように。
そんなモナを見て、さすがにもうふざけるのは止めにしたのか、ジャックは突然佇まいを直して真面目なトーンでモナに語り掛けた。
「ボクはね、聖女に忠告しに来たんだよ」
「……忠告??」
いったいなにを……そう言いかける前に、ジャックは続きを告げた。
「女神を決して信じてはいけない。今のままでは近いうちに、聖女の大事な人は失われるだろう」
モナはぐったりしていたレオを家に送り届け、自宅のある教会へと歩いていた。
ちなみに魔王ウルは身体の持ち主であるレオの家に住まわせることになった。
モナがウルの吐精を手伝ってからの彼は何となくしおらしかったので(単に疲れていたのかもしれないが)、取り敢えず今日のところは何か悪事を働くということもないだろう。
「うーん、念のために監視でもしておくべきだったかしら? ……でも私が居たところで、結局は何もできないのよね」
何となく不安になったのか一度歩みを止め、振り返ってその心配の種の居る方角を見やる。
独り暮らしをしているレオの小さな家に明かりが点いたのを確認し、ふぅと溜め息をひとつ。そしてまた視線を帰り道に戻す。
(日本に居た頃だったら、監視カメラのひとつでもつけてやるのに)
前世の知識をモナがこの世界でも活かせられたことといえば料理ぐらい。
あとは孤児院で子ども達に算術を教えるのに役立った程度だ。
なにせこの世界にはパソコンもスマホも無い。
知識チートにも元々のスペックが良くないと活かせるものが無いのだ、という事をこの十九年の人生で酷く痛感している。
孤児といえば、レオも孤児院の出身だった。
元々身寄りがなく、十六歳で成人するまで教会の孤児院で育てられたのだ。
彼は親が居らずとも一切腐ることが無く、昔から他の孤児たちの面倒を見るくらいに優しい青年で、周囲の大人からの評判も良かった。
当時からシスター見習いとして孤児院の手伝いをしていたモナも、レオの陽だまりのような温かさが大好きだった。
『このまま彼と夫婦になって、一緒に孤児院の経営をするのもいいなぁ』
モナのそんな淡い乙女の夢は、とある事件によって呆気なく潰えてしまった。
彼が成人になると同時に、女神から『レオが魔王を斃す勇者である』という宣託が降りたのだ。
その宣託を受けたのは、先代の聖女だったモナの母であるレジーナだった。
彼女は娘のモナに聖女の座を渡し、勇者のサポートをするように命じた。
そうして彼らは平凡な生活に別れを告げ、世界を救う役目を果たすことになってしまったのだ……。
「まさか転生先の人生でこんなことになるなんてね。せっかくみんな無事に帰って来れたって思ったのに、挙句の果てにこんなことまで……」
やっと落ち着いてレオとの愛を育めると思った矢先の魔王である。
どうしてこんなことになってしまったのだろう、と思わず頭痛がしてきたこめかみを押さえながら自宅へと向かう足を速めた。
彼女達が住むこの王都はルネイサス王国の中でも最も治安がいいとされているが、それでも女性が夜中に一人で出歩くのは決して安全であるとは言えない。
それは例え聖女であれど例外ではないだろう。
むしろ母親譲りの美貌を持った彼女を目当てに、隙を狙って来る人間がいてもおかしくないくらいだ。
魔王も恐ろしいが、人間の悪意はもっとタチが悪い。
「――いい加減、私の後をつけるのは止めてくれない? 私、今日は非常に疲れているの。手加減出来ずについうっかり、貴方の息の根を止めてしまうかもしれないわよ? 今なら半殺し程度で許してあげるわ」
もうこれ以上の面倒事は本当に勘弁してほしい。
つらすぎて泣きそうになる顔をどうにか取り繕うと、懐から杖を取り出して気配のする方へと振り返った。
このままもう少し行けば教会に逃げ込めるのだが、そこに居る年若いシスターや孤児院の子どもたちを巻き込むわけにはいかない。
(私のせいで迷惑を呼び込むぐらいなら、私自ら処理してやるわよ。これでも勇者パーティの一員なんだもの。街のゴロツキ程度、片手で捻れるぐらいの実力は持っているんだからね)
いつどこから襲われても対処できるように、警戒をしながら辺りを見渡す。
しかし相手も警戒しているのか、中々モナの前に出てこない。
――そのまま何も起こらず、ただ時間だけが経過していく。
「そっちが来ないのなら、こっちから行くわよ……?」
あと五秒したら突撃しよう、そう思った瞬間。
闇のカーテンが突如現れ、モナの周囲を覆い隠してしまった。
あっという間に月の穏やかな光も消え失せ、夜を鳴く鳥の声もピタリと静まっている。
何の魔法を使われたのかと警戒心を高めていると、急激な魔力の高まりを感じた。
咄嗟に魔法に対する防御結界を張るためにモナは呪文を唱え始めるが、結界が完成する間もなく、目の前の暗闇からヌルリと奇妙な出で立ちをした男が姿を現した。
「やぁ、こんばんは。そしてはじめまして、かな?」
「……っ!! 仮面ですって!? 貴方はいったい……何者なの!?」
不審者の正体は下卑た笑みを浮かべた不良たち……ではなく、なんとカボチャお化けの仮面男だった。
顔は隠されていて分からないが背丈はモナよりも高く、細身の身体にスーツのようなフォーマルな衣服を身に着けている。
そして右手には黒いステッキを持っている。
仮面のせいか声が変だが、背格好からして性別はおそらく男。
(なんなのよこの男は……!! なんでハロウィンの仮装みたいな姿をしているの!? 普通に話しかけてきたし、少なくともモンスターが化けているとかではなさそうだけど)
レオやミケと違ってガッシリとした体格ではないが、不思議と貧弱な感じはしない。
間違いなく街のゴロツキのような雑魚ではないだろう。決して油断はできない。
「ボクはジャック。それ以上の何者でもない、ただの道化だよ」
(そんな仮面をした人物が何者でもない訳がないでしょうが!!)
ジャックと名乗った男はおどけた仕草でお辞儀をする。
表情は見えないのに、馬鹿にされているような態度が余計にモナを苛立たせる。
今日だけで色々あり過ぎて、聖女の若く張りのある綺麗な顔に皺ができてしまいそうだ。
「……金銭が目的、というわけではなさそうね」
「ははは、ボクはこの世界の外側の住人。そんな俗物的なモノに興味は無いね」
(世界の外側……? 余計怪しさが増したじゃないの。まったく、魔王の次は狂言師だなんて……どれだけ厄日なのよ今日は)
「あぁ、そう……それじゃあジャックさんは何が目的なのかしら? 私、もう疲れ果てているの。用が無いのだったら、このままさっさと帰らせてくれない?」
「ふふふ……それはボクだって知っているよ、聖女モナ。聖女の事はずっと見てきたからね」
両手で筒のような形にすると、それでカボチャの目の部分にくっつけて覗き見をするポーズをするジャック。
彼が今言ったことが事実なら、先程レオと共に居た時のことも一部始終、ジャックに見られていたわけで……。
「はあっ!? ずっと、って……ま、まさか!?」
「そうだよ。聖女があの男の性器を愛おしそうに「それ以上喋ったら貴方の仮面ごと、この杖でぶち抜くわよ」……おぉ、こわいこわい。そんなにアレが恥ずかしかったのかい? うわっと、ごめんって!!」
いい加減に堪忍袋の緒が切れたモナがジャックのふざけたカボチャお化け顔に、杖で殺意の乗った鋭い突きを繰り出した。
だがそれを彼は頭を横に倒すだけで軽々と避けてしまう。
もし彼が普通の人間だったら、スイカ割りのように頭がパァンと破裂していただろう。
それを易々と回避してのけたジャックはやはり、ただの変人では無いだろう。
殺しかけた本人であるモナでさえ、今のやり取りで判明したジャックの戦闘能力の高さに内心驚いていた。
「……いい加減にしないと、そのカボチャ頭で明日の朝のスープを作って孤児院の子どもたちに飲ませるわよ」
「それはさすがのボクも、ちょっと嫌だなぁ。分かったよ、用件だけ簡単に言うから。言ったら帰るからさ、ね? はははは」
「本当かしら……なら、さっさと言いなさいっての」
冗談は交わすが、戦闘の構えは崩さない。
カタカタと仮面を壊れたように揺らしながら笑うジャックを、この杖でいつでも殺せるように。
そんなモナを見て、さすがにもうふざけるのは止めにしたのか、ジャックは突然佇まいを直して真面目なトーンでモナに語り掛けた。
「ボクはね、聖女に忠告しに来たんだよ」
「……忠告??」
いったいなにを……そう言いかける前に、ジャックは続きを告げた。
「女神を決して信じてはいけない。今のままでは近いうちに、聖女の大事な人は失われるだろう」
0
あなたにおすすめの小説
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる