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剣の章
♠14 愚者のカード
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「禍星の子……?」
聞き慣れないフレーズに悠真は首を傾げる。
受け入れる態勢になって最初のひと言目から知らない言葉が出てしまったのだから、それも当然だろう。
「うーん、ちょっとオカルト染みた話になるんだけどね。取り敢えず、まぁ。そう呼ばれている人間が居るのよ。ところで悠真君はタロットって知ってる?」
紅莉はポカン、としてしまった彼を見て「だよねぇ……」と苦笑した。
襲ってきた女について聞いていたはずなのに、「タロットって知ってる?」と聞かれればそれも当然である。
「ほら、占いとかでもカードで使っている人がいるでしょ? あれだよ、あれ」
「え? あぁ、うん……実物は見たことが無いけど、タロット自体は聞いたことはあるような……あぁ、いや。母さんが昔、それっぽいのを持っていたかもしれない」
幼い頃に悠真がタンスに入っていたタロットカードを、トランプカードと勘違いして遊ぼうと思ったことがある。それは両親の寝室にあったのだが、どうやら母の大切なものだったらしく、使い方が分からず神経衰弱を始めていた悠真を見て激怒された記憶があった。
「タロットには二一種類の大アルカナと呼ばれるカードがあってね。いろんな人間の物語が描かれているの。それらのカードが意味する宿命を背負った人間が、禍星の子なのよ」
紅莉はスクールバッグから小さなカードの束を取り出し、一枚を取り出した。
「たとえば、この愚者のカード。まぁ愚者なんて名前がついているけれど、ゼロ番目のコレは、旅の始まり、何かが始まることを意味しているの。だから愚者、というよりも旅人って意味合いの方が近いかな」
「はぁ……」
紅莉はその他にも塔や法衣を着た人物が描かれたカードを悠真に見せて、簡単に説明していった。
中には死神や悪魔といったカードもあった。「死」や「誘惑」といった意味だと教えられた時には、他人事ながら「こんな宿命は嫌だな」と思ってしまった。
「つまりはね? これらのカードをに選ばれた禍星の子は、そういったタロットの性質に近い運命を辿るということなの」
紅莉はここまで説明して、悠真の口が限界まで引き攣っている事に気が付いた。
まぁそれも仕方のないことだろう。
見知らぬおかしな女に襲われ、助かったと思ったら友人からオカルトの話をされる。
とうに理解の限界を迎えていてもおかしくはない。
「うぅ~。これじゃ悠真君に、私までおかしな人間に思われちゃう……」
「あ、いや。そんなことは……」
思っていないとは言えない。嘘を吐けない悠真は否定も肯定もせず、ただ言葉を濁した。
聞き慣れないフレーズに悠真は首を傾げる。
受け入れる態勢になって最初のひと言目から知らない言葉が出てしまったのだから、それも当然だろう。
「うーん、ちょっとオカルト染みた話になるんだけどね。取り敢えず、まぁ。そう呼ばれている人間が居るのよ。ところで悠真君はタロットって知ってる?」
紅莉はポカン、としてしまった彼を見て「だよねぇ……」と苦笑した。
襲ってきた女について聞いていたはずなのに、「タロットって知ってる?」と聞かれればそれも当然である。
「ほら、占いとかでもカードで使っている人がいるでしょ? あれだよ、あれ」
「え? あぁ、うん……実物は見たことが無いけど、タロット自体は聞いたことはあるような……あぁ、いや。母さんが昔、それっぽいのを持っていたかもしれない」
幼い頃に悠真がタンスに入っていたタロットカードを、トランプカードと勘違いして遊ぼうと思ったことがある。それは両親の寝室にあったのだが、どうやら母の大切なものだったらしく、使い方が分からず神経衰弱を始めていた悠真を見て激怒された記憶があった。
「タロットには二一種類の大アルカナと呼ばれるカードがあってね。いろんな人間の物語が描かれているの。それらのカードが意味する宿命を背負った人間が、禍星の子なのよ」
紅莉はスクールバッグから小さなカードの束を取り出し、一枚を取り出した。
「たとえば、この愚者のカード。まぁ愚者なんて名前がついているけれど、ゼロ番目のコレは、旅の始まり、何かが始まることを意味しているの。だから愚者、というよりも旅人って意味合いの方が近いかな」
「はぁ……」
紅莉はその他にも塔や法衣を着た人物が描かれたカードを悠真に見せて、簡単に説明していった。
中には死神や悪魔といったカードもあった。「死」や「誘惑」といった意味だと教えられた時には、他人事ながら「こんな宿命は嫌だな」と思ってしまった。
「つまりはね? これらのカードをに選ばれた禍星の子は、そういったタロットの性質に近い運命を辿るということなの」
紅莉はここまで説明して、悠真の口が限界まで引き攣っている事に気が付いた。
まぁそれも仕方のないことだろう。
見知らぬおかしな女に襲われ、助かったと思ったら友人からオカルトの話をされる。
とうに理解の限界を迎えていてもおかしくはない。
「うぅ~。これじゃ悠真君に、私までおかしな人間に思われちゃう……」
「あ、いや。そんなことは……」
思っていないとは言えない。嘘を吐けない悠真は否定も肯定もせず、ただ言葉を濁した。
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