65 / 114
2章 第2部 陽だまりへの誘い
64話 手掛かり
しおりを挟む
陣は灯里と別れ、少し前にルシアやカーティス神父と会った教会へ。
中は相変わらず色とりどりのステンドグラスや神秘的な内装により、神々しい。礼拝スペースには多くの信者たちが祈りをささげており、厳粛な雰囲気が漂っていた。そんな中陣は礼拝スペースを抜け、奥にある執務室の方へと向かう。
「陣さん、よく来てくれました」
中に入るとカーティス神父が出迎えてくれた。
「カーティス神父、進展があったというのは本当ですか?」
「はい、それと陣さんが追っている、創星術師の情報も手に入れておきましたよ」
「本当ですか、助かります」
「ではまず情報の方から。サイファス・フォルトナーの擬似恒星を持つ青年の名前は、アンドレー・ローラント。レーヴェンガルト側に身を置く創星術師です」
さっそくカーティスは、陣たちが追っている創星術師の情報を提供してくれる。
「――アンドレー・ローラント……」
「実は彼、星魔教のトップである大司教に目を付けられていた魔道の求道者で、そのツテによりサイファス・フォルトナーの擬似恒星と出会ったとか。それから創星使いとなり、星魔教の手伝いをしながらウデを上げて創星術師に。そして大司教の推薦で、レーヴェンガルトの戦力に加わったらしいですね」
星魔教のサポートを受けている創星術師の中には、その恩を返すため彼らの戦力として手助けする者も多いのだ。そのため別の創星術師の護衛や逃走の手伝いなど、星魔教のエージェントのような働きをすることもめずらしくない。それにこれは恩を返すだけでなく、荒事でみずからの星の輝きを上げる事にもつながる。よって魔道の求道にもうってつけであり、けっこう流行っているといってよかった。
「ただ少し前から消息を絶っていて、レーヴェンガルト側も探していたそうです」
「消息を絶っていたということは、今アンドレーは独自に動いてるということですか?」
「はい、どうやらそのようで。聞いた話によると、大司教はアンドレーが暴れたことを聞いて、取り乱していたとか。おそらく彼がレイヴァース当主を狙っていることは、レーヴェンガルト側にとっても予想外だったのでしょう」
これは陣たちにとって朗報かもしれない。アンドレーが独自に動いているなら、現在彼をサポートするレーヴェンガルト側の人間がいないことに。なのでうまくいけば妨害もなく、アンドレーとサシで戦えるはずだ。
「さて、ここからが進展についてです。実は今から少し前に大司教みずからが、ロストポイントである神代特区旧市街地に向かったそうです。しかも護衛もつけないまま、秘密裏にね」
この神代特区にはロストポイントが二つある。一つはパラダイスロストの中心地となる、福音島。そしてもう一つはかつて創星術師が暴走し、多くの爪あとを残した旧市街だ。
「大司教みずから?」
「怪しいと思いませんか? このタイミングでそのような場所に行くなんて。実際大司教とアンドレーとは、深いつながりがあります。なのでアンドレーのいる場所に心当たりがあるのか、それとも連絡が取れたのか。追ってみる価値はあると思うんですよ」
カーティスは不敵に笑いながら、自身の考えを口に。
「確かに有力な手掛かりですね。すぐに向かってみます」
「すでにロストポイントの入り口付近に、ルシアさんを待機させています。彼女なら旧市街にある星魔教関連の隠し施設にくわしいので、役に立つはず」
「わかりました」
さすがはカーティス。すでに案内人を用意し、旧市街地を調べる手はずを整えてくれているとは。
「それと陣さん、突然でわるいのですが、一つ星魔教側から依頼させてもらえないでしょうか?」
有力な手掛かりが得れたのでさっそく向かおうとすると、カーティスが呼び止めてきた。
「このタイミングで依頼ですか?」
「はい、なにやらアンドレーはレイヴァース当主を狙っている様子。なので陣さんには、それを阻止していただきたい。もしここでレイヴァース当主になにかあれば、星葬機構側がだまっているはずがない。最悪の形で全面戦争が起こり、星魔教もタダでは済まないでしょう。なのでこちらとしては、アンドレーの思い通りにさせるわけにはいかないのです」
クレハは星葬機構のトップ。そんな彼女がやられ、しかもその相手が宿敵であるレーヴェンガルト側となれば、もはや一大事どころではない。星葬機構は報復のため全勢力を率いて、殲滅に向かうのは明白。となればレーヴェンガルトと間接的つながりがある星魔教も、巻き込まれてしまう恐れが。最悪の場合、レーヴェンガルト側の戦力として矢面に立たされる場合も。ゆえに星魔教側からしてみれば、アンドレーをなんとしてでも止めなければならないのだ。
「なるほど。その依頼、引き受けさせてもらいますよ。アンドレーを倒すのがオレの目的ですから、ちょうどいい」
「ありがとうございます。こちらもルシアさんを通して、バックアップさせてもらいますので。では、ご武運を」
そしてカーティスに見送られ、陣は旧市街へと向かうのであった。
中は相変わらず色とりどりのステンドグラスや神秘的な内装により、神々しい。礼拝スペースには多くの信者たちが祈りをささげており、厳粛な雰囲気が漂っていた。そんな中陣は礼拝スペースを抜け、奥にある執務室の方へと向かう。
「陣さん、よく来てくれました」
中に入るとカーティス神父が出迎えてくれた。
「カーティス神父、進展があったというのは本当ですか?」
「はい、それと陣さんが追っている、創星術師の情報も手に入れておきましたよ」
「本当ですか、助かります」
「ではまず情報の方から。サイファス・フォルトナーの擬似恒星を持つ青年の名前は、アンドレー・ローラント。レーヴェンガルト側に身を置く創星術師です」
さっそくカーティスは、陣たちが追っている創星術師の情報を提供してくれる。
「――アンドレー・ローラント……」
「実は彼、星魔教のトップである大司教に目を付けられていた魔道の求道者で、そのツテによりサイファス・フォルトナーの擬似恒星と出会ったとか。それから創星使いとなり、星魔教の手伝いをしながらウデを上げて創星術師に。そして大司教の推薦で、レーヴェンガルトの戦力に加わったらしいですね」
星魔教のサポートを受けている創星術師の中には、その恩を返すため彼らの戦力として手助けする者も多いのだ。そのため別の創星術師の護衛や逃走の手伝いなど、星魔教のエージェントのような働きをすることもめずらしくない。それにこれは恩を返すだけでなく、荒事でみずからの星の輝きを上げる事にもつながる。よって魔道の求道にもうってつけであり、けっこう流行っているといってよかった。
「ただ少し前から消息を絶っていて、レーヴェンガルト側も探していたそうです」
「消息を絶っていたということは、今アンドレーは独自に動いてるということですか?」
「はい、どうやらそのようで。聞いた話によると、大司教はアンドレーが暴れたことを聞いて、取り乱していたとか。おそらく彼がレイヴァース当主を狙っていることは、レーヴェンガルト側にとっても予想外だったのでしょう」
これは陣たちにとって朗報かもしれない。アンドレーが独自に動いているなら、現在彼をサポートするレーヴェンガルト側の人間がいないことに。なのでうまくいけば妨害もなく、アンドレーとサシで戦えるはずだ。
「さて、ここからが進展についてです。実は今から少し前に大司教みずからが、ロストポイントである神代特区旧市街地に向かったそうです。しかも護衛もつけないまま、秘密裏にね」
この神代特区にはロストポイントが二つある。一つはパラダイスロストの中心地となる、福音島。そしてもう一つはかつて創星術師が暴走し、多くの爪あとを残した旧市街だ。
「大司教みずから?」
「怪しいと思いませんか? このタイミングでそのような場所に行くなんて。実際大司教とアンドレーとは、深いつながりがあります。なのでアンドレーのいる場所に心当たりがあるのか、それとも連絡が取れたのか。追ってみる価値はあると思うんですよ」
カーティスは不敵に笑いながら、自身の考えを口に。
「確かに有力な手掛かりですね。すぐに向かってみます」
「すでにロストポイントの入り口付近に、ルシアさんを待機させています。彼女なら旧市街にある星魔教関連の隠し施設にくわしいので、役に立つはず」
「わかりました」
さすがはカーティス。すでに案内人を用意し、旧市街地を調べる手はずを整えてくれているとは。
「それと陣さん、突然でわるいのですが、一つ星魔教側から依頼させてもらえないでしょうか?」
有力な手掛かりが得れたのでさっそく向かおうとすると、カーティスが呼び止めてきた。
「このタイミングで依頼ですか?」
「はい、なにやらアンドレーはレイヴァース当主を狙っている様子。なので陣さんには、それを阻止していただきたい。もしここでレイヴァース当主になにかあれば、星葬機構側がだまっているはずがない。最悪の形で全面戦争が起こり、星魔教もタダでは済まないでしょう。なのでこちらとしては、アンドレーの思い通りにさせるわけにはいかないのです」
クレハは星葬機構のトップ。そんな彼女がやられ、しかもその相手が宿敵であるレーヴェンガルト側となれば、もはや一大事どころではない。星葬機構は報復のため全勢力を率いて、殲滅に向かうのは明白。となればレーヴェンガルトと間接的つながりがある星魔教も、巻き込まれてしまう恐れが。最悪の場合、レーヴェンガルト側の戦力として矢面に立たされる場合も。ゆえに星魔教側からしてみれば、アンドレーをなんとしてでも止めなければならないのだ。
「なるほど。その依頼、引き受けさせてもらいますよ。アンドレーを倒すのがオレの目的ですから、ちょうどいい」
「ありがとうございます。こちらもルシアさんを通して、バックアップさせてもらいますので。では、ご武運を」
そしてカーティスに見送られ、陣は旧市街へと向かうのであった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、11人?の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』
まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。
朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。
「ご主人様の笑顔が見たいんです」
その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。
全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!?
甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。
「作品への感想代わりの『いいね❤️』や『エール📣』、心よりお待ちしております。」
「【応援のお願い】『いいね❤️』や『エール📣』をいただけると、作者のモチベーションが爆上がりします!」
「最後までお読みいただきありがとうございます。温かい『いいね❤️』が更新の支えです。」
俺は陰キャだったはずなのに……なぜか学園内でモテ期が到来した件
こうたろ
青春
友人も恋人も居ないボッチ学生だった山田拓海が何故かモテだしてしまう。
・学園一の美人で、男女問わず憧れの的。
・陸上部のエースで、明るく活発なスポーツ女子。
・物静かで儚げな美術部員。
・アメリカから来た金髪碧眼でハイテンションな留学生。
・幼稚園から中学まで毎朝一緒に登校していた幼馴染。
拓海の生活はどうなるのか!?
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる