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6章 第1部 アリスの来訪
235話 那由多とアリス
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あれからレイジとアリスは着替え、那由多が作ってくれた朝食をみんなで食べたという。そして現在リビングのソファーにアリスと共に座り、ゆっくりしていた。
ちなみに食事の時は、仲が悪い那由多とアリスのせいで会話がはずまず、気まずい空気が流れていたのであった。
「まったくもー! アリス・レイゼンベルトのせいで、那由多ちゃんの至福の時間が台無しですよー」
食器を洗い終わった那由多が戻ってきて、腕を組みながらほおをふくらませてくる。
「至福の時間って、大げさな。ただ朝飯を作りに来てるだけだろ」
「レイジはなにもわかってませんねー。大好きな人に朝から会えて、しかも穏やかな朝のひと時を一緒に過ごせるんですよ! 早く会いたいなー、なにしゃべろうかなーって考えて、毎回胸をはずませながら来てるんですから!」
那由多は両ほおに手を当て、どこかうっとりしながら熱くかたる。その姿はまるで恋する乙女のように、まぶしかったといっていい。
「そんなルンルン気分でたどり着いたら、ほかの女とイチャイチャしてるこの仕打ち! あんまりじゃないですか! 今日なんか、こっそりレイジのベッドに忍び込んで、いっぱい寝顔を堪能してから起こそうと思ってたのに!」
そして両腕をブンブン振り、レイジに詰め寄って抗議してくる那由多。
「なに恐ろしいことを企んでるんだ! あと毎度毎度、不法侵入は止めろ! ちゃんとチャイムを鳴らして、オレが出迎えてから家に入ってくれ。こっちにもプライベートというものがあるんだからな」
「えー、それじゃあ、レイジの寝顔や、その他もろもろを堪能できないじゃないですかー。那由多ちゃんの朝の楽しみの一つなのにー」
「おい。寝顔の件もそうだがその他もろもろって、変なことしてないよな?」
「ギク!? それはその……、きゃは!」
レイジの追及に、那由多は視線をそらしながら言葉につまり出す。そして両ほおに指を当て、全力であざとい笑顔を。
「かわいく笑ってもごまかされないからな!」
「あら、ヤダ。不法侵入するだけじゃなく、そんな好き放題してるなんて。レージ、こんな女とは早く縁を切るべきよ。でないとどんどんエスカレートして、いつか後悔することになるわ」
「あのな、不法侵入して好き放題してるのは、アリスもだからな」
「あら、レージの戦友であり、家族でもあるアタシには当然の権利じゃないかしら?」
アリスはレイジの胸板に手を当て、不敵にほほえんできた。
「そんなわけあるか! まったく、セキュリティーは万全のはずなのになんでこうも簡単に……」
扉は特別なパスコードがないと、開かない仕様になっている。そして彼女たちにはそれを発行していないのだ。なのでレイジが迎え入れないと入れないはずなのだが、一体どうやって彼女たちは扉を開けたのだろうか。
「ふっふっふっ、それはもちろん愛の力ですよ!」
「フフフ、アタシとレージの間に、壁なんて存在しないわ!」
頭を抱えていると、悪びれた様子もなくさぞ自信満々に宣言してくる二人。
「――おまえらな……」
「それはそうとヒイラギナユタ。食後のコーヒーとかないのかしら? 気が利かないわね」
「はぁ!? なんでわたしが!?」
アリスの突然の要求に、那由多は不服そうに文句を。
「レージだって飲みたいと思ってたところよね?」
するとアリスはレイジに顔をぐいっと近づけ、たずねてきた。
アリスはとても美人な女の子。そんな彼女に吐息がかかるほどの至近距離で見つめられると、どぎまぎせずにはいられない。
「――ま、まあ、そうだな」
「ほら、レージもこう言ってるわよ」
「この女!」
「フフフ、アタシ甘いのでお願いね」
「――え、ええ、甘いのですね……、任せてください……」
拳をプルプル震わせながら、那由多は台所の方へ向かっていく。
どうやら律儀にコーヒーを作ってくれるらしい。
「ふっふっふっ、注文通り甘いのにしてあげますよ。こう砂糖をどばどばーと」
ただ台所のほうから那由多のよからぬ声と、砂糖を容器ごとドバドバ入れている音がかすかに聞こえてきた。
「お待たせしましたー! レイジのはこちらなので間違わないように!」
そして二人分のコーヒーを作った那由多が、ニコニコしながら戻ってきた。
レイジたちはコーヒーを受け取り、さっそく飲もうと。
「サンキューな」
「いただくわ」
「ふっふっふっ、さあ、その激甘コーヒーで苦しむといいです、アリス・レイゼンベルト」
ただ後ろのほうで、那由多がほくそ笑んでいるのが聞こえる。
腹いせに、いたずらを仕掛けたみたいだ。あの激甘コーヒーを受け取ったのが別の女の子だったらさすがに止めていたが、相手がアリスなのでそのまま見守ることに。
「あら、ヒイラギナユタ、なかなかやるじゃない。このコーヒーだけはほめてあげるわ」
アリスは一口飲んだあと、満足げにうなずく。
その予想外の反応に、那由多は目を丸くするしかないようで。
「ば、バカな!? あれコーヒーという名の砂糖の塊ですよ! それを平然と飲むなんて!」
「ははは、アリスは大の甘党だからな。あれぐらいがあいつのベストなんだよ」
「――そんな……、アリス・レイゼンベルトに、ぎゃふんと言わせるはずが……」
那由多はその場に崩れ落ち、悔しそうに拳をぎゅっとにぎった。
「それでアリス、なんでここにいるんだ?」
「会いたかったからじゃ、だめなのかしら?」
アリスはほおに手を当て、首をかしげてくる。
「――それは……」
こうもストレートに言われると、さすがに気恥ずかしくなるしかない。
「フフフ、実はちゃんとした理由もあるのよね。詳細はまたボスに聞いてちょうだい。とりあえずしばらくは、レージと一緒に行動することになると思うから」
「ボスがらみか。あと一緒に行動するってことは……」
「ええ、少しの間だけ、あなたがいるアイギスの方でお世話になろうかしらね。ちょうど加入のお誘いもあることだし」
アリスは結月、さらにはアポルオンの巫女であるカノンから、エデン協会アイギスにぜひ入ってほしいと誘われていたのだ。
「異議あーり! その件については那由多ちゃんが断固拒否します!」
すると那由多がリビングのテーブルをバンバンたたき、主張しだす。
「フフフ、あなたがなんと言おうとも、カノンから直接スカウトされた時点でくつがえらないと思うわよ。いい加減あきらめたらどうかしら?」
「ぐぬぬ、結月もカノンも、なんでよりにもよってこんな女を……」
アリスの正論に、苦虫を噛み潰したような顔をする那由多。
「アタシもあなたといるのはごめんだけど、レージと組むためなら目をつぶってあげるわ」
「はい、残念でしたー! レイジと組むのはパートナーであり、嫁である那由多ちゃんです! そこにあなたの出る幕はありません! ね! レイジ!」
那由多はレイジの右腕を抱きしめ、同意を求めてくる。
「あら、どうせ組むなら、より連携できるほうがよくないかしら。アタシは黒い双翼の刃としてずっと共に戦ってきたから、レージの動きは手に取るようにわかる。その阿吽の呼吸による抜群のコンビネーションは、ほかの追随を許しはしない。レージも安心して背中を任せられると思うわ。ね! レージ!」
対してアリスはレイジの左腕を抱きしめ、同意を求めてきた。
「こっちだってコンビネーションには自信があります! なんたってわたしたちは愛の力で、もう以心伝心なんですから! それにわたしなら戦闘面だけでなく、改ざんのサポートだったり的確な指示を出したり、見事勝利に導いてあげれます! ええ、これほど心強いパートナーはいないことでしょう!」
「ふん、黒い双翼の刃にそんな小細工はいらないわ。純粋な力で真っ向からねじ伏せる。それこそが闘争の醍醐味なんだもの。レージもそうでしょ。スマートに勝つより、どうせなら昔みたいに敵陣に突っ込んで、斬って斬って斬りまくり勝利をつかみ取る方がいいわよね」
二人はレイジの腕をよりぎゅーっと抱きしめながら、自分こそが最もふさわしいと言い合いを。
もはや相手には渡さないと取り合いをされているため、両腕のほうに柔らかな感触がむにっと押し付けられっぱなし。朝から精神衛生上よろしくない展開が、繰り広げられていた。
「レイジ、この際はっきり決めてください! わたしとのコンビのほうがいいですよね!」
「レージ、もちろんアタシを選ぶわよね?」
煩悩に負けないようにがんばっていると、二人が圧をかけながら問いただしてきた。
「またこのパターンか……。――そうだなー、どちらもあと一押しって具合だから、もう少し意見を聞きたいなー。オレとコンビを組みたい意気込みとか、いろいろとさ」
どっちを選んでも、めんどくさい展開になるのは目に見えている。なのでここはうやむやにするのがベスト。ただこうも腕をがっしりつかまれていたら逃げられない。なのでもう少しヒートアップしてもらって、夢中になってる間に逃げる作戦を試みることに。
「ふっふっふっ、いいでしょう! レイジと那由多ちゃんはですね!」
「あら、それだったらアタシのほうが」
こうして二人の熱い論争バトルが開始され。
「いいえ! 那由多ちゃんこそが!」
「いいえ! そこはアタシに決まってるでしょ!」
二人はレイジの前で互いの手をつかみ合いながら、視線で激しい火花を散らしだす。
「ちょーっと、トイレ言ってくるな。その間も続けといてくれ。すぐ戻ってくるから」
これはチャンスと、そろりそろりと二人から離れていく。そしてトイレに行かず、そのまま外に逃げるレイジなのであった。
ちなみに食事の時は、仲が悪い那由多とアリスのせいで会話がはずまず、気まずい空気が流れていたのであった。
「まったくもー! アリス・レイゼンベルトのせいで、那由多ちゃんの至福の時間が台無しですよー」
食器を洗い終わった那由多が戻ってきて、腕を組みながらほおをふくらませてくる。
「至福の時間って、大げさな。ただ朝飯を作りに来てるだけだろ」
「レイジはなにもわかってませんねー。大好きな人に朝から会えて、しかも穏やかな朝のひと時を一緒に過ごせるんですよ! 早く会いたいなー、なにしゃべろうかなーって考えて、毎回胸をはずませながら来てるんですから!」
那由多は両ほおに手を当て、どこかうっとりしながら熱くかたる。その姿はまるで恋する乙女のように、まぶしかったといっていい。
「そんなルンルン気分でたどり着いたら、ほかの女とイチャイチャしてるこの仕打ち! あんまりじゃないですか! 今日なんか、こっそりレイジのベッドに忍び込んで、いっぱい寝顔を堪能してから起こそうと思ってたのに!」
そして両腕をブンブン振り、レイジに詰め寄って抗議してくる那由多。
「なに恐ろしいことを企んでるんだ! あと毎度毎度、不法侵入は止めろ! ちゃんとチャイムを鳴らして、オレが出迎えてから家に入ってくれ。こっちにもプライベートというものがあるんだからな」
「えー、それじゃあ、レイジの寝顔や、その他もろもろを堪能できないじゃないですかー。那由多ちゃんの朝の楽しみの一つなのにー」
「おい。寝顔の件もそうだがその他もろもろって、変なことしてないよな?」
「ギク!? それはその……、きゃは!」
レイジの追及に、那由多は視線をそらしながら言葉につまり出す。そして両ほおに指を当て、全力であざとい笑顔を。
「かわいく笑ってもごまかされないからな!」
「あら、ヤダ。不法侵入するだけじゃなく、そんな好き放題してるなんて。レージ、こんな女とは早く縁を切るべきよ。でないとどんどんエスカレートして、いつか後悔することになるわ」
「あのな、不法侵入して好き放題してるのは、アリスもだからな」
「あら、レージの戦友であり、家族でもあるアタシには当然の権利じゃないかしら?」
アリスはレイジの胸板に手を当て、不敵にほほえんできた。
「そんなわけあるか! まったく、セキュリティーは万全のはずなのになんでこうも簡単に……」
扉は特別なパスコードがないと、開かない仕様になっている。そして彼女たちにはそれを発行していないのだ。なのでレイジが迎え入れないと入れないはずなのだが、一体どうやって彼女たちは扉を開けたのだろうか。
「ふっふっふっ、それはもちろん愛の力ですよ!」
「フフフ、アタシとレージの間に、壁なんて存在しないわ!」
頭を抱えていると、悪びれた様子もなくさぞ自信満々に宣言してくる二人。
「――おまえらな……」
「それはそうとヒイラギナユタ。食後のコーヒーとかないのかしら? 気が利かないわね」
「はぁ!? なんでわたしが!?」
アリスの突然の要求に、那由多は不服そうに文句を。
「レージだって飲みたいと思ってたところよね?」
するとアリスはレイジに顔をぐいっと近づけ、たずねてきた。
アリスはとても美人な女の子。そんな彼女に吐息がかかるほどの至近距離で見つめられると、どぎまぎせずにはいられない。
「――ま、まあ、そうだな」
「ほら、レージもこう言ってるわよ」
「この女!」
「フフフ、アタシ甘いのでお願いね」
「――え、ええ、甘いのですね……、任せてください……」
拳をプルプル震わせながら、那由多は台所の方へ向かっていく。
どうやら律儀にコーヒーを作ってくれるらしい。
「ふっふっふっ、注文通り甘いのにしてあげますよ。こう砂糖をどばどばーと」
ただ台所のほうから那由多のよからぬ声と、砂糖を容器ごとドバドバ入れている音がかすかに聞こえてきた。
「お待たせしましたー! レイジのはこちらなので間違わないように!」
そして二人分のコーヒーを作った那由多が、ニコニコしながら戻ってきた。
レイジたちはコーヒーを受け取り、さっそく飲もうと。
「サンキューな」
「いただくわ」
「ふっふっふっ、さあ、その激甘コーヒーで苦しむといいです、アリス・レイゼンベルト」
ただ後ろのほうで、那由多がほくそ笑んでいるのが聞こえる。
腹いせに、いたずらを仕掛けたみたいだ。あの激甘コーヒーを受け取ったのが別の女の子だったらさすがに止めていたが、相手がアリスなのでそのまま見守ることに。
「あら、ヒイラギナユタ、なかなかやるじゃない。このコーヒーだけはほめてあげるわ」
アリスは一口飲んだあと、満足げにうなずく。
その予想外の反応に、那由多は目を丸くするしかないようで。
「ば、バカな!? あれコーヒーという名の砂糖の塊ですよ! それを平然と飲むなんて!」
「ははは、アリスは大の甘党だからな。あれぐらいがあいつのベストなんだよ」
「――そんな……、アリス・レイゼンベルトに、ぎゃふんと言わせるはずが……」
那由多はその場に崩れ落ち、悔しそうに拳をぎゅっとにぎった。
「それでアリス、なんでここにいるんだ?」
「会いたかったからじゃ、だめなのかしら?」
アリスはほおに手を当て、首をかしげてくる。
「――それは……」
こうもストレートに言われると、さすがに気恥ずかしくなるしかない。
「フフフ、実はちゃんとした理由もあるのよね。詳細はまたボスに聞いてちょうだい。とりあえずしばらくは、レージと一緒に行動することになると思うから」
「ボスがらみか。あと一緒に行動するってことは……」
「ええ、少しの間だけ、あなたがいるアイギスの方でお世話になろうかしらね。ちょうど加入のお誘いもあることだし」
アリスは結月、さらにはアポルオンの巫女であるカノンから、エデン協会アイギスにぜひ入ってほしいと誘われていたのだ。
「異議あーり! その件については那由多ちゃんが断固拒否します!」
すると那由多がリビングのテーブルをバンバンたたき、主張しだす。
「フフフ、あなたがなんと言おうとも、カノンから直接スカウトされた時点でくつがえらないと思うわよ。いい加減あきらめたらどうかしら?」
「ぐぬぬ、結月もカノンも、なんでよりにもよってこんな女を……」
アリスの正論に、苦虫を噛み潰したような顔をする那由多。
「アタシもあなたといるのはごめんだけど、レージと組むためなら目をつぶってあげるわ」
「はい、残念でしたー! レイジと組むのはパートナーであり、嫁である那由多ちゃんです! そこにあなたの出る幕はありません! ね! レイジ!」
那由多はレイジの右腕を抱きしめ、同意を求めてくる。
「あら、どうせ組むなら、より連携できるほうがよくないかしら。アタシは黒い双翼の刃としてずっと共に戦ってきたから、レージの動きは手に取るようにわかる。その阿吽の呼吸による抜群のコンビネーションは、ほかの追随を許しはしない。レージも安心して背中を任せられると思うわ。ね! レージ!」
対してアリスはレイジの左腕を抱きしめ、同意を求めてきた。
「こっちだってコンビネーションには自信があります! なんたってわたしたちは愛の力で、もう以心伝心なんですから! それにわたしなら戦闘面だけでなく、改ざんのサポートだったり的確な指示を出したり、見事勝利に導いてあげれます! ええ、これほど心強いパートナーはいないことでしょう!」
「ふん、黒い双翼の刃にそんな小細工はいらないわ。純粋な力で真っ向からねじ伏せる。それこそが闘争の醍醐味なんだもの。レージもそうでしょ。スマートに勝つより、どうせなら昔みたいに敵陣に突っ込んで、斬って斬って斬りまくり勝利をつかみ取る方がいいわよね」
二人はレイジの腕をよりぎゅーっと抱きしめながら、自分こそが最もふさわしいと言い合いを。
もはや相手には渡さないと取り合いをされているため、両腕のほうに柔らかな感触がむにっと押し付けられっぱなし。朝から精神衛生上よろしくない展開が、繰り広げられていた。
「レイジ、この際はっきり決めてください! わたしとのコンビのほうがいいですよね!」
「レージ、もちろんアタシを選ぶわよね?」
煩悩に負けないようにがんばっていると、二人が圧をかけながら問いただしてきた。
「またこのパターンか……。――そうだなー、どちらもあと一押しって具合だから、もう少し意見を聞きたいなー。オレとコンビを組みたい意気込みとか、いろいろとさ」
どっちを選んでも、めんどくさい展開になるのは目に見えている。なのでここはうやむやにするのがベスト。ただこうも腕をがっしりつかまれていたら逃げられない。なのでもう少しヒートアップしてもらって、夢中になってる間に逃げる作戦を試みることに。
「ふっふっふっ、いいでしょう! レイジと那由多ちゃんはですね!」
「あら、それだったらアタシのほうが」
こうして二人の熱い論争バトルが開始され。
「いいえ! 那由多ちゃんこそが!」
「いいえ! そこはアタシに決まってるでしょ!」
二人はレイジの前で互いの手をつかみ合いながら、視線で激しい火花を散らしだす。
「ちょーっと、トイレ言ってくるな。その間も続けといてくれ。すぐ戻ってくるから」
これはチャンスと、そろりそろりと二人から離れていく。そしてトイレに行かず、そのまま外に逃げるレイジなのであった。
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