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進むために vol.4,5
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「進むために vol.4」の亜美視点です。
読まなくても本編にあまり支障はないです。
頭こんがらがるわーって人は飛ばしてもらって構いません!
_____________________________________________
「別れよう」
そう言われた時、あぁ、晃盛は嘘をついているな、と思った。本心ではないとわかった。いや、“知っていた”
既視感、デジャヴ、こんな言葉たちが気になり始めたのはいつからだっただろう。何でかはわからないが“知っている”のだ。
デートでレストランに行った時、あぁ、晃盛は絶対にこれを頼むな、と思った。晃盛と目があった時、あぁ、晃盛は今からこう言うな、と思った。こんなことが多々あった。
恋人特有の以心伝心的なものだろうと言われればそうかもしれないと言わざるを得ないが、なんとなくわかる、ではないのだ。確信を持ってわかったのだ。
なんというか、表現しづらいが
『過去に今を経験したことがある』
とでも言うような、まあとりあえず普通じゃないのは確かだった。
それにおかしなことはもう一つ。晃盛がある時急に過保護になったのだ。道の車道側は意地でも譲らなくなった。まあこれぐらいなら、エスコート完璧な良い彼氏!って程度だが、それだけではなかった。いつものように晃盛に手料理を振る舞おうと準備をしていると、やたら心配されるようになった。包丁はあまり使わないほうがいい、揚げ物は危ない、と。あまりデートで遠出をしなくなった。電車やバス、タクシーまでもを避けているようだった。
だが晃盛に何かあったのかと聞くと決まって何もないと言われる。それが嘘なのかどうか、定かではないが、これらの行動が晃盛の無意識下で行われているのはなんとなくわかった。条件反射というか、考えるより先に行動しているというか、エスコートというような優しい言葉は少しそぐわない感じだった。言うなれば、義務、作業、そんな言葉が似合うような動きだった。
そんな時に言われた。
「俺は未来の亜美を救うために何度も同じ時間軸を生きているんだよ。タイムリープ、してるんだ。」
そう言われた。
妙に合点がいった。ああそうか、と、すんなり受け入れることができたのだ。もしそうならばすべての辻褄が合う。私が感じていた既視感はすべて本物で、晃盛がある時急に過保護になったのは私を失う恐怖から。パズルのピースがぴったりはまったような気持ちだった。
晃盛は私が信じない前提で話しているようだったけど、別に疑う理由もない。そもそも晃盛はそんなに嘘がうまいタイプでもないことは、私が一番よく知っている。これは嘘じゃない。今まで共に過ごした時間がそれを語っていた。
だから
「あー、やっぱり?そういうことじゃないかなーとは思っとったんやけどね(笑)」
思ったままを口にした。
思わず笑いそうになる。だって、目の前にいる私の彼氏はすごく面白い顔をしていたから。まるで全く考えていない方からノーガードで殴られたかのような、とても彼氏に向ける言葉ではないけれど、間抜けな顔をしていた。
私が信じるって雰囲気なんだから、もうちょっと安心したりしても良くないですか?そんなに私が晃盛のこと疑うと思ってたんですか?
...なんて、敬語で責め立ててみようとも思ったけれど、やめておいた。なんというか、そんなことをしたら本当に泣いてしまいそうだったから。恋人を泣かせるのは趣味じゃない。
ねえ、晃盛、最初にいったでしょ?信じるって。だから全部話してほしいな。私は世界で一番、晃盛に惚れてるんだからね?目の前で未だ呆然として口を開かない恋人に心の中で語りかける。
晃盛のペースでいい、ゆっくりでいいから。
ね?
読まなくても本編にあまり支障はないです。
頭こんがらがるわーって人は飛ばしてもらって構いません!
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「別れよう」
そう言われた時、あぁ、晃盛は嘘をついているな、と思った。本心ではないとわかった。いや、“知っていた”
既視感、デジャヴ、こんな言葉たちが気になり始めたのはいつからだっただろう。何でかはわからないが“知っている”のだ。
デートでレストランに行った時、あぁ、晃盛は絶対にこれを頼むな、と思った。晃盛と目があった時、あぁ、晃盛は今からこう言うな、と思った。こんなことが多々あった。
恋人特有の以心伝心的なものだろうと言われればそうかもしれないと言わざるを得ないが、なんとなくわかる、ではないのだ。確信を持ってわかったのだ。
なんというか、表現しづらいが
『過去に今を経験したことがある』
とでも言うような、まあとりあえず普通じゃないのは確かだった。
それにおかしなことはもう一つ。晃盛がある時急に過保護になったのだ。道の車道側は意地でも譲らなくなった。まあこれぐらいなら、エスコート完璧な良い彼氏!って程度だが、それだけではなかった。いつものように晃盛に手料理を振る舞おうと準備をしていると、やたら心配されるようになった。包丁はあまり使わないほうがいい、揚げ物は危ない、と。あまりデートで遠出をしなくなった。電車やバス、タクシーまでもを避けているようだった。
だが晃盛に何かあったのかと聞くと決まって何もないと言われる。それが嘘なのかどうか、定かではないが、これらの行動が晃盛の無意識下で行われているのはなんとなくわかった。条件反射というか、考えるより先に行動しているというか、エスコートというような優しい言葉は少しそぐわない感じだった。言うなれば、義務、作業、そんな言葉が似合うような動きだった。
そんな時に言われた。
「俺は未来の亜美を救うために何度も同じ時間軸を生きているんだよ。タイムリープ、してるんだ。」
そう言われた。
妙に合点がいった。ああそうか、と、すんなり受け入れることができたのだ。もしそうならばすべての辻褄が合う。私が感じていた既視感はすべて本物で、晃盛がある時急に過保護になったのは私を失う恐怖から。パズルのピースがぴったりはまったような気持ちだった。
晃盛は私が信じない前提で話しているようだったけど、別に疑う理由もない。そもそも晃盛はそんなに嘘がうまいタイプでもないことは、私が一番よく知っている。これは嘘じゃない。今まで共に過ごした時間がそれを語っていた。
だから
「あー、やっぱり?そういうことじゃないかなーとは思っとったんやけどね(笑)」
思ったままを口にした。
思わず笑いそうになる。だって、目の前にいる私の彼氏はすごく面白い顔をしていたから。まるで全く考えていない方からノーガードで殴られたかのような、とても彼氏に向ける言葉ではないけれど、間抜けな顔をしていた。
私が信じるって雰囲気なんだから、もうちょっと安心したりしても良くないですか?そんなに私が晃盛のこと疑うと思ってたんですか?
...なんて、敬語で責め立ててみようとも思ったけれど、やめておいた。なんというか、そんなことをしたら本当に泣いてしまいそうだったから。恋人を泣かせるのは趣味じゃない。
ねえ、晃盛、最初にいったでしょ?信じるって。だから全部話してほしいな。私は世界で一番、晃盛に惚れてるんだからね?目の前で未だ呆然として口を開かない恋人に心の中で語りかける。
晃盛のペースでいい、ゆっくりでいいから。
ね?
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