俺を召喚したのは神じゃなくて魔王かよ!

オグリギャップ

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新魔王の日常編

10 念願の調味料

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食堂のオバチャンに教えて貰った問屋に来ている。

「コンニチワ!塩と砂糖と、唐辛子と胡椒を金貨30枚分下さい!」

「はっ?金貨30枚分?内訳はどうするんだ?胡椒と砂糖は高いぞ?」

「じゃあ、胡椒と砂糖は金貨10枚づつ分で、塩は金貨7枚分、唐辛子は金貨3枚分下さい!」

「・・・・・・・分かった。でも値段も聞かずに大胆な買い方するなお前・・・」

だってもう味気ない食事は嫌だからね。頼んでから20分位だった頃。

「待たせたな。このデカイ麻袋が胡椒だ。横にある紙袋の山が砂糖、その横の布袋が塩だ。唐辛子はこの袋だ。」

おう、思ったより結構あるな。これなら暫く買い物しなくてもいいな。

「ありがとうございます!そうだ、お茶とかも売ってますか?」

「ああ、あるよ。今は時期から外れてるから種類は多くないがね。」

おお、ラッキーだ!お茶もあった。

「どんなお茶がありますか?」

「今有るのは香り高い赤茶と、少し甘味がある若茶がお勧めだな。」

「じゃあ、赤茶と若茶を金貨5枚づつ下さい。」

「おいおい、大丈夫か?お金も心配だが、お茶は長持ちしないぞ?行商するにしても、赤字になると思うぞ。」

「あ、大丈夫ですよ。全部自分用ですから。」

「そ、そうか・・・今用意するから待ってろ。」

俺の予想が正しければ、赤茶は紅茶、若茶は玉露に近いんじゃないかな?そうだとしたらいい買い物だ。

「よいしょっと・・・・・こっちの瓶が赤茶、反対の瓶が若茶だ。」

「ありがとうございます。全部で金貨40枚ですね。どうぞ。」

「・・・確かに。こちらこそありがとよ。こんなに買って貰ってよ。配達はサービスするぞ?」

「いえ、大丈夫ですよ。アイテムボックスがあるんで。」

「ほー、珍しいスキル持ってるんだな。でもこんなに入るのかい?」

「はい、全然平気ですよ?」

俺はその場で一気にアイテムボックスに収納した。
俺のアイテムボックスは無限だからね。

「ほぇー、便利なもんだ!」

「ははは、あっと、親父さん、この近くに靴を売ってる所知りませんか?」

「靴?あるぞ。ホレ、目の前の防具屋だ。良く見たらお前さん裸足なんだな。」

「そうなんですよ。だから靴が欲しくて。」

俺は問屋の親父さんに挨拶をして、防具屋に入った。

「いらっしゃい。ゆっくり見ていってね。」

「あ、あの、靴かブーツはありますか?」

「あるわよ。どんなのが良いの?」

優しそうなおねーさんが対応してくれる。おねーさんと言っても子供は居そうだが。

「この服に合いそうな靴なら何でも良いです。」

「ふーむ、そんな上等な服に合いそうな靴ねー・・・・あるかしら?」

上等なのか?たたのリザードマンの皮なんだけとな。おねーさんはカウンターの裏に靴を探しに行った。

「こんなのはどうかしら?」

持って来たのは何の皮か分からないが、皮で出来たグレーの長靴っぽいヤツと、中国武術で履いてそうな黒い靴だ。

「良いですね!2つ共下さい。」

「えっ?2つ共買うの?大丈夫?高いのよ?」

「おいくらですか?」

「ブーツが銀貨55枚で、靴が銀貨30枚よ。」

食堂で細かくした銀貨が役に立つな!

「・・・・83、84、85、はい、銀貨85枚です。」

「あ、ありがとう。」

「申し訳無いんですが、足を洗いたいので椅子を貸して貰えますか?」

「ええ、構わないわよ。あなた裸足だったのね。」

「ええ、まあ・・・・ハハハ」

愛想笑いをしながら椅子を受けとり、店の前で魔法で足を洗って乾かした。そしてグレーの長靴を履いてみた。ちょっと大きいな。形もイマイチだ。魔法で俺の足にフィットする様にして形もロックミュージシャンが履く様なデザインに変えた。中々いいじゃん!

「椅子ありがとうございました。」

「え、ええ・・・・」

おねーさんは何か変な顔をしていた。
おねーさんに服屋の場所を聞いて、念願のパンツとシャツを10枚づつ買った。ふふふ、段々と人間らしい生活が出来る準備が出来て来ているな♪魔王だけど。

後は、この街で一番最初に話た雑貨屋に行ってティーセットと鍋類を買うだけだな。

む?さっきから俺の後を、付かず離れずに着いてくるヤツが居るな。多分ギルドのヤツだろうな。
俺の申し出はギルドに取って、都合が良く美味しい話だったからな。ギルドの会員にでもしたいんだろうな。獲物も多分滅多に手に入らない部類の物だったんだろうな。まあ、ほっといても問題無いだろ。

「スミマセーン!居ますか?」

「ハイハイ、いらっしゃいって・・・・まだギルドにたどり着かないのか?」

「いえ、もうギルドで買い取りはして貰いました!こちらには買い物に来ました。」

「ガハハハ、そうか!律儀なヤツだな。それで何が欲しいんだ?」

「そうですね、違う形のポットのティーセットを2つと・・・・料理に使う鍋を幾つか欲しいですね。」

「良し分かった!コッチに来な。そこで座って待ってろ。良いものを揃えてやるからな!」

椅子に座って待って居ると、数種類のティーポットを店主が持って来た。

「これがウチにあるいい物だ!カップとソーサーは今持ってくるからな。」

ポットはすぐに決まった。日本の急須みないな形のヤツと、ゾウが鼻を持ち上げている様な注ぎ口のポット。コレしか無いだろう。
カップは薄く優しい感じがする白いヤツに決めた。

「お前さんセンスがいいじゃないか。」

本当に褒めているのか分からないが嬉しかった。

それから鍋を浅いヤツから寸胴まで数種類とフライパンの大きさ違いを買って店を出た。
これで暫く城を出なくていいなと思いながら空へと飛び立った。




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