俺を召喚したのは神じゃなくて魔王かよ!

オグリギャップ

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新魔王の明るい家族計画

15 恐怖と畏怖を与えるには

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ドライアドとその仲間達との交流と移動で、半日が潰れた。今はドライアド達が居た西方面に来ている。

(あの禿げた森にしたヤツらをどうやって見つけようかな・・・・・まあ、あそこから一番近い街のヤツには違いないとは思うが・・・・街を滅ぼすのは簡単だけど、それじゃあな・・・・)

街を滅ぼした所で、また時間が経てばまた街を造り、今以上に樹木を伐採し始めるだろうからな。
森に対して恐怖と畏怖を人間に持たせなきゃならない。

(魔物を追い立てて街を襲わせるか?それだと冒険者に返り討ちにされそうだな。)

森の入り口の空間をねじ曲げて、大規模なラビリンスを作ろうか?それだと俺がここに暫く居る必要があるな。

『はるか、ひろし聞こえるか?』

俺はテレパシーで2人に連絡を取った。

『ん?魔王どうしたの?』
『聞こえるよ。何か用?』

『ああ、城に帰るのがちょっと遅れそうだ。2人でちゃんと暮らせるな?』

『『遅くなるってどれくらい?』』

おお、見事にハモッてるな。

『長ければ1年位かな?』

『ええーー!!1年もー?長すぎるよー!ムリ!』
『僕も魔王のご飯1年も我慢出来ない!』

おうふ、言ってる事が完全に子供だ。俺は2人を執事とメイドに育て様と思ってたのに・・・・
ひろしに至っては、戦闘狂の癖に言ってる事が可愛い過ぎる。

『そ、それじゃ、一週間後に迎えに行くからそれまで良い子にしてろよ?あと最初に言っとくぞ?コッチに来てもつまらんぞ。』

『それでもいい!やった!』
『僕も!ちゃんと待ってる。』

『分かった。じゃあ、一週間後に会おう。』

ふう、もう完全に俺は父親だ。最初はペットにしようと2人を連れて来た。2人を人型にした事で、執事とメイドにしようとしたが、今では完全に娘と息子だ。
まあ、それでも良いと思っている。1日1日が楽しいからな。

(おっと、考えが逸れたな。どうしたら人間に恐怖と畏怖を与えられるかだな。
森に木を切りに来たヤツを殺しても、後から後からドンドン来るだろう。これはダメだ。
木こりに大怪我をさせて街に帰すか?そうすると冒険者辺りががワラワラやって来て面倒臭い。却下。
俺が魔王だー!と出て行っても、見た目が15歳のガキだから迫力が無い・・・・ウ~ム・・・・)

(そう言えば、前魔王様は初代から11代目まで自分でやったとか言ってたな。そうか!自分の見た目を変えたら良いんだ!見た目を変えれば畏怖は与えられるな。後は絶対的な恐怖だな。どうするか・・・・)

(そうだ、マンティコアの毒ってどんな効果があるんだろ?そこら辺の魔物を捕まえて実験してみるか。)

さっきから俺の周辺を様子を伺う様に、チョロチョロしているゴブリンを数匹捕まえて毒をぶっかけてみたり、飲ませてみたりした。

(おお、これは消化系の毒か。所謂『強酸』だな。おー、溶ける溶ける。)

(でもコレだけだとインパクトが薄いな。もっと困らせる様な毒が欲しいな。)

はるかとひろしなら詳しそうだな。元魔物だからな。

『はるか、ひろし聞こえるか?再び済まんな』

『なに?』
『うん。』

『お前達、毒を持っている魔物とか植物知ってるか?』

『うん、判るよ?』
『僕も全部じゃ無いけど判る。』

『おっ、そうか!それじゃあ、今度会う時までに種類を沢山集めて置いてくれないか?』

『うん、いいよ。』
『一週間で沢山集める!』

『頼んだぞ!』

俺はどんな毒があるか分からんが、遅効性で腫れ上がり、その後爛れて肉が腐って行く様な毒を作ろうと思っている。そして患部を他人が触ったら、そいつにも移る伝染病みたいな毒だ。こんな毒がある森には怖くて近づけなくなるだろう。
フフフフッ楽しみだ。

そしたら暫く暮らす拠点を作りますか。
俺はドライアドが根を張っていた場所に、3階建ての簡易的な魔王城を土と岩で作った。部屋は3つしか無い。1階は風呂場と食堂のみ、2階ははるかとひろしの部屋、3階は俺の部屋兼、監視部屋だ。
家具類は土で作れるが、マットと布団はなぁ・・・・
周りに植物があるから作れない訳じゃないが、良い物にはならないだろう。

魔法も万能じゃない。そこにある物の事象を変化させるだけだ。無から産み出せる物は限られている。
この世界の管理者が許した物のみだ。
攻撃魔法も同じ事が言える。火系統は静電気と酸素で発火させ、魔力で増幅させているだけ。
水系統は大気中の水分を利用している。
土、風系統は説明無くても解ると思う。
勿論イメージも大事だ。イメージが貧弱だと魔法が発動しない。これが60年で俺が理解した魔法の原理だ。

さて、偵察も兼ねて街に買い物に行きますか。



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