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新魔王の明るい家族計画
16 街へ偵察にいこう
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今俺は街に向かって歩いている。普段は気配を消して、飛んで上空から侵入するのだが、この街の警備状況とか兵力を見たかったら歩いている。
途中、太い道にぶつかり、その太い道を真っ直ぐ行けば街に着く筈である。
太い道に出ると、他の街から来たのだろうか、大きな荷物を乗せた馬車の御者のおっちゃんが、「乗ってくか?」と声を掛けてくれたが丁寧に断り歩いている。今はあんまり人と関わりたく無い。
3時間程歩くと城門が見えて来た。60年ぶりに来たが結構大きな街だったんだな。いや、あの後に発展したのかも知れない。30分程歩いた所で城門に着いた。
(結構並んでると思ったけど、全然居ないんだな。もう夕暮れだからかな?)
城門に着くとすぐに警備兵に呼び止められた。
「おいボーズ、身分証はあるか?」
「いえ、無いです。」
「あー、そうか・・・済まんな、身分証が無いと入れないんだよ。身分証無いヤツは銀貨1枚も払わないとならない。お前さんには払えないだろ?」
「いえ、大丈夫てすよ。・・・・はい、銀貨です。」
「お、おう・・・・お前さんこの街に仕事を探しに来たんじゃないのか?」
「いえ、買い物に来ました。」
親身になってくれる警備兵に、情が移らない様に機械的に答えている。もしかしたら敵対するかも知れないからな。
「そうなのか?この道の先は貧しい村が多いからつい老婆心が出ちまった。悪かったな。」
成る程、そう言う事か。
「ご心配有り難うございます。入って良いですか?」
「ああ、勿論だ。」
(なんか簡単に街に入れたな。城門の警備は2人1組ぽいな。街中に兵は・・・・・・居なそうだな。武器を持ってるのは冒険者だろう。)
街並みは全然覚えて無いが、60年程度じゃそんなに変わって無いだろう。日本の様に夜も営業している店なんて無いだろうから、早く買い物をしてしまおう。道行く人に布団を売っている店を聞いて、店まで走って行った。
(ふう、何とか間にあったな。)
「すみません!大きめの布団を3組下さい!」
「はいはい、いらっしゃい。お客さん、もう夜になるから明日にした方が良くないかい?」
「いえ、アイテムボックスがありますから、問題ありませんので売って下さい。」
「へぇー、珍しい物持ってるんだね。それならちょっと待ってな。今持ってくるよ。大きいヤツだね?」
「はい。お願いします。」
(優しいオバチャンだな。さっきの警備兵と言い、良いヤツが多いのかな?この街は・・・・でも優しくしないで欲しい。俺の気持ちが揺らいでしまう。俺も好きで人を殺そうとしてるんじゃ無い。この大陸のバランスを取る為にしているんだ。)
そんな事を考えていると店の奥からエッチラオッチラとオバチャンと息子?が布団を持って来た。
「よいしょっと・・・ ふう、これがウチで大きいサイズの布団だよ。」
オバチャンが息子と布団を広げて見せてくれた。うん、コレならデカイひろしも楽に入るだろう。
「はい。有り難うございます。3組でおいくらですか?」
「1組銀貨75枚だよ。全部で金貨2枚と銀貨25枚になるね。でも大丈夫かい?こんな高い買い物をして。」
「はい。大丈夫です。それでは金貨2枚と銀貨25枚です。」
「はい確かに。ありがとね、今度ウチで買い物してくれる時は割引してあげるからね。」
どこまでも優しいオバチャンだな。
俺は布団をアイテムボックスに収納して、暗くなった街の中へ歩いて行った。
もう辺りがすっかり暗くなったこの時間になると、開いているのは宿屋と酒場位なんだな。なんか不思議な感じがする。暗くなったら店が閉まるって。日本じゃ考えられないからな。コンビニなんて24時間やってるし。
正面から皮鎧を着けた兵が2人歩いてくる。見回りだろうか?城門の交代要員だろうか?
「おい、お前。こんなとこフラフラしてないで、早く家に帰れよ。」
「は、はい分かりました。」
いきなり話掛けられて、驚いてキョドってしまった。
そうだな。兵に目を付けられるのは良く無いな。即席魔王城にサッサと帰るか。・・・・そう言えば、この世界に来て1度も宿屋に泊まった事が無いな。折角だから泊まっていこうか。
近くにあった宿屋に部屋を取り、酒場へ食事に行く。
(むおー!?酒くせー!!酒場なんだから当たり前なんだけどさ。食事は大丈夫なのか?日本の居酒屋みたいに旨いといいんだけどな。)
「いらっしゃーせー!何にしやしょう!」
・・・・なんか凄く居酒屋っぽい。
「あ、お任せしますので、お腹に溜まる美味しい食事をお願いします。飲み物は果実酒で。」
「あざーす!」
「お待ちどー!」
果実酒はすぐ出てきた。ワインだ。確かに葡萄酒で果実酒だけど・・・・俺は他の物を予想してたのでちょっと残念だった。
ワインを半分位飲んだ頃、
「お待ちどー!」
と、食事が出てきた。肉がゴロゴロ入ってるスープだ。味はそこそこ。不味くは無い。血抜きが不充分なのか肉が獣臭い。それと、調味料をケチっているのか、味が薄い。思わず手持ちの調味料で味を足してしまった。食事を終えて店を出ると、
「あざーしたー!」
とデカイ声が聞こえた。もう完全に居酒屋じゃん。
宿屋に戻り、部屋に入るとベッドが有るだけの部屋だった。
(場末のラブホみたいだな・・・・)
でも良く考えたら、宿屋に泊まるのは冒険者や、商人が多いから荷物はそんなに無いのか。商人の荷物は馬車の中だろうし、冒険者の荷物は自分の武器位だろう。成る程、コレでいい訳だ。
これから先の事を考えながらベッドに入ると、いつの間にか眠りに落ちていた。
途中、太い道にぶつかり、その太い道を真っ直ぐ行けば街に着く筈である。
太い道に出ると、他の街から来たのだろうか、大きな荷物を乗せた馬車の御者のおっちゃんが、「乗ってくか?」と声を掛けてくれたが丁寧に断り歩いている。今はあんまり人と関わりたく無い。
3時間程歩くと城門が見えて来た。60年ぶりに来たが結構大きな街だったんだな。いや、あの後に発展したのかも知れない。30分程歩いた所で城門に着いた。
(結構並んでると思ったけど、全然居ないんだな。もう夕暮れだからかな?)
城門に着くとすぐに警備兵に呼び止められた。
「おいボーズ、身分証はあるか?」
「いえ、無いです。」
「あー、そうか・・・済まんな、身分証が無いと入れないんだよ。身分証無いヤツは銀貨1枚も払わないとならない。お前さんには払えないだろ?」
「いえ、大丈夫てすよ。・・・・はい、銀貨です。」
「お、おう・・・・お前さんこの街に仕事を探しに来たんじゃないのか?」
「いえ、買い物に来ました。」
親身になってくれる警備兵に、情が移らない様に機械的に答えている。もしかしたら敵対するかも知れないからな。
「そうなのか?この道の先は貧しい村が多いからつい老婆心が出ちまった。悪かったな。」
成る程、そう言う事か。
「ご心配有り難うございます。入って良いですか?」
「ああ、勿論だ。」
(なんか簡単に街に入れたな。城門の警備は2人1組ぽいな。街中に兵は・・・・・・居なそうだな。武器を持ってるのは冒険者だろう。)
街並みは全然覚えて無いが、60年程度じゃそんなに変わって無いだろう。日本の様に夜も営業している店なんて無いだろうから、早く買い物をしてしまおう。道行く人に布団を売っている店を聞いて、店まで走って行った。
(ふう、何とか間にあったな。)
「すみません!大きめの布団を3組下さい!」
「はいはい、いらっしゃい。お客さん、もう夜になるから明日にした方が良くないかい?」
「いえ、アイテムボックスがありますから、問題ありませんので売って下さい。」
「へぇー、珍しい物持ってるんだね。それならちょっと待ってな。今持ってくるよ。大きいヤツだね?」
「はい。お願いします。」
(優しいオバチャンだな。さっきの警備兵と言い、良いヤツが多いのかな?この街は・・・・でも優しくしないで欲しい。俺の気持ちが揺らいでしまう。俺も好きで人を殺そうとしてるんじゃ無い。この大陸のバランスを取る為にしているんだ。)
そんな事を考えていると店の奥からエッチラオッチラとオバチャンと息子?が布団を持って来た。
「よいしょっと・・・ ふう、これがウチで大きいサイズの布団だよ。」
オバチャンが息子と布団を広げて見せてくれた。うん、コレならデカイひろしも楽に入るだろう。
「はい。有り難うございます。3組でおいくらですか?」
「1組銀貨75枚だよ。全部で金貨2枚と銀貨25枚になるね。でも大丈夫かい?こんな高い買い物をして。」
「はい。大丈夫です。それでは金貨2枚と銀貨25枚です。」
「はい確かに。ありがとね、今度ウチで買い物してくれる時は割引してあげるからね。」
どこまでも優しいオバチャンだな。
俺は布団をアイテムボックスに収納して、暗くなった街の中へ歩いて行った。
もう辺りがすっかり暗くなったこの時間になると、開いているのは宿屋と酒場位なんだな。なんか不思議な感じがする。暗くなったら店が閉まるって。日本じゃ考えられないからな。コンビニなんて24時間やってるし。
正面から皮鎧を着けた兵が2人歩いてくる。見回りだろうか?城門の交代要員だろうか?
「おい、お前。こんなとこフラフラしてないで、早く家に帰れよ。」
「は、はい分かりました。」
いきなり話掛けられて、驚いてキョドってしまった。
そうだな。兵に目を付けられるのは良く無いな。即席魔王城にサッサと帰るか。・・・・そう言えば、この世界に来て1度も宿屋に泊まった事が無いな。折角だから泊まっていこうか。
近くにあった宿屋に部屋を取り、酒場へ食事に行く。
(むおー!?酒くせー!!酒場なんだから当たり前なんだけどさ。食事は大丈夫なのか?日本の居酒屋みたいに旨いといいんだけどな。)
「いらっしゃーせー!何にしやしょう!」
・・・・なんか凄く居酒屋っぽい。
「あ、お任せしますので、お腹に溜まる美味しい食事をお願いします。飲み物は果実酒で。」
「あざーす!」
「お待ちどー!」
果実酒はすぐ出てきた。ワインだ。確かに葡萄酒で果実酒だけど・・・・俺は他の物を予想してたのでちょっと残念だった。
ワインを半分位飲んだ頃、
「お待ちどー!」
と、食事が出てきた。肉がゴロゴロ入ってるスープだ。味はそこそこ。不味くは無い。血抜きが不充分なのか肉が獣臭い。それと、調味料をケチっているのか、味が薄い。思わず手持ちの調味料で味を足してしまった。食事を終えて店を出ると、
「あざーしたー!」
とデカイ声が聞こえた。もう完全に居酒屋じゃん。
宿屋に戻り、部屋に入るとベッドが有るだけの部屋だった。
(場末のラブホみたいだな・・・・)
でも良く考えたら、宿屋に泊まるのは冒険者や、商人が多いから荷物はそんなに無いのか。商人の荷物は馬車の中だろうし、冒険者の荷物は自分の武器位だろう。成る程、コレでいい訳だ。
これから先の事を考えながらベッドに入ると、いつの間にか眠りに落ちていた。
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