俺を召喚したのは神じゃなくて魔王かよ!

オグリギャップ

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新魔王の明るい家族計画

20 パパのお仕事

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即席魔王城に戻った次の日、昨日の木こり達がどうなったのか状態を確認する為、1人で街に来ている。
因みにはるかとひろしは、城の周りにいる魔物を追い回して遊んでいる。

街の上空から街の様子を見ていると、一部バタバタしている所を見つけた。

(あれは・・・・教会か?慌ててるな。アイツら俺の言いつけを守って教会に駆け込んだか。アイツらの状態を確認したいけど、俺の事は伝わってるだろうし、見つかったら『魔王が攻めて来たー!』ってなりそうだから止めて置くか。)

暫く観察していると、兵士や、教会関係者らしい者が忙しそうに出入りしていた。

(今日はずっとこんな感じかな。2~3日後にまた見に来るか。)

俺はその場を離れ、城に戻った。


城に戻ると、まだ3時間程しか経ってないのに城の周辺は魔物の死体だらけになっていた。

(アイツら何をしてくれちゃってるの!全く・・・)

探知魔法で2人を見つけ、首根っこを掴んで城に連れて来た。

「お前らこれは何だ?」

声を低くして威圧を与えながら言い訳を聞く。

「・・・だってぇ・・・」
「か、体を動かしていただけだよ!」

「・・・・体動かしてただけだと?じゃあ、この死骸の山は何だ?300以上はあるぞ。」

更に威圧を上げて言い訳を待つ。

「うっ・・・・・ま、魔物はすぐ増えるから・・・」
「そ、そうよ!増えるじゃん!」

「・・・・・お前達、俺は昨日教えたよな。確かに魔物はすぐ増える。でも絶滅したらどうだ?増えようが無いだろ?
俺の探知魔法に、この周辺の魔物の反応が殆ど無いぞ。元に戻るのに凄い時間が掛かるんだぞ!」

「・・・・魔王戦っちゃダメって言わなかったもん・・・」
「・・・・ちょっと遊んだだけだし・・・・」

「そうか、お前達はそういう考えか。分かった。お前達は魔物に戻す。ここで魔物が増えるまで沢山交尾して頑張れよ。」

「ッ!ご、ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!もうしません!もうしません!」

「ごめんなさい!もうしません!ごべんなざいーー!ヒック、ヒック、ズビ・・・」

(・・・最初から素直に反省すればいいのに・・・)

「・・・・じゃあ聞くぞ?何でお前達は怒られたんだ?」

「魔物を沢山殺したからです・・・」

「何で魔物を沢山殺しちゃいけないんでしょう?」

「絶滅しちゃうかも知れないから・・・」

「良し、解ったな?もう意味も無く沢山魔物を殺すなよ?」

「「はい!」」

「・・・今回は魔物に戻すのを止めてやる。その代わり、殺した魔物をここに全て集めろ。それで種類毎に綺麗に解体して持ってこい!それが罰だ。」

「「はい!」」

2人は走って魔物を回収し始めた。

ふう、全く・・・・最近のコイツらは暴力で怒るよりも、魔物に戻すと言った方が説教が効く。
自分が醜く馬鹿になる事を極端に恐れている。アイツらは元の自分を知っている。自分の種族も知っている。自分の種族を客観的に見て、二度と戻りたく無いと思ってたんだろう。

夕刻、城の自室でのんびり読書していると、2人が部屋に飛び込んで来た。

「魔王!出来たよ!解体終わったよ!」
「ちゃんとやったよ!」

(何だよ?その『やったった!』みたいな顔は・・・・
なんで解体作業させられたか忘れてんじゃ無いだろうな?)

2人に手を引かれ外に出ると、そこには解体された魔物が種類、部位毎に並べられていた。

(ほう・・・・・中々しっかりやってあるじゃん。所々失敗したのか、ボロボロになってるヤツもあるけど、真面目にやった跡が伺えるな。それにしても・・・・ゴブリンとかコボルトまでも解体してあるな・・・コイツら魔石の他に使い道が無いんだけど・・・・)

「うむ、しっかりと真面目にやっんだな。良くやった。俺達が殺してしまったヤツをしっかり活用する事で、コイツらも浮かばれるだろう。さっ、飯にするぞ。お前達は血塗れだから、先に風呂に入ってこい。」

「はーい!」
「うん、分かった!」

解体された魔物をアイテムボックスに収納して、晩飯の支度に取り掛かった。
今日はアイツらの好物のボアのステーキにしてやるか。







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