俺を召喚したのは神じゃなくて魔王かよ!

オグリギャップ

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ドラゴンとの遭遇編

31 防具の素材

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街に遊びに行って帰って来てから、ハルカは戦闘訓練をヒロシと毎日やっている。毎日泥だらけの傷だらけ。ヒロシももっと手加減してやれば良いのに。
手加減はしてるんだろうけど、もう少しね。女の子なんだし。

俺の方はと言うと、ヒロシとハルカの戦闘服を作り直している。ヒロシのは、ほぼただの全身タイツだし、ハルカのライダースジャケットのセットも角兎の攻撃程度で穴があいた。弱すぎるんだよな。
新しく作るにしても、どう言う風に作るか考えている所である。

ヒロシの全身タイツは趣味でやり過ぎた。今度はしっかりとした物を作ってやりたい。ヒロシの武器は自分の拳だから、体に相手の攻撃が当たる事を前提に考えなきゃならない。金属鎧じゃ動きが制限されるし、革鎧でも動きづらいだろう。ウ~ム・・・どうするか・・・・色々考えた結果、北斗○拳のケン○ロウスタイルに決めた。
革ベストに肩パット、革パンツにブーツだ。武器は両腕に手首から肘までの籠手と、拳には革手袋の手の甲と指の部分に金属を張り付けた物を作ろうと思う。
問題は素材なんだよなあ。ケン○ロウの様に、『フン!』と力を入れるとビリビリッて破れちゃダメたし、敵の攻撃を貫通させてもダメ。それでいて柔らかさが無いと、動きに制限がかかってしまう。
ウ~ム、良い素材は無いもんかね。

悩んだ俺は書庫に行って素材に関して調べた。どんな魔物からどんな素材が取れるかの説明はあったが、特性までは書いて無かった。この素材は硬い位の説明はあったが。
仕方無い。また街に行くか。分からなければ聞くしか無い。行くのはこの前の東の街でいいか。まだしっかり覚えてるからテレポートが使える筈だ。

『二人共聞こえるか?』

『聞こえるよ。』
『テレパシーなんて珍しいわね。』

『ああ、久しぶりに使ったよ。あのな、2~3日城を離れるから後は頼むな。』

『えっ?どこ行くの?』

『お前達の防具の素材集めだよ。前の戦闘でボロボロになったからな。それにあの服は弱すぎる。その為の素材集めだ。』

『うん。分かった。魔王お願いするね。』
『わたしも行きたいけど、戦闘訓練があるから・・・お願いします。』

『おう!任せとけ。じゃ行ってくる。』

俺はテレポートで東の街に跳んだ。
便利なもんだ。しっかり場所を意識するだけで、1秒でどんな遠くの街でも行けるのだから。
おっと、しまった!普段の魔王スタイルで来ちゃった。しかも商業ギルドの前。物陰で着替えないと。俺はスーパー○ンの様にサッと着替えてギルドに入った。

「あー君、色々聞きたいのだが良いかな?」

受付嬢に話しかけた。

「はい、何でしょうか。」

「素材の事と、その素材がここで手に入るのかを聞きたいんだ。」

「分かりました。私の分かる範囲ならお答え出来ます。」

「そうか、助かる。革素材でとても丈夫で、しなやかと言うか、柔らかい物と言うとどんな素材があるのかな?」

「・・・・難しい質問ですね・・・・・丈夫と言う面では、やはりドラゴン系の革が一番ですが、柔らかいとなるとまた別になりますし・・・・しなやかで柔らかいとなると沢山ありますが、ブラックシープや、ヒルバッファローが人気がありますね。」

「ドラゴンの革はそんなに硬いのか?鞣し方次第では柔らかくなるのではないか?」

「どうでしょうか?革鎧や、革の盾に使われる素材なので、かなり硬い筈です。でも私が知ってる物は亜種の物です。純血種はどうなんでしょうね。フフッまぁ、市場には出ないでしょうけど。」

「ああ、目玉が飛び出る位高いって事か。純血種の素材なんて何十年か百年に一度出るかどうかのものだろ?」

「そうですね。まず手には入らないてしょうね。亜種でさえ年に2~3度ギルドに持ち込まれる位ですからね。」

「それでは今手に入れるのは不可能か。ではミスリルは今ここにあるかな?」

「ミスリルですか?ございますが、予約済みです。」

「それは残念だ。色々有り難う。これは情報料だ。とっておいてくれ。」

金貨を1枚渡した。また来る事もあるかも知れないから、次に来た時に優遇してもらう為の投資だ。

「ッ! ?こ、こんなに?あ、有り難う御座います!」

う~ん、どうしようか・・・困ったな。ドラゴンの素材は手に入りにくい。ミスリルは予約済みで手に入らない。もっと素材のランクを下げるべきなのか?硬いだけの素材は要らないからなあ。冒険者ギルドでも聞いてみようかな。

取り合えず冒険者ギルドに行き依頼状を見てみたが、ドラゴン退治の依頼などあるわけも無く・・・・

「ちょっと聞きたいんたが、この大陸でドラゴンが生息している所はどこだろうか?」

ダメ元で受付嬢に聞いてみた。

「冒険者以外の方には教える事が出来ません。」

そうだよな。そうだよね。無理だった・・・・そ、そうだ!城の書庫に生息場所を書いた物があんじゃないか?ドラゴンは長生きだし、同じ場所に住んでるかも知れない!
そう思った俺は一旦城に戻り、書庫に飛び込んだ。
流石は魔王様!ぱねーっす!有りました!生息場所を書いた本が!純血種が北の山の頂上の洞穴に居るとか。これは行くしかないな。




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