俺を召喚したのは神じゃなくて魔王かよ!

オグリギャップ

文字の大きさ
30 / 72
ダンジョン攻略編

30 ボス戦

しおりを挟む
俺達は10階層のボス部屋の扉の前にいる。

「ヒロシ、準備はいいな?」

「うん、大丈夫!」

「ハルカはどうだ?鳥籠の中に入っていても良いぞ。」

「嫌よ!もう大丈夫!逃げたりしないから。」

「・・・・別に逃げても構わないんだ。寧ろ、危なくなったら逃げろ。命の方が大事だ。無謀な事はするんじゃ無いぞ!」

「・・・・・分かったわ。」

「それじゃ行くぞ!」

石で出きている扉を開けると・・・・・岩だらけの砂漠だった。足元が砂よりは踏ん張りが効いていいが、岩や石がゴロゴロしていて咄嗟の時には辛いかも知れない。
そんな事より魔物だ。ボスを探さないと!既に狙われてるかも知れない。

「ヒロシは上を、ハルカは周りを警戒しろ。まだ探知魔法に反応が無いから何処から来るか分からん。」

「「了解!!」」

他の階層より2回り位小さいこの階層には魔物の反応が無い。どう言う事だ?俺達は周りを見渡せる中心へと警戒しながら歩き出した。
もうすぐ中心部に辿り着くといった所でその中心部付近に光の柱が立ちのぼった。光の柱からは体長3m位の魔物が2匹出てきた。見た目はライオン、尻尾は蛇の魔物・・・・こいつは『ぬえ』だな。俺達にはそこまで強敵じゃない。グリフォンみたいに飛ばれたらキツいが、飛ばないなら何とかなる。

「ヒロシは右のヤツをハルカは左のヤツを攻撃しろ。」

「分かったわ!」
「ヨシ!行くぞ!」

「尻尾に気を付けろよ!」

ヒロシは左手の盾を前に翳してゆっくり進んで行く。壁は使わない様だ。ぬえはヒロシの出方を見ている様だ。動かないぬえを見てヒロシが走り出した!ぬえのすぐ側まで来た時、得意のパンチを繰り出すが空振り、逆にぬえがヒロシの左腕に噛みついた。マズイ!と思ったが、小盾があった為、ぬえの牙がヒロシの腕には到達しなかった。これがヒロシの作戦だったのか、左腕の小盾を噛まれたまま右手でタテガミを掴み、ぬえの顎に膝蹴りを喰らわせた。
膝蹴りが強烈過ぎてぬえの口の中の小盾を砕き、ヒロシの腕に牙が突き刺さる。

「グワッ!・・・・痛てーー!!!!」

アホだ・・・・まあ、作戦としては間違っていないが、攻撃の強さを加減しないと・・・・

ぬえの顎も折れた様だ。ヒロシは右手でぬえの口を開き、左腕を引き抜いた。
あーあ、あれじゃ左腕使い物にならないだろうに・・・
おっ、ヒロシがキレたぞ!アースバレットを連射して、ぬえの目を潰しやがった。次は渾身の蹴りかよ・・・エグイわ・・・・ありゃ頭蓋骨が砕けてるわ。えっ?まだ攻撃するのか?うわっ、頭にストンピングの嵐かよ・・・あーあ頭がグチャグチャだよ。死んでるから止めてやれよ。

ハルカは・・・・全然攻撃が当たって無いな。それ処か、何発が攻撃を喰らってるじゃん。それでも目が死んでない。まだいけそうだな。あっ剣を取られた・・・・逃げた・・・・ふぅ、仕方無い俺の出番だな。最近お気に入りの魔法レーザーでぬえの頭を貫き仕留めました。レーザーって何って?水魔法を極限まで細く早く鋭く打ち出したものだ。何でも切れるんだぜ。

それから魔石を取り出すと、ぬえの死体は消えて魔方陣が2つ現れた。上の矢印と下の矢印。勿論上を選択する。

「2人共集合!帰るぞ。」

3人で上の矢印の魔方陣に乗るとダンジョンの1階層に出た。えっ?9階層に出るんじゃないの?ま、いいや。9階層の村人は3割しか戻って来ないとか言ってたけど、それって負けて逃げ帰ったヤツらじゃないの?殆どは勝ってここに送られて来たんじゃ・・・・・

おっとそれより、ヒロシの怪我だ。回復魔法で治してやらないと。ヒロシの左腕を綺麗に治してからみんなで着替えて街に戻って来た。

「ダンジョンはどうだった?」

「僕は楽しかったけど、最後のヤツは失敗しちゃった。力くらべで勝ちたかったんだ。」

「わたしは・・・・もっと戦えないとマオさんとヒロシの足手まといになる事が分かったわ。魔王城に帰ったら訓練する!」

「そうか、でもまだもう少し街に居るから楽しんで来い。」

「「うん、有り難う!」」

それから3日街に滞在して、山の様な2人のお土産をアイテムボックスに収納して我が家に帰った。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ

ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます! 貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。 前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?

異世界でぼっち生活をしてたら幼女×2を拾ったので養うことにした【改稿版】

きたーの(旧名:せんせい)
ファンタジー
自身のクラスが勇者召喚として呼ばれたのに乗り遅れてお亡くなりになってしまった主人公。 その瞬間を偶然にも神が見ていたことでほぼ不老不死に近い能力を貰い異世界へ! 約2万年の時を、ぼっちで過ごしていたある日、いつも通り森を闊歩していると2人の子供(幼女)に遭遇し、そこから主人公の物語が始まって行く……。 ――― 当作品は過去作品の改稿版です。情景描写等を厚くしております。 なお、投稿規約に基づき既存作品に関しては非公開としておりますためご理解のほどよろしくお願いいたします。

最愛の番に殺された獣王妃

望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。 彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。 手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。 聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。 哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて―― 突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……? 「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」 謎の人物の言葉に、私が選択したのは――

アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~

eggy
ファンタジー
 もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。  村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。  ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。  しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。  まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。  幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。 「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。 ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!! スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。 ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!? 氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。 このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫

むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。

「俺が勇者一行に?嫌です」

東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。 物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。 は?無理

処理中です...