俺を召喚したのは神じゃなくて魔王かよ!

オグリギャップ

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戦争介入編

35 戦争か?

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最近悩み事がある。それは・・・・ヒロシが強いヤツと闘いたいと、毎日俺にせがんで来る事だ。
確かに俺が魔物を無駄に殺すなと言った。ヒロシがそのせいで闘う事が少くなったのも事実だ。だけどね・・・・どの位の強さのヤツと闘わせて良いのか解らん。
俺の戦い方はほぼ蹂躙だし、相手の強さをはかった事もない。ヒロシはそこそこ強いとは思うが、メチャ強いって程でもない。う~む・・・・どうしたものか。
俺が魔物を半殺しにして捕まえて来る?それは嫌だ!絶対嫌だ!超面倒臭い。大体、何処にどんな魔物がいて、どの位の強さなのかなんて全然知らんぞ。
いっそ龍王の所に連れてくか?まあ、プチッと潰されて終わりだな。

「魔王、どっかに強い魔物居ないの?」

うわー、来たよ。今日も戦闘狂のヒロシがおねだりに来たよ。勘弁してくれ。
龍王に聞いてもなぁ・・・・俺と同じで蹂躙してるだけだろうし・・・・。

「ん、まあ、そうだな。探しとくよ。」

今日も適当に探しとくよなんて言って逃げた。どこで探すんだよって感じなんだけど・・・・・イヤー本当に困った。冒険者ギルドに行って討伐依頼を見てくるか?でも依頼状に場所が書いてあれば良いけど、書いて無い場合、カウンターで聞かなければならない。冒険者でも無い俺に当然教えてはくれないだろう。

(ちょっと散歩にでも行こうか。いい考えが浮かぶかも知れないし。)

散歩と言っても空の散歩だが。今日はあんまり行った事が無い北西の方角へ飛んでみた。樹海を抜けてからゆっくりと、のんびりと飛びながら下界を見ていた。平地には、小さな村、そこそこ大きな町などが見える。近くには川が流れ、肥沃な大地が広がっている。

(こういう所で米を作ってくれないかなぁ。そしたら毎日食べられるのに。)

などと思いながら飛んでいたら、微かに煙の匂いがした。どこから煙の匂いがしてるんだろうと周りを見てみる。すると遠くに黒い煙の柱が3本上がっている。

(あんな遠くから風に乗って匂いが運ばれて来たのか。)

火事だと思ったらちょっと見たくなった。火事を鎮火させる為に周りの家をぶっ壊してるのかな?とか、逃げ惑う人間の姿を見てみたいとか思ってしまった。

うん、もう考え方が完全に魔王だな。まぁ俺、人間に興味がないもんね。俺の中で人間は魔物と同じ存在だから。人間は俺に役立つ物や、情報をくれるだけの存在に過ぎない。魔物だって死ねば皮や肉、魔石で役立ってくれる。つまり、俺の為に役立つと言う意味では同じなのだ。

俺は煙に向かって飛んで行った。近づくにつれて、ワーワーと叫び声が聞こえ始めた。やっぱり結構な勢いで建物が燃えていた。

(ウヒョー!燃えてるねー!人間達の消火方法はなんだろ?水魔法かな?いや、そんなに魔法事態、使える者が居ないだろ。それじゃ、日本の江戸時代の様に周りの家を解体して延焼を防ぐのか?ん・・・?建物に火を付けて回ってるヤツがいるぞ?それに火事なのに消火せず戦ってるヤツもいる。ああー!これは戦争かぁ。成る程、納得。)

俺は上空から事の成り行きを見守った。

(この街は終わりだな。城門のせいでどんどん火が強くなってる。熱が籠るからな。強固な城門みたいだし、壊せないよな。おー、城門から出て来た者をバンバン殺してるなー。これは奇襲が成功した感じか?各城門の外に兵隊が待ち構えてるもんな。軍師は中々の切れ者じゃん。)

俺が見物しだしてから2時間くらいで決着がついた。もう城門まで火が回り、街から脱出出来ない。中に残ってるヤツは焼かれるのを待つのみだ。城門の外には死体の山だ。一部は奴隷にでもするのか、捕らえられている。これは圧勝と言ってもいいんじゃない?俺はこの戦争の勝者に興味を持ち、暫く付いて行こうと決めた。
勝った軍の者達は陥落した街の近くで陣を取り、そこで休むみたいだ。

(なんだよ、帰るんじゃないのかよ!どんな国か見たかったのに・・・・燃え落ちた街を中を確認する為か?でものんびりしてたら援軍が来ないか?)

そう思ったが、動きそうに無いので、仕方なく魔王城に帰った。

(面白い物が見れたな。明日も朝から見に行こう。)

次の日、朝食を終えるとすぐに昨日の戦場に跳んだ。昨日焼け落ちた街はまだ燻っており、煙を上げている。その中を攻め込んだ国の軍が、生き残りが居ないかの確認の為なのか瓦礫の中を漁っている。特に焼け残りが多い領主の城の周りには、沢山の兵士がいる。

(ここは宝探しだろうな。戦争に勝ったはいいけど、味方に被害が全然無いから、褒賞に金が掛かるもんな。味方もある程度死んでくれないと赤字になるよな。)

半日程焼け残った城を探してた様だが、芳しく無かったみたいだ。

(えっ?もう終わり?何か大物が見つかるまで探さないのかよ?)

ぞろぞろと兵士が城の中から出て来て、キャンプ地に戻って行った。それからは食事が始まり休憩していた。午後は何が始まるんだろうと楽しみにしていたが、軍を残る者と帰る者とに半分に分けたみたいだ。俺は当然帰る方に付いていく。どんな国か見てみたいからな。4時間程行った所に大きな街があって、軍はその街に入って行った。今日はここで休むのかと思って魔王城に帰った。

「魔王、見回りに行ってるの?」

目ざといと言うか、鼻が効くと言うか、ハルカが俺に聞いてきた。

「えっ、あ、ああ、ちょっと気になる所があってな。」

「ふーん、珍しいね。普段、書庫で本を読んでるか、私達の訓練を見てるだけなのに。」

うっ・・・・チクッとハルカが、私達に黙って楽しい事してるんじゃないでしょうね?と毒を入れてくる。流石はここ7~8年本を毎日読んで、人間の事を勉強して来たハルカだ。俺の行動も良く見ている。

「・・・・それより訓練の方はどうだ?」

「訓練はねぇ・・・・ヒロシは動きが良くなったって言ってくれるけど、自分じゃ解らないの。だって攻撃が当たらないんだもん。」

「じゃ、魔法の方はどうだ?」

「う~ん、魔力の感じが上手く掴めないの。魔王が言ってた薄い布が体を覆う感じ?が解らないのよ。」

最近ハルカの喋り方が変わった。人間の街に行って思う所があったんだろう。しかし、綾瀬は○かの顔でボンキュッボンのスタイルで、お姉さん言葉でいわれるとエロい。そんなハルカに魔力を教え様と、肩に手を置いて、ハルカの体に魔力を強めに流す。

「ッ!?な、何コレ?これが魔力?ほ、本当に肌に何かが張り付いてる!」

ハルカが魔力を感じたみたいだ。

「分かったみたいだな。この世界は魔力に溢れてる。1回感じられたなら、練習すればすぐに魔力をいつでも纏う事が出きる。魔法はイメージだ。忘れるな。」

「うん!有り難う魔王!」

ふう、何とかハルカの詮索を回避出来た。まさか戦争観戦してるなんて言えないもんね。









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