俺を召喚したのは神じゃなくて魔王かよ!

オグリギャップ

文字の大きさ
39 / 72
戦争介入編

39 戦闘訓練3

しおりを挟む
夕食の時ハルカとヒロシは騒がしかった。初めて俺に強烈な1発を叩き込めたと自慢し合っていた。

「僕のアースバレットは凄かっでしょ!5発も魔王に貫通したんだよ!」

「何言ってんのよ!ヒロシは気絶してたから知らないでしょうけど、私のアースバレットが魔王の心臓に命中したのよ!私の方が凄いわよ!」

「でも貫通はしなかったんでしょ?それなら僕の方が凄いんじゃないの?」

「絶対私の方が凄いわよ!魔法使える様になったのは最近だし。」

「分かった、分かった。お前達の作戦が良かったんだよ。確かにヒロシの気配を消しての攻撃は良かった。でも、ハルカが俺を引き付けてくれなきゃ成立しないだろう。ハルカも俺とヒロシが対決してなきゃ攻撃を撃ち込め無かっただろ?」

「・・・・・そ、それはそうだけど・・・・・」

「・・・・・うん・・・・・・」

「お前達2人がしっかり作戦を考えて、実行出来た事が凄いんだ。それも普段からしっかり戦闘訓練をやっていたから出来た事だ。俺はお前達の成長が嬉しかったぞ。」

「「本当に?」」

「ああ、本当だとも。技術も連携も格段に上がってるからな。それだけお前達が頑張った事が解るしな。」

「やったねハルカ!魔王が褒めてくれたよ!!!」

「うん!嬉しい!!!」

「また明日も2人で作戦を考えて俺に向かって来い。」

「分かった!」
「うん!」

明日はどんな作戦で来るのか楽しみだ。驚く様な作戦はまだ無理だろうけど、どう変化を付けて来るかが楽しみで仕方ない。
そんな話をしながら夜が更けていった。

次の日は戦闘訓練は午後からにしてほしいと、ハルカから言って来た。別に時間はどうでもいいが、何か作戦があるのだろうか?アイツらは本気で俺を倒そうとしてるのが笑える。いや、分かってはいるんだろう、敵わないと。でも俺を翻弄する位はやってみたいんだろう。いくらでも策を講じてかかって来い!

昼飯の後、少し休憩を取ってから戦闘訓練となった。2人はどんな風に楽しませてくれるのか?

「それじゃあ、いくよ!」

ハルカが先陣を切る。俺にウィンドウカッターを撃ち込んで来る。それをテレポートでかわして自分の人形を作りなからヒロシを見ると昨日と同じ様に壁を作っている。なんだ、つまらん。昨日と同じかよ。それならば早目にこの死合いを終わらせてやるよ。俺は人形を作るのを止めて、壁を崩しに掛かった。まだヒロシの気配はある。このまま一気に潰してしまおう。ヒロシの気配がある周辺の壁を一気に崩して、ヒロシも倒した。

(・・・・・何だよ、昨日より杜撰な作戦だな。今日はハルカ頼みだったのか?)

離れた所にいたハルカに狙いを定め、魔法を連続して放ってハルカも倒した。

(これは説教だな。昨日より全然ダメじゃねーか!)

そう思った瞬間、後方と右側から魔法が飛んできた。当たるより一瞬早く気付いたからテレポートでなんとか回避出来たが、危なかった。

(あ、危ねぇ・・・・何をした?俺の知らない魔法?自身が殺られると発動する魔法か?)

「ッ!!ゴファ、・・・・グ、グフッ・・・」

(な、なんだ?魔法は避けた筈だ・・・・なのに攻撃受けたぞ?)

自分に回復魔法を掛けながら周りを見回すと、倒した筈のヒロシとハルカが魔法を放って来る!どうなってる?俺は堪らず上空にテレポートとした。俺が倒した筈のヒロシとハルカを見ると土人形が倒れていた。

(人形だと?馬鹿な・・・・あの気配は間違い無くヒロシとハルカだった。)

気配を探ると、2人の気配が増えている?何だ?なにか起きている?気配が4つあるぞ?このままじゃ俺が不利だ。手当たり次第潰してくしかない。先ずはハルカからいくか!俺はテレポートでハルカの真後ろに跳んで、1人目を倒して2人目の所に跳んだ。2人目は風魔法で身を包み、何とか攻撃をかわそうとする。しかし俺の攻撃がそんな物で防げる訳も無く、攻撃を受けて倒れた。

次はヒロシだ。すぐに頭を切り替え、2人のヒロシに向かいファイヤーボールを連射した。1人はすぐに倒れ、最後の1人は両腕を前に出して防御姿勢で耐えている。このままテレポートで後ろに回り込み魔法を撃ち込めば勝てるが、今度は力業で勝ってやろう。
防御姿勢のヒロシに、魔法の連続連射の嵐を浴びせて腕の力を削ぎ取り、腕が下がった所で頭に強めのファイヤーボールを撃ち込んで終わらせた。

それにしてもどんな魔法を使ったんだろう?土人形が動くとなるとゴーレムか?たった1日でマスターしたと言うのか?2人を回復させて聞いてみた。

「今度は上手くいくと思ったんだけどなあ・・・・」

「でも惜しかったよ。魔王が気を抜いた時に攻撃があたったもんね。」

「・・・ああ、あれは俺のミスだ。完全に気を抜いていた。それよりあれはゴーレムか?」

「そうよ。書庫で魔法の本を読んだ時、使えそうだと思って昨日ヒロシと練習したの。」

やっぱりゴーレムか。それにしても1日でマスターするとは・・・・。

「ゴーレムは魔法も使えるのか?」

「そんな所までいってないわよ。動かすだけで精一杯よ。」

それでも凄い事だ。たった1日でここまで物にするとは!

「明日からはゴーレムを自由に操れる様に練習しろ。物凄い戦力になるし、攻撃の選択枝が広がるからな。」

「分かったわ。」

俺の予想より遥か上をいく成長ぶりに、驚きながらもこれなら何処の戦いに投入しても死なないだろうと安心している自分がいた。






しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ

ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます! 貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。 前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?

異世界でぼっち生活をしてたら幼女×2を拾ったので養うことにした【改稿版】

きたーの(旧名:せんせい)
ファンタジー
自身のクラスが勇者召喚として呼ばれたのに乗り遅れてお亡くなりになってしまった主人公。 その瞬間を偶然にも神が見ていたことでほぼ不老不死に近い能力を貰い異世界へ! 約2万年の時を、ぼっちで過ごしていたある日、いつも通り森を闊歩していると2人の子供(幼女)に遭遇し、そこから主人公の物語が始まって行く……。 ――― 当作品は過去作品の改稿版です。情景描写等を厚くしております。 なお、投稿規約に基づき既存作品に関しては非公開としておりますためご理解のほどよろしくお願いいたします。

最愛の番に殺された獣王妃

望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。 彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。 手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。 聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。 哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて―― 突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……? 「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」 謎の人物の言葉に、私が選択したのは――

アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~

eggy
ファンタジー
 もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。  村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。  ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。  しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。  まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。  幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。 「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。 ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!! スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。 ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!? 氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。 このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫

むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。

「俺が勇者一行に?嫌です」

東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。 物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。 は?無理

処理中です...