俺を召喚したのは神じゃなくて魔王かよ!

オグリギャップ

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戦争介入編

40 戦争の気配

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ハルカ達がゴーレムを操る練習を始めて2週間程たった。ハルカはゴーレムを手足の様に操れる様になってきている。ただ、ゴーレムに魔法を使わせようとすると、自分が止まってしまう。上手く集中出来ないんだろうな。一方のヒロシは何て言っていいのか・・・・・ゴーレムの動きとヒロシの動きが完全にリンクしている。ヒロシがパンチを繰り出せば、ゴーレムもパンチをする。魔法を出せばゴーレムも魔法を出す。敵に囲まれた時は良いかも知れないが、それ以外は使い道が限られそうだ。

実は俺も練習しているんだ。結構使い所があると思ったからだ。俺の使い方は上空からゴーレム3体を操る感じだ。3体以上も試したんだけど、動かしてる内に動きが止まるゴーレムが出てくるんだよな・・・・上手く動かせる数が3体だから、3体で練習してるんだ。
今はヒロシ、ハルカ連合と俺のゴーレム3体で戦闘訓練をしている。ゴーレムで格闘を試してみたけど、やっぱりダメだった。自分自身が出来ない事はゴーレムも出来ない。だって指令を出しているのが格闘を知らない俺だから。剣は牽制くらいには使える。まともにハルカとやりあったらすぐに殺られた。

そんな事をしながら過ごしていたんだけど、遂にあの街に動きがあった。城門周辺に兵士が沢山配置されていた。攻め込まれるのを警戒しての配置だろう。次の日は、あの街の周辺の大きな街を探して飛び回った。内乱なのか、他国との戦争なのか分からないが、戦いが始まりそうだ。
俺は戦争の相手を探している。と言うのも、あの街の領主は以前に近くの街を騙し撃ちして滅ぼしている。俺は騙し撃ちが気に入らない。情報操作で相手を討ち取るのは常套手段かも知れない。だが、俺は好きじゃない。だからあの街に敵対する所に入り込んで、あの街を潰そうと思っているんだ。
道沿いに飛んで行くと、山を1つ越えた辺りに大きな街が見えた。

(あそこの街に行って何か情報が無いか聞いてみるか。)

街の近くの草むらに降りて、いつもの旅人衣装とターバンを頭に巻いて城門に歩いていった。

「通行証か、身分証を提示しろ。」

「身分証は無い。通行料はいくらだ?」

「む?身分証が無いだと?怪しいヤツだな。この街に何しに来た?」

「弟夫婦がこの街に居てな、何か戦争が起こりそうだと知らせて来たんだ。危ないから俺の村に暫く避難させてくれと手紙にあったから迎えに来た。」

完全なブラフだ。カマを掛けてみた。門番の兵士達は顔を見合わせていた。

「・・・・・・そうか。でも今は街に入れる事は出来ない。すまんが出直してくれ。」

「・・・・・そうか、分かった。やっばり戦争はあるんだな?」

「それは言えん。機密事項だ。」

もうそれは戦争します!って言ってるもんだろ。
俺は引き返し、城門が見えなくなった所で空に飛び上がり街に入った。
街の中は普通に生活している様に見えるが、馬車に大量の荷物を乗せてこの街の領主の城に運んでいるのが分かる。

(あれは食料品だろうか。それにしても多いな。戦争となると兵士のみで戦うのかな?傭兵とか冒険者とか雇わないのかな?ちょっと冒険者ギルドに寄って確かめてみるか。)

冒険者ギルドに入ってみると、かなりの人数がカウンターに並んでいた。何かの受付をしているみたいだな。聞き耳を立てていると、やっぱり戦争に参加する者を募ってる様だ。

これで戦争は確定した。ギルドで参加者を募ってるって事は1週間以内には移動開始するだろうな。

『ヒロシ、ハルカ聞こえるか?』

『うん、聞こえるよ。』
『どうしたの?』

『戦争だ。準備しろ。』

『ッ!本当に?』
『やっとこの時が来たんだね!』

『ああ、待たせたな。迎えに行くから待ってろ。』

『『うん!』』

俺は先ずカウンターで冒険者以外でも参加出来るのか聞いてみた。ギルドでは受け付けていないそうだ。
まあ、勝手に付いていって勝手に戦おう。乱戦になれば分からんだろう。それまではこの街で過ごしていればいい。

俺は魔王城に戻ってハルカとヒロシを拾ってすぐに街に戻った。

「この街なんだね?戦争をするのは」

「ん?勘違いするなよ?基本この街の兵士は味方だ。相手の街が全滅して、戦い足りなかったら倒してもいいけど。」

「分かったわ。それでいつなの?」

「んー、まだ少し時間が掛かるな。掛かると言っても1週間は掛からないと思うぞ。」

「そう、分かったわ。」
「うん。分かった!」

「それまでこの街で遊んでいていいぞ。」

「「本当!?」」

「ああ、たまには息抜きしないとな。これ、持ってけ。」

俺は2人に金を渡して自由にさせた。
その間にもう少し情報を集めないとな。先ず宿屋だ。出来るだけ冒険者ギルドに近い所がいいな。そう思って探していたんだけど、近場は満室だらけだった。仕方無いから街の中心にある高級宿に部屋を取った。そこでこの街の事を聞いた。この街はなんと、この国の王都なんだそうだ。戦争の話も聞いてみたんだが、やっぱり内乱らしい。王国軍が、あの街の領主の私兵に戦争を仕掛けるなんて弱いものイジメと変わらないじゃん。まあ、あの街の領主がアホだからこんな事になってるんだけどさ。だったら俺達の出番が無いかもしれん。ならば対決直前に前に出て暴れるしかないか。その時にならないと分からんけど。

『2人共、今夜の宿は「スイートアマン」だ。街の中心辺りにあるから遊び終わったら来いよ。』

『『はーい!』』

多分この戦争は、俺達が何もしなくても拡大する。
大戦になってからは龍王を呼ぶか、俺達だけでやるかちょっと悩み処だな。そんな事をベッドの上で考えていた。







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