俺を召喚したのは神じゃなくて魔王かよ!

オグリギャップ

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戦争介入編

47 バカに戦わせてみようかな

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いやー、面白かった。ヒロシとハルカの戦闘は。
自分勝手に戦闘してる様でちゃんと連携してたし、あんまり攻撃も貰って無かった。ヒロシなんて大魔法を使えたら、俺の代わりに魔王出来る位の力はあるんじゃないの?おっと、2人を迎えにいかないと。

「ヒロシ、ハルカお疲れ。いい戦いだったな。」

「ありがとう!でもちょっと物足りないかな。」

「ヒロシ、それは仕方無いわよ。相手は非力な人間だもの。」

「まあそうなんだけどね。なんて言うんだろう、こう、命と命の奪い合いをしてるって言う感じが薄いんだよね。人間が命令されて動くゴーレムみたいで・・・・」

「・・・・・・それはどうにもならんな。ヒロシみたいに戦いが好きでこの戦争に参加してるヤツなんて殆ど居ないだろうからな。金を稼ぐ為に参加してるヤツが大半だからな。それよりもこの街の一番偉いヤツを潰しに行くぞ。」

「「分かった。」」

俺達はこの街の一番でかい建物に向かった。城だ。城の門の前には200人位の兵士が居たが、俺達の敵では無かった。簡単に蹴散らして城内にコンニチワした。

「て、敵襲ーー!門が破られたぞーー!」

「な、なにぃー!早過ぎないか?と、兎に角城内の兵を集めろ!早く、早くしないか!」

「ハッ!」

うーん、混乱してるみたいだな。自分達の敵が大挙して押し寄せて来たと思ってるんだろう。まさか、たった3人で乗り込んで来てるとは思ってもみないだろうしな。
俺達は悠々と城内を歩いて領主を探していた。勿論領主の顔なんて知らない。最初は城ごとぶっ潰そうと思ってたんだけど、なんで隣の領地を占領したのか聞きたくなって探している。

「ねえ、領主はどこにいるの?」

ハルカが捕まえた兵士に聞いている。

「し、知らん!お前達で探せばいいだろ!」

「・・・・そう、残念ね。」

そう言うと、剣でスパンッと首を跳ねた。こ、恐い!無表情でそんな事するなんて・・・・顔に血飛沫が掛かってるし。ハルカってもっと温厚な娘じゃなかったっけ?敵と認識したら容赦ないのね・・・・

「魔王、さっきからこんなヤツばっかりよ?本当に知らないのかも知れないけど、見つけるのは難しくない?」

「ウ~ム・・・・、でもハルカは捕まえたヤツの尋問を続けてくれ。ヒロシと俺で手当たり次第にドア、扉を開けて確かめていこう。」

「分かったわ。」
「うん、分かった!」

城って言うのは、何でこんなに部屋が無駄に沢山あるんだろうね。掃除とか面倒臭くない?しかも殆どつかってないし。俺の魔王城もそうなんだけどさ。昔の感覚が抜けて無いからなのか、6畳1間が1番過ごしやすく感じるんだけどな。そんな事を考えながら部屋を調べていたら、ハルカが幹部らしいヤツを捕まえた。

「ヒ、ヒィ!た、助けてくださいーー!何でも、何でもしますからーー!」

うん、コイツは信じられるな。自分を守る為なら平気で仲間を売るヤツだ。

「じゃあ、領主は何処に居るか教えてくれる?」

「は、はいー!領主様は地下の宝物庫に、か、隠れています!」

ほうー、なるほどね。戦いが終わったら、お宝と一緒にどさくさに紛れて逃げる予定と。

「では早速道案内を頼むぞ。」

「は、はい!そ、それはもう・・・・こ、こちらです。」

幹部らしきヤツはハルカが手を離しても逃げ出さず、俺達を地下の入り口まで案内し始めた。俺達は領主が上の階にいると思ってたから3階に居た。上手く裏をかかれた訳だ。俺達が案内された先は1階の階段裏だ。一見何も無い様に見える。

「こ、ここが入り口でございます。わ、私も領主様が入って行くのを見た事があるだけですので、入り方は解りません・・・」

「・・・・そうか、ご苦労。」

ウソは言って無いだろう。命が掛かってるからな。なんか仕掛けがあるんだろ。仕掛けを探すのは時間がかかるし、ヒロシに破壊させても入り口が埋まる可能性があるから、俺がやるしか無いか。俺は水を極端に圧縮させて、極細で射出する魔法『レーザー』で扉と思われる部分を切った。あれ?倒れないぞ?

「ヒロシちょっと俺が切った所を引っ張り倒せ。」

「うん、分かった。」

ズダーーーーン

ヒロシが切れ目に指を入れて引っ張ると扉が倒れた。そこには地下へと続く階段があった。

「ヨシ、案内ご苦労だった。ハルカ離し・・・・」

俺は振り返りながらハルカに幹部を離す様に言おうと思ったんだが、すでに首が無かった。

「だ、だって・・・・魔王が切っても倒れなかったからウソを言ってたと思って・・・・」

「そ、そうか。今後はちゃんと確認してからやるんだぞ。」

「分かったわ。」

ハルカもわざとやった訳じゃ無いから仕方無いっちゃ仕方無いのか?まあいいや。先に進んで領主を見つけないとな。

俺達は階段を降りて宝物庫と思われる扉の前に来た。

「今から入るけど殺すなよ。」

「うん。」
「わ、分かってるわよ。」

俺が扉を開けると小太りの男が頭を抱えて震えていた。

「おい、お前が領主だな。お前は何故隣の街を潰したんだ?」

「・・・・・・・・・」

男は震えてるだけで何も答えない。何だよコイツは?幼稚園児か?

「・・・・・おい、聞こえてるか?」

男は一層震えだし、お漏らしをする始末。大丈夫かコイツは?

「質問に答えろ!何故隣の街を焼き討ちした?」

「私は悪くない、私は悪くない、私は悪くな・・・」

ちゃんと答えない男にイラッと来ちゃったから、右手で首を掴んで持ち上げた。

「何が悪くないんだ?言ってみ?」

「ガァ・・・・カフッ・・・・」

あっ、気絶しちゃった。ポイッと男を投げ捨てたら衝撃で目覚めた。

「・・・・・3回目だ。もう一度聞くぞ。何故隣の街を焼き討ちした?」

「わ、私は悪くない!ここは私の国だ!私が好きにして何が悪いのだ!」

・・・・何を言ってるんだ?頭沸いてんのか?妄想癖でもあんのか?

「お前・・・・大丈夫か?お前はここの領主だろ。領主が好きに出来る訳がないだろ。」

「わ、私は王族だ!も、元第一王子だ!今の王は偽者だ!本当の王は私なのだ!」

あー、弟に王の座を奪われたって事ね。コイツ見てると解る気がするわ。多分、自分より弱い立場のヤツにはこれ以上無い位に偉そうで、強いヤツにはへいこらするヤツなんだろうな。

「そうか。それじゃ、王の元に連れて行ってやろうか?そこでお前が決着つければいい。」

「お前はうつけ者か?ここまでやられて敵う訳が無かろう!」

「あ?お前が始めた戦争だろ?この国の政治が間違っていると思って始めたんだろ?自分が王と言うならば王なりの気概を最後まで見せろよ。」

ちょっとヤンキー口調で脅す様に言ってみた。

「うっ・・・・そ、それは・・・・」

何も言えないよな。分かってるよ。どうせ、コイツの部下に担ぎ上げられただけなんだろ?コイツの部下が戦争を持ち掛けて、上手く勝てたら政治の中枢に入り込んで、甘い汁を甘受しようとしたのに乗っかっただけなんだろう。

「さあ、行くぞ。取り合えずそこの剣だけ持って来い。丸腰じゃ戦えんからな。」

宝物庫に飾ってあった1本の剣を指差して言った。しかし動こうとしないので、ヒロシが剣を取って元第一王子に持たせた。その後ヒロシとハルカと元第一王子を鳥籠に入れて、王都にテレポートした。




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