AIメイドは悪役令嬢を救えますか? 回答:まずお嬢さまが言うことを聞きません!

マーシャル

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第1章 魔法学園 入学準備号

第2話 その3 「深夜ってなんかテンション上がる①」

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午前中のお嬢さまの「学園における隠蔽捏造計画」の丸投げを受け、お昼を食べながらわたしなりに対策を考えてはみたんだけどね。
 プラムなんかはいち早く、ダメ出し。
 
 《学園生活3年間で無能力を隠蔽し続けられる確率0.03%無理です》
 (でも0.03%の確率があるならそれに賭けるのこそロマンじゃないプラム)
 《0.03%はお嬢さまの完璧な身代わりを仕立てて、学園生活を乗り切れた場合の考慮値ですがどうしますか》
 
 ロマンのかけらもなかったです。それ、要は0%だよね。
 
 でもね悪役令嬢役だったとはいえ、3ヶ月後から始まる、学園生活の3年間
 乙女ゲーム『聖女と薔薇の刻証 ~Rose et Sainte~』そのメイン舞台だからね。
 お嬢さまにはなんとか楽しく、生き延びてもらいたいんだよね。

 ――――
 
 そんな流れで午後から、お嬢さまと2人でお屋敷の講義室に来ています。
 普段は使用人や衛兵達のミーティングに使用されてる部屋
 中には黒板のまえに教壇、そこに向かって席が配置された教室然とした部屋
 お嬢さまの座学もこの部屋でいつも行われています。

 黒板には大きくお嬢さまが書いた。
 「学園生活対策会議」
 お嬢さま、実は割と好きなのね、こういうノリ。
 お嬢さまが席に座りわたしが教壇側に立って進行役を仰せつかりました。
 
「コホン、まずお嬢さま、一つご提案がございます」
「なーにルナリア 言ってごらんなさい」
「素直に自身の能力を申告して……」
「却下よ」
「この3大公爵家筆頭であるアーネスト家の名誉にかけてそのような無様が知れ渡ることなど、あってはならなくてよ!」
「ましてやこのわたくし、セシリア・フォン・アーネストが無能のレッテルを貼られるなんてそんなこと、わたし自身のプライドが耐えきれません」
 
「それにそんな無能は、王子殿下どころか、他の貴族だって嫌がるでしょう」
「友達もできないかもしれないし、領民に石を投げられるかもしれない」
「お家が没落して領地剥奪のうえ、国外追放! それどころか処刑されるかも…………」

 お嬢さま自分の殻に引きこもっちゃった。それにそんな心配しなくても大丈夫ですよ。
 むしろそちらが正規ルートですから。

「とにかくこの由々しき事態を、絶対に露見させてはいけないのよ」
「なんとかなさいルナリア!!」
(無能のまま学園生活を慎ましく生きる……  お嬢さまには酷なのね、やっぱり)

 けど何が功を奏するかわからないから、とりあえず、まずは全力で足掻いてみましょう。

「まずはお嬢さまの一ヶ月の研究成果を、実際に検証してみましょう」
「そうね、それでどういたしますの」
「計画 実践 うまくいかない場合は、問題点の洗い出しそして計画修正」
「再度実践の繰り返しが問題解決の王道です」

 わたしの考えたセリフをルナリアAIがスラスラと喋っている。
 だいぶ一体感が出てきたね、わたし。

「では何から取り組みましょうか。お嬢さま」

 ちょっと顎に指を当てて考えるお嬢さま。
 うーん、可愛い。

「そうね、やっぱり魔術実習とスキルお披露目会かしら」
「そこさえ誤魔化せれば案外いけると思いますのよ」
 
 やっぱり誤魔化し前提なのはさすがです。お嬢さまの魔術実習の対策ノートを見てみると
 未来予知偽装
 光って誤魔化す
 ルナリア自爆×
 時間合わせて爆破
 とか色々考えてはいたのね。

「ところでルナリア、一つ質問があるんだけど」
 なぜか手を挙げるお嬢さま
「はいお嬢さまどうぞ」
 つられて挙げた手を指差してるし

「神殿で月詠の予言とか大層なこと言ってましたけど」
「予知ができるんならわたくしにその予知を教えていただければ問題解決じゃありませんの」

 (確かにそれでどうなの プラム)
 《可能です:現在戦闘時限定 緊急回避用で1秒までの予測演算可能》
 (戦闘時限定で1秒とかしょぼくない。)
 まあ、前世でも「ラプラスの悪魔」なんてもう猫に後ろ足で砂かけられるくらいだったし仕方がないか

「戦闘時なら1秒後まで予知可能です。お嬢さま」
「こちらもハッタリでしたのね。残念」
 
 でもたいして残念そうな顔しないのは、もうすでにわたしってお嬢さまの中ではポンコツメイド扱いなのね。
 
「念の為に聞いておきますけど、ルナリアその予知魔法で戦闘に勝てるのかしら」

 プラムに聞くまでもなくルナリアAIが即答
 
「対ギフト戦なら回避行動が間に合いません。破壊されます」
 
 うん、確かにメイドに戦わせるとかバカな世界線はダメよね。
わかってましたわって顔で小さく息吐かないでお嬢さま。
わたしが傷つきます。
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