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後日談
後日談1.うちのヒーラーは腕がよい
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闘技場の闘士という仕事をしている。
今日はトロールのような馬鹿でかい人間(人外疑惑あり)と戦って負けてきたが、負けた方にも三分の一ぐらいは報酬が入るいい商売だ。
私は闘士の適正があったらしく、ひたすら戦うことだけ考えているのは楽で良い。
ひょっとしたらこの勇者の身体がそんな風に作られていたのかと思って、王様に聞いてみたけれど、
「君の魂がバーサーカーだっただけだよ」と言われてしまった。
前世は肉体の方が軟弱で早く死んでしまったけれど、生き方はそうだったかもしれない。
さて、闘技場で回復薬は飲んだものの。
やっぱりうちに居るヒーラーに回復して欲しいよね。
部屋に戻ってシャワーを浴びた後、教会に帰ると、もう教室はしまい近くで子供の数は一人しか残っていなかった。
あの子は確か数学が得意な子だったな。
直接会ったことはなかったけどジルさんがこまめにまとめている教育ノートを見て知っていた。
「お姉さん、誰?」
はい、私は認識されていませんでした。コミュ障なのでこっちには近づかないようにしてましたしね。
「私はジル神父の彼女です」
こういうのははじめが肝心。何故か子供相手に見栄をはってしまった。
「え、彼女なの? じゃあチューとかするの?」
ま、ませお子様ー!!
私が反応に困っているとジルさんが私と子供の間に立った。
「こら、ティス、ラナンが困っているでしょう。
それに初対面の人と話す時は、敬語で話すよう教えている筈ですよ」
「はい! ごめんなさい教官!!
お姉さん、失礼しました!!」
ティス君は綺麗な姿勢で謝罪の礼をして私に謝った。ええ、態度違~
ジルさんがティス君を帰した後、私はジルに駆け寄った。
「お仕事、お疲れ様です」
「いえいえ、あなたも……」
いい終わらないうちに私を抱きしめて回復魔法をかけた。家にヒーラーが居るといいですね。
「ふふ、ラナン、私の彼女なのですか?」
ジルさんは両腕で私を囲みながら言う。逃げ場ないやつ。
「奥さんって言いたかったんですけど、こっちの人は奥さんってほぼほぼ子供が居るんでしょう」
前ちらっと結婚の誓いの言葉がどうのとか、言われた気がしないでもない。
「そうですねぇ。わりと子供が欲しくなってから結婚することが多いですね。
ずっと一緒に住んでいても、結婚しない人間も多いですし」
なんで若干前世と異なるかというと、この国の人はそもそも避妊ということを知らない。
人間達は役所に届出をしない限り子供は生まれないものだと信じている。
だから貞操観念も前世と異なる訳だが……
王様にカマをかけたら王様は避妊のことを知っていたからあの魔物が人口を完璧に管理するために整えたシステムなんだろう。
そういう所ちょっとどうかと思うし本当に魔物だなと思うけど
前世とは別世界なので仕方ない。
ジルさんは私を捕まえたまま近くの椅子に腰掛けた。
必然的に私は荷物のように抱えられることになる。
あ、試合の後だから重りを外していた。今の私は子供並に軽い。
「時間は沢山あるのでラナンが慣れた頃に、と思っていましたが、キスをしていないのが気になっていましたか?」
銀髪の神父もどきの魔物は頭を寄せながら聞いてくる。
「勝手に彼女だって言ったのは怒らないんですか?」
「私はこんなに好意を伝えているのに、伝わって居なかったんですか?」
おーう。
そう言えば王様とキス未遂事件の時やたら焦ってたな。あれは嫉妬的意味合いもあったのか?
「バジル様。ここはあのしょーもない王様を讃えている教会だということはよくわかっているのですが。
私は前世の影響で、ここで、神父様の格好をしている方とはキスできないんです」
神社でも寺でも神殿の中でも出来ないと思うが……
「なるほど。では部屋に戻りましょうか」
ジルさんは私を抱き上げたまま凄い速度で住宅棟に戻った。あれ、私うまく断れなかった!?
いや彼女宣言した自分が悪いんだけど。
今日はトロールのような馬鹿でかい人間(人外疑惑あり)と戦って負けてきたが、負けた方にも三分の一ぐらいは報酬が入るいい商売だ。
私は闘士の適正があったらしく、ひたすら戦うことだけ考えているのは楽で良い。
ひょっとしたらこの勇者の身体がそんな風に作られていたのかと思って、王様に聞いてみたけれど、
「君の魂がバーサーカーだっただけだよ」と言われてしまった。
前世は肉体の方が軟弱で早く死んでしまったけれど、生き方はそうだったかもしれない。
さて、闘技場で回復薬は飲んだものの。
やっぱりうちに居るヒーラーに回復して欲しいよね。
部屋に戻ってシャワーを浴びた後、教会に帰ると、もう教室はしまい近くで子供の数は一人しか残っていなかった。
あの子は確か数学が得意な子だったな。
直接会ったことはなかったけどジルさんがこまめにまとめている教育ノートを見て知っていた。
「お姉さん、誰?」
はい、私は認識されていませんでした。コミュ障なのでこっちには近づかないようにしてましたしね。
「私はジル神父の彼女です」
こういうのははじめが肝心。何故か子供相手に見栄をはってしまった。
「え、彼女なの? じゃあチューとかするの?」
ま、ませお子様ー!!
私が反応に困っているとジルさんが私と子供の間に立った。
「こら、ティス、ラナンが困っているでしょう。
それに初対面の人と話す時は、敬語で話すよう教えている筈ですよ」
「はい! ごめんなさい教官!!
お姉さん、失礼しました!!」
ティス君は綺麗な姿勢で謝罪の礼をして私に謝った。ええ、態度違~
ジルさんがティス君を帰した後、私はジルに駆け寄った。
「お仕事、お疲れ様です」
「いえいえ、あなたも……」
いい終わらないうちに私を抱きしめて回復魔法をかけた。家にヒーラーが居るといいですね。
「ふふ、ラナン、私の彼女なのですか?」
ジルさんは両腕で私を囲みながら言う。逃げ場ないやつ。
「奥さんって言いたかったんですけど、こっちの人は奥さんってほぼほぼ子供が居るんでしょう」
前ちらっと結婚の誓いの言葉がどうのとか、言われた気がしないでもない。
「そうですねぇ。わりと子供が欲しくなってから結婚することが多いですね。
ずっと一緒に住んでいても、結婚しない人間も多いですし」
なんで若干前世と異なるかというと、この国の人はそもそも避妊ということを知らない。
人間達は役所に届出をしない限り子供は生まれないものだと信じている。
だから貞操観念も前世と異なる訳だが……
王様にカマをかけたら王様は避妊のことを知っていたからあの魔物が人口を完璧に管理するために整えたシステムなんだろう。
そういう所ちょっとどうかと思うし本当に魔物だなと思うけど
前世とは別世界なので仕方ない。
ジルさんは私を捕まえたまま近くの椅子に腰掛けた。
必然的に私は荷物のように抱えられることになる。
あ、試合の後だから重りを外していた。今の私は子供並に軽い。
「時間は沢山あるのでラナンが慣れた頃に、と思っていましたが、キスをしていないのが気になっていましたか?」
銀髪の神父もどきの魔物は頭を寄せながら聞いてくる。
「勝手に彼女だって言ったのは怒らないんですか?」
「私はこんなに好意を伝えているのに、伝わって居なかったんですか?」
おーう。
そう言えば王様とキス未遂事件の時やたら焦ってたな。あれは嫉妬的意味合いもあったのか?
「バジル様。ここはあのしょーもない王様を讃えている教会だということはよくわかっているのですが。
私は前世の影響で、ここで、神父様の格好をしている方とはキスできないんです」
神社でも寺でも神殿の中でも出来ないと思うが……
「なるほど。では部屋に戻りましょうか」
ジルさんは私を抱き上げたまま凄い速度で住宅棟に戻った。あれ、私うまく断れなかった!?
いや彼女宣言した自分が悪いんだけど。
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