天パの心得

つづみゆずる

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天パでも実る恋

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高校の夏休み、泊まり込みのバイトをしました。まだストレートへのこだわりから髪全体をドライヤーとロールブラシで痛めつけていた頃のことです。他にも泊まっている人がいたのと、朝が早かったので、まさか30分もドライヤーを使うわけにもいかず、何とか前髪だけを小さなドライヤーで延ばして後ろは一本に縛っておく事にしました(バイトの内容的にもちょうどよかった)
忙しいのと夏であった事もあり、大汗かきました。結局前髪も後ろ髪もくるくるくるくるしていました。あ、ごめんなさい少し可愛く言いました。ほんとはほぼぐるぐるの毛先チリチリでした。

バイト内容はほとんど裏方でお客さんの前にも出ませんでしたが、バイト先の先輩が。少し気になって。チリチリは流石に恥ずかしくてろくに話もできませんでしたが、バイト中ですからなるべく仕事だと割り切って仕事の話はしっかりこなしました。その先輩がほんと優しくて。色々教えてもらったり、仕事のフォローもしてくれる頼りになる先輩でした。休憩時間も遊んだり沢山お話しするようになって、半月経つ頃には髪の事も気にせず話ができるようになりました。常に天パを曝け出せず内気になっていた私にも気さくに接してくれる、数少ない男性。なんとお互いの気持ちが交わる事があるとは夢にも思いませんでした。
その辺詳しく書いても需要はないでしょうから省きます(笑)

可愛いあの子はくるくるパーマに長めのスカート…♪
ご存知でしょうか。当時でも少し古かったこの曲を、彼は好きだと言っていました。
泣けてきます。

バイト終了して新学期が始まり、またストレート頑張る生活してました。交際することができた年上の彼も驚いていましたが、いいじゃん、似合うと言ってくれました。

私は遠方へ電車通の高校生、彼はバイトしながら大学生、当然あまり会えなくなり、大して長くも続かずこのロマンスは終わりましたが、ぐるぐるチリチリの私でも好きになってくれる人がいたんだと、勇気づけられました。彼には今も感謝してます。しかも当時はバイト内容的にメイクもいらないかーとドスッピンだったのです。そのままの自分だったのです。

社会人になってから偶然再会しました。後ろ髪もバリバリストレート頑張ってメイクもバッチリ、若さ全開の頃です。綺麗になったね!と言ってくれました。ほんと優しくていい人でした。
幸せな素敵な思い出をありがとうございました。
泣きそう。

くるくるドスッピンで勝負できた事も忘れて、すっかり偽物ストレートで生きる生活に戻ってしまった私はその後もストレートにこだわり続けるのです。社会人になって大人の雑誌を読むようになり、再び神アイテムと出会います。
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