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第2章 新婚初夜は蜜色の企み
1)
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怒りと衝動任せのセックスの後に残ったのは、むなしさと後悔だった。
――何やってるんだろう……こんなことしても、意味はないのに。
どこにもぶつけようのない怒りを、高坂にぶつけただけだ。ただの八つ当たりだ。自己嫌悪に泣きたくなる。
高坂の視界をネクタイで塞いでおいてよかったと思う。今の自分の顔は見られたくない。
溢れそうな涙を隠すように、美園は高坂の肩に額を押し付けて、瞼を閉じる。
――離れなきゃ……
そう思うのに、体は先ほど味わった快楽に痺れて、思うように動いてくれない。
――体の相性だけは最高って、どういうことよ。
無理矢理に襲って体を繋げただけなのに、高坂とのセックスは今まで付き合ってきた誰よりも、深い快楽を美園に与えた。
それが無性に、腹立たしい。
胎の中に収めたものは、力を失っているはずなのに、いまだに質量を持って、美園の中を刺激してくる。心とは裏腹に、欲望に忠実な密襞が高坂の昂りを舐めるような動きを見せている。
――このままじゃ、マズい。
快楽の熾火に再び火が付きそうな予感に、美園は顔を顰めた。
「美園さん」
「……何?」
美園が動くより先に、高坂が声をかけてきた。のろのろした動きで、美園は高坂の胸に手を付き、額を彼の肩から離した。
密着していた体が離れて、火照っていた肌が、冷えるような感覚が寂しく感じた。
「手と目を何とかしてください」
「わかった」
高坂の冷静な声音に、美園は興奮の余韻を残しているのは自分だけかと、乾いた笑いを漏らす。
美園は高坂の後頭部に手を回して、ネクタイを解いた。
吐息の触れる距離で、髙坂の真っ黒な瞳と視線が絡んで、気まずさに、美園はふいっと顔をそらした。
「手を上げて」
ベルトで拘束して、美園の背に回されたままの腕を上げるように、高坂に命じる。素直に従った男の腕の中から頭を抜いて、手を二人の体の間に戻す。
力の入らない指で、何とかベルトを緩めた。高坂の手にはベルトで戒められた痕が、赤く輪になって残っていた。高坂は自由になった手で、感覚を確かめるようにて手首を擦っている。
――こんな痕を見られたら、職場で噂の的になるかもね。高坂さんは一体どんな女と付き合っているんだって……
普段の紳士的な男の雰囲気と、明らかに拘束されたような痕のちぐはぐさに、高坂の職場はさぞ騒がしくなるだろうと、美園は思った。その想像は、美園の留飲をほんの少しだけ下げた。
ようやく体に力が入るようになって、美園は膝を立てて、高坂の上から降りようとした。
高坂の昂りが体から抜けていく感覚に、背筋を甘い疼きが滑り落ちていく。
しかし、あと少しで抜けるというところで、美園の動きは腰に添えられた高坂の手に阻まれた。
「ちょっと!」
美園が抗議の声を上げる。しかし、髙坂は気にした様子もなく、美園の顔を覗き込んでくる。
「何ですか?」
「何って離してよ!」
近い距離に思わず背を仰け反らせるが、高坂が危なげなく美園を支えた。
「何故?」
美園の訴えを艶冶に微笑んだ男が拒む。
「もう終わったでしょう? いつまでもこんな風にくっついてる意味はないじゃない」
「そうですか? 先ほどは美園さんの方から、抱き着いてきたのに?」
「それは! ……んぁ……!」
美園の腰を抱いた男が、下から突き上げて来て、美園の言葉を遮った。
いつの間にか力を取りも出したものが、蜜襞を擦りあげて、美園は甘い悲鳴を上げる。
「私たちはもう夫婦だ。こうして、抱き合うことに何の問題もない。それに、子どもを作るには一回では足りないでしょう?」
今までの大人しさが嘘のようなふてぶてしい男の態度に、美園は驚く。高坂がまるで見知らぬ男のように見えた。
「……おあいにく様……今日は安全日よ。いくらやっても、たいして意味はないわ。だから、さっさと離しなさいよ」
乱れる息を何とか整えて、高坂を睨み付け、無理やりに立ち上がろと膝を立てる。
「ここはそうは言ってませんよ?」
「やぁ……ん!」
スカートの下に手を入れられ、花芽をくじかれた。美園は不意打ちの快楽に背筋を震わせ、膝から崩れ落ちた。
自重で深く男を呑みこんで、胎の奥がずくりと疼いた。消えかけていたはずの、快楽の熾火が再び燃え上がる。
制止をかけたのに、意地悪に笑った男が小刻みに腰を揺らし始めた。途端に、指先が痺れるような甘い疼痛が走って、勝手に声が上ずっていく。
グラグラと揺れるからだが怖くて、思わず腕を伸ばして、目の前の男にしがみついてしまう。
「……ぁ……や……め……」
美園の腰を抱えた男が、体を引き寄せて、美園の耳朶を食んだ。
「たとえ、今日は出来ないとしても、女性に主導権を握られたままで終わるっていうのは、男として情けないですからね。離すつもりはありませんよ」
「何よそれ……くだらない……それに、私は自分が主導権を握っている方が好きなのよ」
高坂の言葉に何とか強気で返すが、態度とは裏腹に体は従順に高坂に従って開いてく。
「そうですか……でも、今は大人しくしててください」
奪うような口づけが下りてくる。先ほどまで、彼自身を咥えていたというのに、そんなことを気にした様子もなく、高坂の舌が美園の口の中を傍若無人に舐めまわす。
腰を抱え直されて、服の上から長い指が美園の背筋のくぼみを辿り、体を戦慄かせた途端に、強くその場所を押された。ビクリと美園の体が跳ねて、中の男のものを締め付ける。
「ふぅ……ん!!」
絡ませた舌を強く吸われて、美園は痛みと快楽がないまぜになったような感覚に、悲鳴を上げる。しかし、それは高坂の口の中に吸い込まれて、くぐもったものにしかならない。
「あなたが何を言っても、好きにさせてもらいます」
わずかに唇を離した男壮が絶な色気を纏って微笑んだ。二人分の唾液が男の唇の端から垂れたのを、赤く長い舌で舐め取る獣のような仕草に、美園は体を竦ませたーー
※なんだかんだとオリンピックの見まくりです。ここまで来たなら選手たちが悔いなくベストパフォーマンスをしてほしいです。次回更新目標7月31日21時 早く書けたら早く上げます
――何やってるんだろう……こんなことしても、意味はないのに。
どこにもぶつけようのない怒りを、高坂にぶつけただけだ。ただの八つ当たりだ。自己嫌悪に泣きたくなる。
高坂の視界をネクタイで塞いでおいてよかったと思う。今の自分の顔は見られたくない。
溢れそうな涙を隠すように、美園は高坂の肩に額を押し付けて、瞼を閉じる。
――離れなきゃ……
そう思うのに、体は先ほど味わった快楽に痺れて、思うように動いてくれない。
――体の相性だけは最高って、どういうことよ。
無理矢理に襲って体を繋げただけなのに、高坂とのセックスは今まで付き合ってきた誰よりも、深い快楽を美園に与えた。
それが無性に、腹立たしい。
胎の中に収めたものは、力を失っているはずなのに、いまだに質量を持って、美園の中を刺激してくる。心とは裏腹に、欲望に忠実な密襞が高坂の昂りを舐めるような動きを見せている。
――このままじゃ、マズい。
快楽の熾火に再び火が付きそうな予感に、美園は顔を顰めた。
「美園さん」
「……何?」
美園が動くより先に、高坂が声をかけてきた。のろのろした動きで、美園は高坂の胸に手を付き、額を彼の肩から離した。
密着していた体が離れて、火照っていた肌が、冷えるような感覚が寂しく感じた。
「手と目を何とかしてください」
「わかった」
高坂の冷静な声音に、美園は興奮の余韻を残しているのは自分だけかと、乾いた笑いを漏らす。
美園は高坂の後頭部に手を回して、ネクタイを解いた。
吐息の触れる距離で、髙坂の真っ黒な瞳と視線が絡んで、気まずさに、美園はふいっと顔をそらした。
「手を上げて」
ベルトで拘束して、美園の背に回されたままの腕を上げるように、高坂に命じる。素直に従った男の腕の中から頭を抜いて、手を二人の体の間に戻す。
力の入らない指で、何とかベルトを緩めた。高坂の手にはベルトで戒められた痕が、赤く輪になって残っていた。高坂は自由になった手で、感覚を確かめるようにて手首を擦っている。
――こんな痕を見られたら、職場で噂の的になるかもね。高坂さんは一体どんな女と付き合っているんだって……
普段の紳士的な男の雰囲気と、明らかに拘束されたような痕のちぐはぐさに、高坂の職場はさぞ騒がしくなるだろうと、美園は思った。その想像は、美園の留飲をほんの少しだけ下げた。
ようやく体に力が入るようになって、美園は膝を立てて、高坂の上から降りようとした。
高坂の昂りが体から抜けていく感覚に、背筋を甘い疼きが滑り落ちていく。
しかし、あと少しで抜けるというところで、美園の動きは腰に添えられた高坂の手に阻まれた。
「ちょっと!」
美園が抗議の声を上げる。しかし、髙坂は気にした様子もなく、美園の顔を覗き込んでくる。
「何ですか?」
「何って離してよ!」
近い距離に思わず背を仰け反らせるが、高坂が危なげなく美園を支えた。
「何故?」
美園の訴えを艶冶に微笑んだ男が拒む。
「もう終わったでしょう? いつまでもこんな風にくっついてる意味はないじゃない」
「そうですか? 先ほどは美園さんの方から、抱き着いてきたのに?」
「それは! ……んぁ……!」
美園の腰を抱いた男が、下から突き上げて来て、美園の言葉を遮った。
いつの間にか力を取りも出したものが、蜜襞を擦りあげて、美園は甘い悲鳴を上げる。
「私たちはもう夫婦だ。こうして、抱き合うことに何の問題もない。それに、子どもを作るには一回では足りないでしょう?」
今までの大人しさが嘘のようなふてぶてしい男の態度に、美園は驚く。高坂がまるで見知らぬ男のように見えた。
「……おあいにく様……今日は安全日よ。いくらやっても、たいして意味はないわ。だから、さっさと離しなさいよ」
乱れる息を何とか整えて、高坂を睨み付け、無理やりに立ち上がろと膝を立てる。
「ここはそうは言ってませんよ?」
「やぁ……ん!」
スカートの下に手を入れられ、花芽をくじかれた。美園は不意打ちの快楽に背筋を震わせ、膝から崩れ落ちた。
自重で深く男を呑みこんで、胎の奥がずくりと疼いた。消えかけていたはずの、快楽の熾火が再び燃え上がる。
制止をかけたのに、意地悪に笑った男が小刻みに腰を揺らし始めた。途端に、指先が痺れるような甘い疼痛が走って、勝手に声が上ずっていく。
グラグラと揺れるからだが怖くて、思わず腕を伸ばして、目の前の男にしがみついてしまう。
「……ぁ……や……め……」
美園の腰を抱えた男が、体を引き寄せて、美園の耳朶を食んだ。
「たとえ、今日は出来ないとしても、女性に主導権を握られたままで終わるっていうのは、男として情けないですからね。離すつもりはありませんよ」
「何よそれ……くだらない……それに、私は自分が主導権を握っている方が好きなのよ」
高坂の言葉に何とか強気で返すが、態度とは裏腹に体は従順に高坂に従って開いてく。
「そうですか……でも、今は大人しくしててください」
奪うような口づけが下りてくる。先ほどまで、彼自身を咥えていたというのに、そんなことを気にした様子もなく、高坂の舌が美園の口の中を傍若無人に舐めまわす。
腰を抱え直されて、服の上から長い指が美園の背筋のくぼみを辿り、体を戦慄かせた途端に、強くその場所を押された。ビクリと美園の体が跳ねて、中の男のものを締め付ける。
「ふぅ……ん!!」
絡ませた舌を強く吸われて、美園は痛みと快楽がないまぜになったような感覚に、悲鳴を上げる。しかし、それは高坂の口の中に吸い込まれて、くぐもったものにしかならない。
「あなたが何を言っても、好きにさせてもらいます」
わずかに唇を離した男壮が絶な色気を纏って微笑んだ。二人分の唾液が男の唇の端から垂れたのを、赤く長い舌で舐め取る獣のような仕草に、美園は体を竦ませたーー
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