転生者ジンの異世界冒険譚(旧作品名:七天冒険譚 異世界冒険者 ジン!)

夏夢唯

文字の大きさ
39 / 57
第1章 転生

34話 緊急依頼

しおりを挟む
 ニーナの店を出たジンが広場の屋台で売っているブドウを絞ったジュースを買って喉を潤していると、馬に乗った兵士がギルドハウス前の柱に馬を繋いで中に入っていくのが見えた。
ドカドカと何やら急いでいる様子である。

(何かあったのかな?面倒事じゃなければいいけど)

 急いでギルドハウスへ行きドアを開けたが、入ったはずの兵士の姿は見えなかったので、受付カウンターにいたソフィーさんに何かあったのか尋ねてみる。

「こんにちは~。騎士が来たみたいですけど、何かありました?」

「急ぎでマスターと話がしたいと言ってたから職員がマスター室に連れていったみたい。シズラーさんも一緒に話しているみたいだから後で聞いてみるわね」

「シズラーさんって、ただの嘱託職員じゃないんですか?」

「教えてなかったかしら、ベルンハルトさんの前のギルドマスターよ。65歳で引退して今は嘱託職員をしてくれてるの」

「前のギルマスですか」

「そうそう。あ、歳のことは秘密ね、私が話したなんてバレたら叱られちゃうから」

「分かりました、気をつけます。でも、シズラーさんってギルドマスターだったということは元冒険者なんですか?」

「そうですよ、レベルもマスターとそんなに変わらないはずですし。そこらへんの冒険者じゃ片手で相手をしてもらっても勝てないどころか短時間なら触ることもできませんよ」

「そんなに強いんですか!」

「強いどころか、シズラーさんはこの国に11人しかいないSランクの1人ですよ」

「なるほど、ただの物知りのお婆さんだと思ってましたがそうじゃなかったんですね。それにしてもマスターはまだ時間がかかりそうですか、用事があって来たので話が終わるまで待ちたいんですけど」

「わかったわ、終わったら教えてあげるからラウンジでゆっくりしてて。
そういえば、この前の素材の引き取り価格が決まったから金額に納得できたらこの受取証にサインをお願い」

「一番下のところでいいです?」

「いいですよ。全部で白金貨1枚、大金貨3枚、金貨6枚ね。
今日は何か引き取る素材はかないかしら? 最近持ち込まれる素材が少ないからあると助ります」

「毎回そんなに獲れませんよ、今回は自分の服の素材とか武器の素材を取りに行ってたので今は売れるような物は持っていませんよ」

「それは残念」

「えっと、素材が必要なら何かいい依頼がないか見てきますね」

 受取証を書き、受け取ったお金をマジックバッグに入れながら依頼ボードへ向かった。
冒険者ランクもBランクに上がったのでAランクまでの依頼を受けることが可能になったこともあり、Aランクの依頼を確認すると幾つか面白そうな物があった。

依頼レベルA 討伐依頼 シルバーバックベア   場所:マール市南部森林地帯
  報酬: 白金貨3枚

依頼レベルA 討伐依頼 サイクロプス      場所:マール市東部森林地帯
  報酬: 白金貨3枚

依頼レベルA 討伐依頼 ワイバーン       場所:リョーガ市西東部荒地
  報酬: 白金貨3枚

 ワイバーンは空を飛んでいるので難しそうだがサイクロプスはまだ見たことがなかったので面白そうだと思い、依頼カードに手を伸ばしかけた時、ベルンハルトが騎士を連れて2階から降りてきた。

「ソフィー、緊急招集だ! 1時間後にある程度冒険者が集まったら詳しい説明をする。今ここにいるCランク以上の冒険者も、1時間後には戻ってくるように」

(何か問題が起きたようだな時間までここで待つか)

 ジンはそのままギルドハウス内にとどまり軽く食事をしながら時間をつぶす。
1時間経つ頃にはテーブルが片付けられたホールは集まった冒険者の話し声で会話もできないほど騒がしくなってきた。
 
 時間になったのかギルドマスターのドアが開いてギルマス達が現れた。
「多すぎるね」シズラーさんが呟くとベルンハルトが大きな声で指示を出す。

「少し人数が多過ぎるようだ、パーティーリーダーとソロの冒険者だけ中に残って他は外で待機してくれ」

マスターのその声でホールにいた冒険者の人数が減り、やっと話せるような状況になった。

「もう良いだろう、説明を始めるぞ。みんな、聞いてくれ! 昨日ミュスカの町が消滅した」

冒険者がざわめき始める。

「どういうことなんだ、詳しく説明してくれ。意味がわからない」

「もう一度言うぞ、ミュスカの町が消滅した!」

「ミュスカってドラゴニック山脈の麓のミュスカか? なんで消滅したんだ、意味がわからん!」
 
「すまん、ミュスカの町だがドラム荒地のラージカミカゼアントの襲撃で消滅したらしい。部分的に破壊されたんじゃなくて、消滅だ。瓦礫以外は何も残らなかったそうだ。住民は慌てて逃げ出したようだが、生存者がどれ程いるのか現在確認は取れていない。町の衛兵が緊急避難指示を出したが、どうにもならなかったようだ」

「ラージカミカゼアントってなんだ、お前知ってるか?」

「知らねえけど、アントの一種だろ。ラージって言うくらいだからでかいんじゃないか?」

「そんなの誰でもわかるだろ、俺が知りてえのは討伐ランクや習性とか群の数だ」

 そんな声の上がる中、ベルンハルトは話を続けた。

「ミュスカを襲った群れはそのまま北上したあと2方向に分かれてアラバスタとクロスロードに向かっている。ギルドに出された依頼は迎え撃つ町の防衛と住民の避難誘導の二つだ」

「ギルマス、ラージカミカゼアントって人のいる場所には滅多に近寄らないんじゃないのか?」

「そうだ、それが今回はなぜか町を襲いその勢いのまま次の街を襲おうとしているようだ。なんでそんな事になっているのか俺にもわからん。だが今は論議しているような時間がない、今から防衛と救助の編成を30分で決めてアラバスタに向かう」

「ギルマス、ミュスカは俺の親が住んでるんだ。悪いが親を探しにミュスカに向かってもいいか」

「そういう理由なら市から他ない、他に家族のいる者はミュスカの住民の保護を兼ねて向かってくれ」

「すまねえ、先に行かせてもらう」

そう入って男がギルドハウスを出て行くのを見送りながらベルンハルトは話を続ける。

「それじゃあグループ編成をしていくぞ。防衛組のリーダーが俺で、救助と避難のリーダはシズラー、それぞれ5人の小隊長を俺とシズラーが今から任命するから任命された者は20人の小隊を編成してくれ」

Cランク以上ともなると殆んどの者はパーティーで活動している。それなので小隊の中は数組のパーティーで編成されていったがソロでしか仕事をした事が無いジンは編成にあぶれ孤立してしまった。

「ジン、小隊の編成であぶれたのか」

「そうみたいです…」

「なら俺の補助をしろ。ソフィーはシズラーさんの補助を頼む、足手まといになるなよ」

 ギルドハウスで話を始めて1時間ほどで編成を完了し、ジンたちは馬と馬車を使いアラバスタの町に向かった。
マールを出た冒険者の数は234名、内訳はSクラス4人・Aクラス11人・Bクラス65人・Cクラス154名。

 Sクラスのうち2人はベルンハルトとシズラーだが今回はもう2人のSランク冒険者が応援に来ていた。
そのうちの1人はカイ・ビエンド、エルフの冒険者で弓の名手である、そしてもう1人のエレノア・ハーゼルはヒューマンで短剣二刀のシーフだ。

 多くの冒険者が駆り出されてしまうマール市の住民には念のため、二重になっている外壁の内側の強固な壁の中に避難するように指示が出された。
クロスロードの街は住人が3万人もいて領軍が常駐しているので救援は必要無いらしく、分隊がクロスロードから救援部隊としてアラバスタに向け出発したという情報も入ってきた。

 マールから出発したギルドの2頭立ての馬車を操作しているのはベルンハルトでジンはその横に乗っていた。
馬車の中にはシズラーとソフィー、それと武器やトラップなども積まれている。

「間に合えば良いな。
それにしても何もしなければ町を襲うような魔虫じゃないんだが何があったんだ」

「ラージカミカゼアントってどんなやつなんですか?」

「ジンは知らないのか、それなら教えてやろう。
ラージカミカゼアントはジバクアントの大型種で目が悪く、匂いで状況を判断して行動しているのだが、通常は人間の匂いを嫌って近づいてこない」

「人を避ける習性があるんですか」

「そうだ。ラージカミカゼアントなんだが、餌の採取は偵察アリが巣の周囲を偵察して魔物や魔虫の死骸や樹木の蜜を見つけると採取アリに知らせ、その後採取アリが集めて巣に持ち帰るという形態の平和的な魔虫で自分達から攻撃して餌を取ることは滅多になく、攻撃をするのは防御をする時のみだ」

「敵味方はどうやって見分けているんですか?」

「敵味方の判断は匂いで行なっているらしい。仲間の場合はお互いに右に迂回して避けるが仲間でないと判断すると大きな顎をカチカチ鳴らして威嚇してくる。威嚇しても接近してくる者や攻撃してきた者は敵と認識して噛みつき引き千切るだけなのだが、噛み付いて仕留められない強敵に対しては自爆して倒すという恐ろしい攻撃もするぞ。攻撃を受けた場合も即死せずにダメージを受けて瀕死になると自爆してしまうから気をつけろよ」

「やなやつですね」

「ああ。しかしそれ以上に恐ろしいのは、自爆の連鎖が起きてしまった場合は興奮状態になり見境なく攻撃を始める事だ。そうなったらクイーンの攻撃停止フェロンモンが発せらレルまでコロニーが絶てしまおうが攻撃してくるぞ」

「無条件に攻撃してくるめちゃくちゃタチの悪い相手ってわけでもないんですね、でも自爆するなんて接近戦はできないじゃないですか」

「そうだな、武器からするとお前の戦い方は接近戦のようだから気をつけろ、小さな働き蟻が1匹爆発するだけで家が簡単に吹き飛ぶ程の威力があるからな、もし手足に噛み付かれたら切り落としてでも即座に逃げろ。
噛み付いてから爆発するまで10秒だ、躊躇するなよ、手足の一本二本はくれてやれ」

「わかりました、捕まらないようにします」

 冒険者達は休憩を入れながら進んでいるのだが、馬車を急がせても1時間に20キロ、アラバスタまで110キロもあるのでぶっ通しで走っても5時間、しかしそんなことをすれば馬が使い物にならなくなってしまうので当然休憩を入れながら走ることになる。

 月明かりの中、4時間ほど走るとやっとロアンナ村の入り口に辿り着いた。アラバスタまで半分以上距離が残っているが少し長い休憩を取ることにした。

「明日の朝にはアラバスタに奴らの先頭が到着するから、それまでにこっちが到着しないと防衛は厳しいな。
住民避難要員は早い馬に乗せて先に行かせるか」

住民避難要員を先に行かせた後、馬車の馬に水を飲ませて再び移動を開始した。
少しペースが遅くはなっていたがそれでもいいペースで進んでいると前から馬が走ってきた。
馬車を止め前から来る二頭の騎馬が止まると思って待っていたがそれらはスピードを上げて横を通り抜けて行った。

「なんだ、あいつら止まって状況ぐらい話していけばいいのに、慌て過ぎだ。俺はよく見えなかったがジンはどんなやつだったか見えたか」

 走り抜けていく馬にはそれぞれに一人ずつ騎乗しており、後ろの馬には何か袋に入れた獲物を載せていて包んだ布が濡れていた。

「後ろの奴が何か獲物を包んだ布袋を積んでいましたね。びっしょり濡れていてポタポタ何かが滴っていたからその辺にその液体が落ちていますよ」

「きったねーな」

「でもなんで獲物を抱えた奴がこの時間走っているんでしょうか?」

「さあな。ん? 匂うな」

異臭を感じたベルンハルトは馬車からおりると地面の何かを探し始めた。

「何をしているんですか?」

「お前も手伝え。今のやつが通り抜けた後、甘酸っぱい匂いがした。俺の勘違いならいいが、思っている通りだと大変なことになるぞ」

「何をすればいいんですか?」

「地面が濡れている場所がないか探してくれ、さっきのやつの液体を探してくれ」

馬車から降りて探し始めると地面が濡れて黒っぽくなっている場所が目についた。

「こっちにありました。多分これがそうだと思います」

ベルンハルトが地面のシミを手に取り匂いを確認する。

「まずいぞ、多分こいつはクイーンアントの体液だ。さっきのやつらラージカミカゼアントをクイーンの匂いで誘導してる」

「急いで追いましょう」

「お前じゃついてこれねえから俺一人で行く。お前は他の奴と一緒にアラバスタに向かえ」

 ベルンハルトはそう言い放つと、走って男達を追い始めた。
追てくるなと言われたがジンはベルンハルトの後を追った。ベルンハルトの走る速さが尋常でないのは身体強化系のスキルでも使っているのであろう。ジンは短距離転移して先回りすると、刀を抜いて騎馬が向かってくるのを待った。少し待っていると蹄の音が聞こえてきたので気配を消して刀を抜き、気を溜める。

「来い!」

向かってきた馬を居合で一気に切り倒して騎乗している者を捕まえようと思い騎馬の来る方を向いて鯉口を切って気合を入れた。

『スキル【威圧】を覚えました』

 切り倒そうと柄を持つ手に力を入れると同時に目の前に馬が転倒しその馬上から男が転がり落ちてきた。落馬した男たちが起き上がろろうとしたので即座に峰打ちでたたきふせ意識を刈り取った。
その直後、走ってくるベルンハルトが月明かりに照らされて見え始めたのでジンは姿を見られる前に転移したのであった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花
ファンタジー
 神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。  神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。 書籍8巻11月24日発売します。 漫画版2巻まで発売中。

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜

舞桜
ファンタジー
「初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎」  突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、 手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、 だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎  神々から貰った加護とスキルで“転生チート無双“  瞳は希少なオッドアイで顔は超絶美人、でも性格は・・・  転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?  だが、死亡する原因には不可解な点が…  数々の事件が巻き起こる中、神様に貰った加護と前世での知識で乗り越えて、 神々と家族からの溺愛され前世での心の傷を癒していくハートフルなストーリー?  様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、 目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“  そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪ *神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのか?のんびりできるといいね!(希望的観測っw) *投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい *この作品は“小説家になろう“にも掲載しています

生活魔法は万能です

浜柔
ファンタジー
 生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。  それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。  ――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。

なんでもアリな異世界は、なんだか楽しそうです!!

日向ぼっこ
ファンタジー
「異世界転生してみないか?」 見覚えのない部屋の中で神を自称する男は話を続ける。 神の暇つぶしに付き合う代わりに異世界チートしてみないか? ってことだよと。 特に悩むこともなくその話を受け入れたクロムは広大な草原の中で目を覚ます。 突如襲い掛かる魔物の群れに対してとっさに突き出した両手より光が輝き、この世界で生き抜くための力を自覚することとなる。 なんでもアリの世界として創造されたこの世界にて、様々な体験をすることとなる。 ・魔物に襲われている女の子との出会い ・勇者との出会い ・魔王との出会い ・他の転生者との出会い ・波長の合う仲間との出会い etc....... チート能力を駆使して異世界生活を楽しむ中、この世界の<異常性>に直面することとなる。 その時クロムは何を想い、何をするのか…… このお話は全てのキッカケとなった創造神の一言から始まることになる……

異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?

よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ! こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ! これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・ どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。 周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ? 俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ? それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ! よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・ え?俺様チート持ちだって?チートって何だ? @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

処理中です...