黒鍛冶が行く

夏夢唯

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アドリア王国編

2話 幼児洗礼とステータス

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 基礎魔法が使えるようになってから半年が過ぎ、先日1歳の誕生日を迎えた。
なんでも、この国では子供が1歳になると教会に行って幼児洗礼をする事になっているらしい。
ということで、1歳になった俺は今日教会に連れて行かれるそうだ。しばらく会っていなかったゴドー様にも会えるかもしれない。

(久しぶりにゴドー様と話が出来るといいな、ついでに今後の成果を確認できるように少しは成長しているはずの現状のステータスを教えてもらおう)

 初めて魔法が使えた日から毎日めんどくさい魔力の操作練習は続けている、どうして続けられているのかというと魔力が操作できる事が面白かったからだ。
実際のところ魔力はレベルが上がっていないので変わらなかったが、一人で毎日黙々と体内の魔力を身体中を巡らせたり掌に集めたり、薄く表面を覆うようにしたりして遊ぶことによって魔法操作の技術は向上していた。
初めは部屋の中で基礎魔法の練習していたのだが、だんだん物足りなくなり、夜な夜な飛翔で部屋を抜け出しては何の気配もない荒地で色々な魔法の練習をしていた。
練習自体が遊びになっていたので、人が嫌がる単純な反復練習も楽しくてしょうがなかった。
今朝も魔力操作の練習をしていると外から人が呼びにきた気配がした。
どうやら馬車の準備ができたようだ。
両親や執事とメイド数名の出発の準備が出来たので、マリーが俺を連れにきた。
俺を抱きかかえて馬車に乗り込み出発すると30分ほどで教会に着いた。
教会の姿はドイツにあるケルン大聖堂にそっくりでものすごく荘厳だ。
2つの塔をもつ建物は、この国最大の高さを誇り、東塔の512段の階段を上ると市街を一望できるほど高さだ。。
ゴシック建築の重厚な巨大建築物で装飾は見たものが圧倒される。
その教会の祭壇で今日の洗礼が行われるようだ。
洗礼を受けるのは俺の他は男の子1人と女の子1人の3人だった。
教会の周りに騎士や警備の兵が多いのは俺と一緒に洗礼を受ける王族がいるからであろう。
洗礼を受けるのは第3王子デイビス、王都一番の大商人の娘サリー、そして公爵家長男の俺だ。
洗礼が始まり俺の番になると目の前が真っ白になり意識は違う場所にいた。

「久しぶりじゃの、竜崎剛君、いや今はレオナルド君じゃったかな」

「お久しぶりです、ゴドー様」

「どうじゃな、こちらの世界には慣れたかな?」

「未だ赤ん坊なのでこの世界はそんなに見てないんですよ。
もう少し大きくなれば自由に行動できるようになるので楽しめると思います」

「未だ1歳そこらの赤ん坊にしてはあちらこちらに行っているようだが」

そう言ってニコリと笑いながら俺の方を見ている。

「夜な夜な飛翔で散歩しているのを見られてましたか」

「もちろんじゃ、可愛いお前さんの姿を見るのが毎日楽しみでの、儂の癒しタイムになっておるぞ。
ところでじゃ、儂や始神様がお前さんに渡したものを確認しておらんようじゃが、どうしてじゃ?」

「気がついたときには何も持っていませんでしたよ」

「しまったー!
アイテムボックスや他の説明を何もしとらんかったわい。
これは済まんことをした、まあ赤ん坊じゃ使う機会がないから問題なかったのだろうが、ステータスの確認方法ぐらいは教えておいた方が良かったの」

「自分でステータスの確認ってできるんですか?
それができるなら助かります」

「ステータスと念じてごらん、ステータス確認用の表示が出るはずじゃ。
それからお前さんには始神様からはアイテムボックスのスキルが与えられておる。
始神様のアイテムボックスは容量無制限で時間が止まっているから入れた物はいつまでも入れた状態で取り出せるようになっている。
アイテムボックスの中身は聞いておらんがお土産を入れておいたと仰っておったぞ、わしが送ったマジックポーチもアイテムボックスの中に入っておるはずじゃから初めて使う時は登録することを勧めるぞ。
登録しておけば他の者が中身を出すことができなくなるのでな。
所持者の登録は『レジストレーション』と唱えるだけじゃ。
大した物は入れておらんが、使えそうな物を入れておるから、そのうち役に立つじゃろう。
他に色々わからない事もあるじゃろうから、ナビゲーターとマップのスキルを付けてあげよう。
分からない事はナビゲーターに聞くと良い、マップとリンクさせる事ができるから使いこなせればすごく便利じゃぞ」

「マジックポーチやスキルまで戴けるなんて有難うございます。
まだ数年は使うことはないと思いますが、大事に使わせてもらいます」

「この世界を楽しむのじゃぞ、ではな」

ゴドー様の声を聞き終わると、目の前の景色が教会の祭壇の前に戻っていた。

洗礼が終わると、それぞれが馬車に乗って教会から帰路に着いた。

「アイーダ、やっと洗礼が済んだな」

「そうね、幼児洗礼が終わるとひと安心ね。
神様のご加護が戴けていると良いのですけど、どなたか確認できる方はいらっしゃいませんか?」

「鑑定か、来週宮廷魔道士のカーブが遊びに来ると言っていたから見てもらおう」

「来週のレオちゃんのお披露目パーティーの時ですね
この子が将来どんな職に就けるか、その適性も観れるのね、楽しみだわ」

「そうだな、この子は運動神経が良さそうだからきっと凄い剣士になれるぞ、あいつに頼んで剣術の家庭教師に来てもらおう」

「あらまあ、まだ歩き始めたばかりなんですから気が早すぎますよ」

「そうだな」
「「あははははは」」

 馬車が屋敷に着くとタヌキ寝入りをしていた俺はマリーに連れられ部屋のベッドに寝かされた。
寝たふりをしていたかというと、自分のステータスを早く見たかったからだ。
ゴドー様に教えられた通りに「ステータス」と念じると目の前に透明で小さなスクリーンが現れた。
小さすぎて文字が見にくい、どうにかできないかと考えているとナビゲーターのスキルをつけてもらったのを思い出して心の中で呼んでみた。

『ナビゲーター』

『初めまして、レオナルド様のサポートをさせていただきます最新タイプのナビゲーター・雅です」

『ナビゲーターって生きているの?』

『厳密に言えば生物ではありませんが、疑似人格は持っておりレオナルド様に従うように設定されています、ナビゲーターはスキル名ですので、私のオリジナルネームである雅《みやび》とお呼びください。
それから、私はレオナルド様のことをなんと呼べばよろしいですか?』

『雅か、俺のことはレオかマスターの呼びやすい方でいいよ。
とりあえず雅の能力と機能を教えて欲しい?』

『処理能力は2の64乗ビット量子コンピューターと同等です。
現在起働中の機能はマスターのサポート機能、この世界及びマスターのいた世界全てのデータベース機能、あらゆることに対する分析及び解析機能以上です。
その他の機能は必要に応じて説明しますので、細かい部分についてはその都度ご確認ください。』

『わかった。
雅は、随分高性能なんだね。
それでは、ステータスのスクリーンが見にくいのだけど、大きくできない?』

『スクリーンの拡大ですね、タブレットコンピューターのようにスクリーン上に2本の指を置いて指の間隔を広げるように動かすと拡大できます。
そのほかの操作もタブレットコンピューターと同様にできます。』

『あと、このスクリーンって他の人からはどう見えるの?』

『通常はステータスを開くとステータスボードが現れ周りから見えてしまいますがマスターのステータススクリーンは他の人からは全く見えません。
他の人と同じようにステータスボードを出す場合は偽装されたものが表示されます。』

目の前にあるスクリーンに触れるようにして2本の指を広げるとスクリーンが大きくなり掴んで位置を動かすこともできた。
大きくしたスクリーンを見ると、俺のステータスが表示されていて、内容を見るとツッコミどころ満載で、人に見られると大騒ぎになりそうな内容であった。

我ながらすごい内容で、他の人はどのくらいなのか知らないが魔力6012というのは絶対にまともな数値じゃないだろう。

【名前】     レオナルド・アストレア
【年齢】               1
【種族】           ヒューマン
【職種】                
【称号】            異世界人
【レベル】              1
【HP】  (体力)   183/183
【MP】  (魔力) 6012/6012
【STR】 (力)        205
【DEX】 (敏捷性)      230
【CON】 (体力)       210
【INT】 (知能)       531
【VIT】 (精神)       620
【LUC】 (運)         70
【状態】       正常
【魔法】       全属性
【スキル】      飛翔Lv1
           鑑定
           マップLv1
           状態異常耐性Lv5 
           心身異常耐性Lv5
【ユニークスキル】  偽装LvMAX
           アイテムボックス∞(状態保持可能)
           回復力強化Lv5 
           ナビゲーター
【加護】       始神の加護
           主神の加護

『雅《みやび》、これって鑑定で見られるとまずくないかな』

『マスターのステータスは一般の幼児のに比べて異常に数値が高く、その他ありえないようなスキルや加護が付いています。
表示を偽装しますか?』

『1歳児にふさわしいステータスにしてね』

『了解しました、このような状態に偽装しました。
カッコ内は鑑定や看破及びステータス表示器によって見ることは出来ません』


【名前】     レオナルド・アストレア
【年齢】               1
【種族】           ヒューマン
【職種】
【称号】
【レベル】              1
【HP】  (体力)     30/30(183/183)
【MP】  (魔力)     30/30(6012/6012)
【STR】 (力)         30(205)
【DEX】 (敏捷性)       35(230)
【CON】 (体力)        30(210)
【INT】 (知能)        40(531)
【VIT】 (精神)        35(620)
【LUC】 (運)         70
【状態】       正常
【魔法】       (全属性適正)
【スキル】      (飛翔Lv1・鑑定・マップLv1)
           (状態異常耐性Lv5・心身異常耐性Lv5)
【ユニークスキル】  (偽装LvMAX・アイテムボックス∞(状態保持))
           (回復力強化Lv5・ナビゲーター)
【加護】       主神の加護・(始神の加護)

『この偽装を見破ることが可能な者はいるの?
それと、主神の加護って付いていても大丈夫なのかな?』

『この偽装を見破ることが可能なのは始神様と主神ゴドー様の2名のみです。
その他のいかなる者も本当のステータスを見ることはできません。
何か残した方が良いのではないかと推測して残した主神ゴドー様の加護ですが、これまでに持って生まれた者は伝説の勇者・大賢者・そしてこの国を創設した賢王の3名のみですが、見えないようにしますか?』

『そうだね、やっぱりこれも見られないようにしておこう』

『見えないように偽装しました。』

『ありがとう、人にステータスを見られることはなさそうだな
あと、気になったのはマルチタッチスクリーンって何?』

『現在ステータスが表示されているスクリーンの事です。
同時に複数のスクリーンを任意の大きさで表示でき、スクリーンの向こう側が見えるように透過タイプにする事も可能です。
操作方法は地球上のタブレットPCを進化させ、私が並列処理する事によって当時に複数が表示できるようになった物とお考えください』

『そうなんだ、すごく便利だね』

ステータスを見ながらスクリーンの自動回復Lv5という文字に触れると小さなスクリーンがポップアップしてその中に説明が書かれていた。

回復力強化Lv5
HP及びMPが1秒間に5%回復する
現在は、1秒間にHP9、MP60回復します。

(ポップアップが出たが消し方がわからない。
タッチすると画面を消せる×マークがあるといいな)

そう思うと同時にナビゲーターの声がした。

『このような感じにしましたが、よろしいでしょうか?
×マークを押さなくても消そうと意識すれば消すことができますので、使いやすい方法をご使用くださ』

ポップアップ画面の左上に×マークが追加されていたので、それをタッチするとポッップアップ画面が消えた。
ステータス画面の左上にも追加されていたのでこれも同じなのだろうと思いタッチするとステータス画面も消えてしまった。

(とりあえず人から見えるステータスも偽装したし、ステータスはこの辺でいいかな)

自分のステータスを確認できたし、他の人から見られても問題ないように偽装もできたので満足してこれ以上ステータスを見る事はせず、この世界のことを雅《みやび》に聞く事にした。

『ミヤビ、僕のいるこの国の事とこの星のことを教えて』

『まずはこの星はエンデと呼ばれています。
4つの大陸がありマスターのいるこの大陸の名前はゴンドア大陸、他にエイムズ大陸・アデリア大陸、それから人が住むことができない環境の暗黒大陸です。
この国はアドリア王国はゴンドア大陸の中央南側に位置しており、人口は433万人・国土は約376万㎢です。
接する国はグスタフ帝国・スウィード王国・シャモニール王国・レパード王国の4カ国で、グスタフ帝国とは国境で紛争を繰り返しています。
お父様のジェームス・マリノ・アストレア様は公爵の地位にあり、領地は王都の南側の温暖な地です。
国王ロナルド・アドリア・アストレア様はジェームス様の叔父にあたり、王子は従兄弟になります。
ジェームス様のお父様は6年前のグスタフ帝国との戦争で戦死され、妻のマリーヌ様は領地でご健在です。
アイダ様のお父様はジョージ・リミニ・リビエール辺境伯で奥様はジーン様、西北のリミニ領を任されています。
以上、簡単ですがこの国とご両親の情報です
もし確認したいのであれば、世界地図を表示いたしましょうか?』

『世界地図が見れるのなら見たい』

『スクリーンに表示します』

目の前に50インチ位のスクリーンが現れ、世界地図表示されていた。
アドリア王国を探すと大陸の中央南側にあり海に面した大きな国だった。

『大きな国だね、こんなに大きいのに約433万人しかいないんだ』

人口密度で考えるとオーストラリアの半分以下、1キロ四方の中にほぼ一人だ。
ちなみに新宿区の18628人に比べていかに人が少ないかお分かりであろう。

現在自分がいる場所がわかったので横になってマップの縮尺を広げたり小さくしたりして遊んでいるうちに、赤ん坊ということもあっていつの間にか眠りについていたのであった。
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