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アドリア王国編
10話 箱と小袋
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今日はノワールと一緒に森の散歩だ。
コソコソしなくても良くなったが、今日は俺の後ろから付いてくる気配があった。
ノワールの背中に乗った門を抜け、そのまま森の中に入ると全速力でノワールを走らせた。
多分護衛の騎士だろうと思うが、知らなかったことにしてそのまま置き去りにしてコテージがある湖に向かった。
(付いて来られると練習ができないから仕方がないよね)
お母さんの話では、ここはエルザお祖母様のお気に入りのコテージで、僕が生まれるまでは夏の間はお供を連れて避暑に来ていたらしい。ここ数年は誰も来ていない様子で雑草は生え放題でコテージの外壁には苔が生えていた。
今日は魔法の練習がてら周囲の雑草駆除とコテージのクリーニングだ。
先ずはウィンドカッターで草を根元から切り倒して、ディグで穴を掘り、切り倒した雑草をウィンドで穴に集めてファイアで火をつけて燃やした。
周りの木も大きくなりすぎてコテージに覆いかぶさっているものは切り倒して燃やした。
大量に燃やしているとたくさんの煙がで始めたので慌てて立ち上がる煙を吹き飛ばしているとストーム(突風を作り出し吹き飛ばす)を使えるようになった。
練習している時はなかなか新しい魔法を覚えられないのに、切羽詰まるとなぜか新しい魔法を使えるようになる。火事場の馬鹿力みたいなものだろう。雑草の根を放っておくとすぐに生えてくるので魔法で掘り返して整地していると、雑草や木が燃え尽きたのを確認するとウォーターで残り火を消化してカバーで穴を埋めて元のように平らに戻した。
コテージはどうしようか色々考えてみたが、他にいい方法を思いつかないのでクリーンを使うと、くすんでいた外壁や苔が生えていた場所も新築のように綺麗になった。
さすが生活魔法、ちなみにクリーンは聖属性の魔法に分類されると雅《みやび》が教えてくれた。
コテージが綺麗になったので休憩していると遠くにノワールの気配がしたのでその方向を見ていると大きな何かを咥えてこっちに向かって来ていた。
「ガサガサガサ、ザザザザー」
咥えているというより確実に引きずって来る音がする。
近くまで来るとと、獲物の正体がわかった。
3メートル近いヒグマだ、ジェームスの真似をして目を開けて見たが赤くないので魔獣ではないようだ、念のため鑑定して見たが魔獣ではなくレッドベアと書いてあった。
「ノワール、すごいね~」
頭をゴシゴシ撫でてやるととても嬉しそうだ。
(しかし、困ったぞ。小動物なら血抜きできるけど、こんなに大きいと手に負えない)
『雅、何かいい方法ないかな?』
『アイテムボックスに入れて状態維持の設定をすれば腐る事がありませんのでお薦めします』
『アイテムボックスか、使った事ないんだよね
雅《みやび》、使い方を教えて』
『慣れれば出し入れを意識すればできるようになりますが、慣れない間はストレージウィンドウを使えば出し入れできます。
ストレージウィンドウの右側に透明な部分ありますのでその部分の中に見えるターゲットをタッチすると、名前が出ますので名前の下の○をタッチすれば収納され、×をタッチすればキャンセルされます。
収納されるとストレージウィンドウに名前が表示され、確認したり状態維持の設定ができたりします。
大量に同じ物があると場合や一纏めにしたい物がある場合はストレージウィンドウを二本指でダブルクリックすることでフォルダーを作成でき、分類できます』
(ストレージウィンドウ)
目の前にウィンドウが開いたので右側の透明な部分からレッドベアを見ながらタッチすると画面上にレッドベアと表示されたので○にタッチすると地面の上からレッドベアが消えた。
ストレージウィンドウを見るとそこには[G]と書かれたフォルダーと〈マジックポーチ〉、それと〈レッドベア〉の2つの名前が書かれていた。
『アイテムボックスとマジックポーチどっちが騒ぎになるだろう』
『アイテムボックスは固有スキルなので人に知られない方が良いと思われます』
『マジックポーチって他にも持っている人はたくさんいるの?』
『マジックポーチは材料が揃えば作成可能なアイテムですので、たくさん存在します。
ただ、主神様に頂いたマジックポーチも容量が200m×200m×200mと、とても大きく状態維持の効果があります、このような物は他にありません』
『ということは、このポーチも非常識な物なんだ』
『はい、常識ではありえない容量です』
『やっぱり、神様に自重って言葉はないのね』
『このポーチでも自重して作られています、始神様に頂いた固有スキルのアイテムボックスでさえ神の使用するアイテムボックスの能力の1%にも達しません』
『わかった、アイテムボックスよりマジックポーチの方が騒ぎにならないんだね。
移し替えておこう。アイテムボックスから取り出す方法は?』
『取り出す方法は慣れれば意識することによって自由に取り出せるようになりますが、ストレージウィンドウでも取り出せます。
左のアイテム欄から右のウィンドウにドラッグ・ドロップすればウィンドウの中に見えた場所に取り出せます』
説明を聞くと早速マジックポーチを取り出した。
拾い上げて中を見ると、濃い霧のような物しか見えないので手を入れると、中に何が入っているのか頭の中に入って来た。
不思議なパン屋の袋
精霊の水筒
フィールドラビットの肉×5
結界石×3
魔石(大)×3
4級ポーション×5
3級ポーション×5
2級ポーション×5
中級キュアポーション×5
刀 ショートソード ダガー
スモールシールド
レザーブーツ
レザーパンツ
レザーシャツ
レザーグローブ
サンダル
精霊樹の苗×5
世界樹の種×3
花の種セット
薬草の種セット
多くの物が入っていたが、すぐに使えそうなものはないなさそうだったので、先ず所有者の登録をすることにした。
「レジストレーション」
ポーチが光に包まれたがすぐに元に戻った。
よくわからないが登録できたようだ。
次にアイテムボックスの中に入れたレッドベアを取り出し、ポーチの中に移し替えた。
それと入れ替えにアイテムボックスのストレージウィンドウで新しくポーチというフォルダーを作ってその中にポーチの中に入っていた物を全部放り込んだ。
(ごちゃ混ぜだけど、今度暇な時に整理しよう)
なんとかレッドベアの処理の問題が片付いたので、少し早いが屋敷に戻ることにした。
「ノワール、屋敷に帰るよ」
「ガウ」
ノワールは返事をすると僕が乗りやすいようにお座りのポーズをした。
背中に覆いかぶさり首に抱きつくとノワールは立ち上がり屋敷に向かって走り始めた。
ものすごい速さで走っていると前方に朝ついて来ていた人の気配がした。
「ノワール、スピードを落として」
(やっぱり騎士隊の人だ)
騎士隊員の横まで来たのでノワールの背中の上から挨拶をする
「こんにちは、僕はこれから屋敷に帰ります門の戸締りをお願いしていいですか?」
「こんにちは、門はおじさんが閉めておくから気をつけてお帰り」
「お願いします」
そう言ってノワールの背中に伏せて首に抱きついくと、それを合図にノワールは走り始め一気に加速した。
コテージからフォレストゲートまで3分、フォレストゲートからは少しスピードを落とすのでフォレストゲートから家まで9分、馬でも15分かかるところをノワールは僕を背中に乗せて12分で家まで帰り着く事ができるのだから、その速さは尋常ではない。
屋敷に着くと調理場の外の解体スペースにマジックポーチからレッドベアを出して屋敷に入った。
応接室にお父さんがいなかったので執務室を覗きに行くとその姿を見つけた
「ただいま~
お父さん、今お話しできる?」
「お帰り、レオ
今日の仕事は住んでいるから大丈夫だよ」
「森でノワールがくまさんを捕まえたから持って帰ったから見て見てー」
ノエルが猪を捕まえたことがあったのでまさかと思ったが、どうせ子熊か何かだと思いながらジェームスはレオナルドに連れられて解体場にやって来た。
中に入るとそこには3メートルもあるレッドベアの姿があった。
「うわっ、レッドベアじゃないか、それも大人のレッドベアじゃないか。
ノワールが捕まえたのか、偉いぞ。
お前たちがいるから安心してレオナルドを遊びに行かせることができる。
これからも頼むぞ」
「ガウ」
ジェームスはノワールの頭を撫でてあげた後、調理室のコックを呼び出してレッドベアの解体をお願いした。
コックは滅多に出ない新鮮なレッドベアの肉をとても喜んでいた。
とてもジューシーで高級料理店などでは在庫を切らさないように冒険者ギルドに定期的に食材発注を出しているほどだ。
「レオナルド、明日から剣と魔法をレオナルドに教えてくれる先生が来るから頑張るんだよ。
先生に合格をもらえれば狩に行くのを許可してあげよう。
それまでは狩は禁止だからね、いいかい」
「わかったー。
先生が狩をしても良いよって言ってくれるように頑張る」
「よし、じゃあご飯の前にお風呂に入っておいで。
ノワールも洗ってあげるんだよ」
「はーい」
お風呂好きのノワールをお風呂場に連れて行き、枯れ木や泥汚れを落としてお風呂に入れてあげると目を細めて気持ち良さそうにしている。
ノワールもノエルもクリーンで綺麗にされるより一緒にお風呂に入って洗ってもらう方がお気に入りのようだ。
洗ってあげた後に湯船に浸かっている姿を見ると、まるでおじいさんが微睡んでいるようにも見えて面白い。
僕は自分の事は自分でしたいのだがマリーが
「なりません、高貴なお方は石鹸で洗って良い香りを纏わなければならないのです」
とか
「それは私の仕事なので私が洗って差し上げます」
と言って引かないので仕方なしに洗って貰っている。
(マリーさん、あなたの嗜好が入って居ませんかー)
直接言ってあげたいが、「えへへへ」とか言って誤魔化されるのが落ちなので言ってない。
僕は服を着た後、ノワールにドライをかけて適度に乾燥させてそのままダイニングに向かった。
コソコソしなくても良くなったが、今日は俺の後ろから付いてくる気配があった。
ノワールの背中に乗った門を抜け、そのまま森の中に入ると全速力でノワールを走らせた。
多分護衛の騎士だろうと思うが、知らなかったことにしてそのまま置き去りにしてコテージがある湖に向かった。
(付いて来られると練習ができないから仕方がないよね)
お母さんの話では、ここはエルザお祖母様のお気に入りのコテージで、僕が生まれるまでは夏の間はお供を連れて避暑に来ていたらしい。ここ数年は誰も来ていない様子で雑草は生え放題でコテージの外壁には苔が生えていた。
今日は魔法の練習がてら周囲の雑草駆除とコテージのクリーニングだ。
先ずはウィンドカッターで草を根元から切り倒して、ディグで穴を掘り、切り倒した雑草をウィンドで穴に集めてファイアで火をつけて燃やした。
周りの木も大きくなりすぎてコテージに覆いかぶさっているものは切り倒して燃やした。
大量に燃やしているとたくさんの煙がで始めたので慌てて立ち上がる煙を吹き飛ばしているとストーム(突風を作り出し吹き飛ばす)を使えるようになった。
練習している時はなかなか新しい魔法を覚えられないのに、切羽詰まるとなぜか新しい魔法を使えるようになる。火事場の馬鹿力みたいなものだろう。雑草の根を放っておくとすぐに生えてくるので魔法で掘り返して整地していると、雑草や木が燃え尽きたのを確認するとウォーターで残り火を消化してカバーで穴を埋めて元のように平らに戻した。
コテージはどうしようか色々考えてみたが、他にいい方法を思いつかないのでクリーンを使うと、くすんでいた外壁や苔が生えていた場所も新築のように綺麗になった。
さすが生活魔法、ちなみにクリーンは聖属性の魔法に分類されると雅《みやび》が教えてくれた。
コテージが綺麗になったので休憩していると遠くにノワールの気配がしたのでその方向を見ていると大きな何かを咥えてこっちに向かって来ていた。
「ガサガサガサ、ザザザザー」
咥えているというより確実に引きずって来る音がする。
近くまで来るとと、獲物の正体がわかった。
3メートル近いヒグマだ、ジェームスの真似をして目を開けて見たが赤くないので魔獣ではないようだ、念のため鑑定して見たが魔獣ではなくレッドベアと書いてあった。
「ノワール、すごいね~」
頭をゴシゴシ撫でてやるととても嬉しそうだ。
(しかし、困ったぞ。小動物なら血抜きできるけど、こんなに大きいと手に負えない)
『雅、何かいい方法ないかな?』
『アイテムボックスに入れて状態維持の設定をすれば腐る事がありませんのでお薦めします』
『アイテムボックスか、使った事ないんだよね
雅《みやび》、使い方を教えて』
『慣れれば出し入れを意識すればできるようになりますが、慣れない間はストレージウィンドウを使えば出し入れできます。
ストレージウィンドウの右側に透明な部分ありますのでその部分の中に見えるターゲットをタッチすると、名前が出ますので名前の下の○をタッチすれば収納され、×をタッチすればキャンセルされます。
収納されるとストレージウィンドウに名前が表示され、確認したり状態維持の設定ができたりします。
大量に同じ物があると場合や一纏めにしたい物がある場合はストレージウィンドウを二本指でダブルクリックすることでフォルダーを作成でき、分類できます』
(ストレージウィンドウ)
目の前にウィンドウが開いたので右側の透明な部分からレッドベアを見ながらタッチすると画面上にレッドベアと表示されたので○にタッチすると地面の上からレッドベアが消えた。
ストレージウィンドウを見るとそこには[G]と書かれたフォルダーと〈マジックポーチ〉、それと〈レッドベア〉の2つの名前が書かれていた。
『アイテムボックスとマジックポーチどっちが騒ぎになるだろう』
『アイテムボックスは固有スキルなので人に知られない方が良いと思われます』
『マジックポーチって他にも持っている人はたくさんいるの?』
『マジックポーチは材料が揃えば作成可能なアイテムですので、たくさん存在します。
ただ、主神様に頂いたマジックポーチも容量が200m×200m×200mと、とても大きく状態維持の効果があります、このような物は他にありません』
『ということは、このポーチも非常識な物なんだ』
『はい、常識ではありえない容量です』
『やっぱり、神様に自重って言葉はないのね』
『このポーチでも自重して作られています、始神様に頂いた固有スキルのアイテムボックスでさえ神の使用するアイテムボックスの能力の1%にも達しません』
『わかった、アイテムボックスよりマジックポーチの方が騒ぎにならないんだね。
移し替えておこう。アイテムボックスから取り出す方法は?』
『取り出す方法は慣れれば意識することによって自由に取り出せるようになりますが、ストレージウィンドウでも取り出せます。
左のアイテム欄から右のウィンドウにドラッグ・ドロップすればウィンドウの中に見えた場所に取り出せます』
説明を聞くと早速マジックポーチを取り出した。
拾い上げて中を見ると、濃い霧のような物しか見えないので手を入れると、中に何が入っているのか頭の中に入って来た。
不思議なパン屋の袋
精霊の水筒
フィールドラビットの肉×5
結界石×3
魔石(大)×3
4級ポーション×5
3級ポーション×5
2級ポーション×5
中級キュアポーション×5
刀 ショートソード ダガー
スモールシールド
レザーブーツ
レザーパンツ
レザーシャツ
レザーグローブ
サンダル
精霊樹の苗×5
世界樹の種×3
花の種セット
薬草の種セット
多くの物が入っていたが、すぐに使えそうなものはないなさそうだったので、先ず所有者の登録をすることにした。
「レジストレーション」
ポーチが光に包まれたがすぐに元に戻った。
よくわからないが登録できたようだ。
次にアイテムボックスの中に入れたレッドベアを取り出し、ポーチの中に移し替えた。
それと入れ替えにアイテムボックスのストレージウィンドウで新しくポーチというフォルダーを作ってその中にポーチの中に入っていた物を全部放り込んだ。
(ごちゃ混ぜだけど、今度暇な時に整理しよう)
なんとかレッドベアの処理の問題が片付いたので、少し早いが屋敷に戻ることにした。
「ノワール、屋敷に帰るよ」
「ガウ」
ノワールは返事をすると僕が乗りやすいようにお座りのポーズをした。
背中に覆いかぶさり首に抱きつくとノワールは立ち上がり屋敷に向かって走り始めた。
ものすごい速さで走っていると前方に朝ついて来ていた人の気配がした。
「ノワール、スピードを落として」
(やっぱり騎士隊の人だ)
騎士隊員の横まで来たのでノワールの背中の上から挨拶をする
「こんにちは、僕はこれから屋敷に帰ります門の戸締りをお願いしていいですか?」
「こんにちは、門はおじさんが閉めておくから気をつけてお帰り」
「お願いします」
そう言ってノワールの背中に伏せて首に抱きついくと、それを合図にノワールは走り始め一気に加速した。
コテージからフォレストゲートまで3分、フォレストゲートからは少しスピードを落とすのでフォレストゲートから家まで9分、馬でも15分かかるところをノワールは僕を背中に乗せて12分で家まで帰り着く事ができるのだから、その速さは尋常ではない。
屋敷に着くと調理場の外の解体スペースにマジックポーチからレッドベアを出して屋敷に入った。
応接室にお父さんがいなかったので執務室を覗きに行くとその姿を見つけた
「ただいま~
お父さん、今お話しできる?」
「お帰り、レオ
今日の仕事は住んでいるから大丈夫だよ」
「森でノワールがくまさんを捕まえたから持って帰ったから見て見てー」
ノエルが猪を捕まえたことがあったのでまさかと思ったが、どうせ子熊か何かだと思いながらジェームスはレオナルドに連れられて解体場にやって来た。
中に入るとそこには3メートルもあるレッドベアの姿があった。
「うわっ、レッドベアじゃないか、それも大人のレッドベアじゃないか。
ノワールが捕まえたのか、偉いぞ。
お前たちがいるから安心してレオナルドを遊びに行かせることができる。
これからも頼むぞ」
「ガウ」
ジェームスはノワールの頭を撫でてあげた後、調理室のコックを呼び出してレッドベアの解体をお願いした。
コックは滅多に出ない新鮮なレッドベアの肉をとても喜んでいた。
とてもジューシーで高級料理店などでは在庫を切らさないように冒険者ギルドに定期的に食材発注を出しているほどだ。
「レオナルド、明日から剣と魔法をレオナルドに教えてくれる先生が来るから頑張るんだよ。
先生に合格をもらえれば狩に行くのを許可してあげよう。
それまでは狩は禁止だからね、いいかい」
「わかったー。
先生が狩をしても良いよって言ってくれるように頑張る」
「よし、じゃあご飯の前にお風呂に入っておいで。
ノワールも洗ってあげるんだよ」
「はーい」
お風呂好きのノワールをお風呂場に連れて行き、枯れ木や泥汚れを落としてお風呂に入れてあげると目を細めて気持ち良さそうにしている。
ノワールもノエルもクリーンで綺麗にされるより一緒にお風呂に入って洗ってもらう方がお気に入りのようだ。
洗ってあげた後に湯船に浸かっている姿を見ると、まるでおじいさんが微睡んでいるようにも見えて面白い。
僕は自分の事は自分でしたいのだがマリーが
「なりません、高貴なお方は石鹸で洗って良い香りを纏わなければならないのです」
とか
「それは私の仕事なので私が洗って差し上げます」
と言って引かないので仕方なしに洗って貰っている。
(マリーさん、あなたの嗜好が入って居ませんかー)
直接言ってあげたいが、「えへへへ」とか言って誤魔化されるのが落ちなので言ってない。
僕は服を着た後、ノワールにドライをかけて適度に乾燥させてそのままダイニングに向かった。
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