49 / 50
旅人は
49.横取り総取りを狙う男、横から割り込む女
しおりを挟む
サンジェルマンとカリオストロのやり取りを見ていると、まるでゲームを下りる、下りないを言い争っているように見えなくもない。
「サンジェルマンさん・・」
外野の分際でありながら二人の会話に口を挟むべきでは無いと承知しつつも、昌樹にはどうしても訊ねねばならない疑問があった。
「何?探偵さん」
サンジェルマンが振り向く。
「だったら、どうして俺に"悪魔の匣を守らせたんですか?誰にも渡したくないから俺に依頼してきたんじゃないんですか?」
昌樹の問いに、サンジェルマンは柔らかい笑みを向けた。
「あの匣を守るべき相手は彼、カリオストロからではなく、あくまでも教会の人間たちからよ。彼らは匣を”奇跡”の一つとして利用しようと企んだ。ふふっ、滑稽よね。神を崇める彼ら自身が神の領域を冒す"不死”を求めたのですもの」
確かに滑稽だ。
そういえば、教会の手先であるレインも、そのような事をこぼしていたな。
神の領域とは、サンジェルマンたちによって、果たして冒されきたのだろうか?
人知れず続けられていた命のバトンリレーではあるが、それを証明する術は誰も持ち合わせてはいない。
幾多の時代に姿を現し、決して人前では飲食しなかったと言う、謎の人物サンジェルマン。
それも、本人が名乗ったからであって、誰も顔を覚えていた訳じゃない。
写真でさえ、以前に見せてもらった事はあったけど、あれほどまでに不鮮明だと本人と特定するのは難しい。
「やめろ、サンジェルマン!」
継代ホムンクルスとマンドレイクを奪った張本人でありながら、カリオストロはサンジェルマンの選択を否定し、思い直しを求めた。
「だったら、全部をサンジェルマンに返せよ」
「できるかよ!今さら」
昌樹はつい横から口を挟んでみたものの、やはり即拒否されてしまった。
「あながち、サンジェルマンの判断は正しいかもよ」
突然の、聞き覚えのある男性の声に、昌樹は思わず声の方へと向いた。
「エグリゴリ!」
「ちょっと視線が高いよ。探偵さん」
やはり、視線はエグリゴリのさみしい頭頂部へと向いてしまう。不覚にも。
「どうしてアンタがここに?」
昌樹が視線を戻してエグリゴリに訊ねた。
「レインの衣服に盗聴器を仕込ませてもらっていたのでね。それと」
エグリゴリはサンジェルマンへと向いた。
「お初にお目に掛かります、サンジェルマン伯爵」
丁寧に頭を下げて挨拶をすると。
「いわゆるステルス能力が、随分とくたびれてきているせいでしょうな。貴方様にこうしてお目にかかれるようになったのも」
エグリゴリに図星を突かれて、サンジェルマンはやや目を細めた。
「ステルス能力?」
「エレメンツの能力みたいなものさね。顔を覚えられない、隠れ蓑のような能力を常に展開させていたから、今まで誰にも追跡されなかった。不思議な事に、写真や映像にもハッキリと映らない便利能力だったのに、年を取ると弱まってくるんだよ」
昌樹の疑問にカリオストロが答えてくれた。
「ちなみに探偵さんに見つかったのは、貴方の特殊能力といったところかしら。声を掛けられたあの時ほど驚いた事は今まで無かった」
それほどまでに精巧な能力だったのかと、昌樹はただただ感心するだけ。
「しかし恐れ入ったわ。盗聴器ごときで貴方たち教会の者に見つかってしまうなんて。もう、私の力は、いえ、私の命はこれまでのようね」
諦めたかのように、サンジェルマンはゆっくりと首を横に振る。
「では、皆々様方、大人しく匣とマンドレイクを私に渡して頂けますかな?」
エグリゴリが両手を広げて皆に告げた。
「とことんメデタイ男だね。このハゲは。アタシを怒らせるとどうなるか、その体に教えてやろうかね!」
カリオストロが杖から抜剣!
周囲の人々の視線を一身に浴びた。
と、同事に周囲に潜んでいた黒パーカーをまとった者たちが一斉に姿を現した。
その中の1人がパーカーのフードを払うと、何と!スノーではないか。
久し振りに顔を合わすスノー。
エイジの”白銀の刃”によって鉄のフィーエを失い、同事に人生の4分の一をも失ってしまった彼が、どうしてこの場にいるのか?
その答えは直ぐに出た。
以前とは、明らかに小型化した鉄のフィーエを体の中から出現させたのだ。
と、周囲を取り囲む黒パーカーの者たちも、それぞれ顔を露わにすると自らのエレメンツを出現させた。
その数、5人。
「フォグさぁ、僕を含めて何とか5人揃えたよ」
これまでモンキーエレメンツを出現させた者は、ことごとくレインによって始末されてきたが、彼女の知り得ない所でフォグはその数を増やしていたのだった。
手下のスノーを使って。
仕込み杖から剣を引き抜いた老婆と。
それを取り囲む5人の黒パーカーをまとった者たち。そして異形のエレメンツたち。
パァン!
フォグが天空へと向けて発砲したピストルの銃声に、周囲の人々は恐怖に駆られて散り散りにその場から立ち去って行った。
「無観客試合という事で」
おどけたようエグリゴリ(フォグ)がサンジェルマンたちに告げた。
「お心遣い、感謝の至りと言えばよろしいかしら。で?」
「素直にこちらの要求を聞き入れて下されば、痛い目には遭わずに済みます」
月並みのやり取りを、ただ眺めている場合ではない。
昌樹も携帯警棒を取り出してサンジェルマンを守る。その背中をエイジに任せる。
「エグリゴリ、不死を求めているのは教会のお偉さんなのだろう。そんな個人の欲望のために組織掛かってタブーとされている神の領域に踏み込む悪行に加担する事を、アンタ自身は嫌悪感を抱かないのか?」
フォグの良心に訴えかけるも。
「探偵くんの言う通り、老人のわがままに付き合わされるのは正直願い下げなんだけどね、何分、報酬が破格なんでね。乗らない手は無いだろう?」
要は金に目がくらんだワケだ。
解り易いヤツだ。
「私の協力者も皆同じ意見でね。いわゆる利害一致というヤツさ」
利はあっても害は無いくせに。
単に金に目がくらんだだけの連中に、語る正義は無い。
「全員、この場でブチのめすよ!」
カリオストロの意見に賛成だ。
が、ここは日本。
どんな相手であっても殺人を犯してはならない。
だったら。
「エイジ、片っ端からコイツらのエレメンツを叩きのめしてやれ!人生の4分の1を奪ってしまおうが構う事は無い。金と引き換えに捨てたんだと見なせば良い!」
昌樹の中の罪悪感は、見事に吹っ切れていた。
不死という命の理から外れたものを得るために、人としての道徳を外れてはいけない。相応の報いを受けたとしても、それは自業自得だ。
「その意見には賛成ね」
銃声が鳴り、フォグの手からピストルが弾き飛ばされた。
「レイン!それにナンブ」
突如現れた現れたレインが手にする拳銃からは硝煙が立ち上っていた。
あれほど乗り気で無かったくせに、レインとナンブが駆け付けて来てくれたのだ。
「まったく、性懲りも無く、またモンキーエレメンツを量産してくれるなんて」
呆れてため息を漏らす。
「この場はお金で言う事を聞いてくれるかもしれないけど、コイツらエレメンツの能力をゼッタイに悪用するに決まっているわ。アレが世に知れたら、教会の立場が悪くなるって、どうして分らないのかしらね?」
文句を垂れつつ、片っ端から黒パーカーの連中の脚を撃ち抜いてゆく。
さすがにエレメンツを従えたところで銃器には敵わない。
それを分っていてフォグはピストルを持ち出したのだが、逆にレインによって制裁を受けてしまった。
その中でフィーエだけはその防御力で宿主のスノーを守り切った。
相変わらず、その防御力には脱帽する。
「ナンブ!」
レインがナンブにフィーエを任せようと声を掛けた、その時、エイジが2人の間に割って入った。
「ここでディープステッチャーを使わせる訳にはいかない」
静かに告げると、フィーエ目がけて真っ直ぐに突っ込んでゆく。
「お言葉ですが、Ag。私が16分の1ごときに遅れを取るとでも?奥の手を使うまでもありません」
そんなエイジを追い抜くとナンブはフィーエの左側へとスルリと回り込み、繰り出された鉄の鎌を、身をかがめて難なくかわしながら脇腹へ拳を叩き込んだ。
「やはり4分の1の、さらに4分の1。能力全てが低下している」
分析報告をするかのように呟くと視線をエイジへと向けた。
そのエイジは。
高い跳躍から、フィーエの右肩へと"白銀の刃”、白銀に輝く右脚のかかと落としを炸裂させた。
瞬時にして光と化すFeのフィーエ。
エレメンツを分子レベルで崩壊させるエイジの必殺技が今、見ている者すべてが見惚れるほど鮮やかに決まった。
「な、何をやっている!?キミたち。彼らの好きにさせるな!」
フォグが黒パーカーの連中に命令するも、スノーを覗いた全員が無様にも敵に背を向けて逃走していた。
やはり飛び道具には敵わないわな。
皆、脚を撃ち抜かれて、やっと命の重さを思い知った事だろう。
この場合、彼らを意気地無しと笑ってやっては可哀相だな。
「さて、エグリゴリ。アンタはどうする?」
警棒の先を突き付けて、昌樹がフォグに問う。
「横から割り込んで申し訳ないけど、”エグリゴリ”は私たちの部隊名であって、彼はフォグという名のハゲオヤジよ」
本当に、このデカ女という女だけは話の流れを変な所で止めてくれる。
つくづく呆れる女だ。
「サンジェルマンさん・・」
外野の分際でありながら二人の会話に口を挟むべきでは無いと承知しつつも、昌樹にはどうしても訊ねねばならない疑問があった。
「何?探偵さん」
サンジェルマンが振り向く。
「だったら、どうして俺に"悪魔の匣を守らせたんですか?誰にも渡したくないから俺に依頼してきたんじゃないんですか?」
昌樹の問いに、サンジェルマンは柔らかい笑みを向けた。
「あの匣を守るべき相手は彼、カリオストロからではなく、あくまでも教会の人間たちからよ。彼らは匣を”奇跡”の一つとして利用しようと企んだ。ふふっ、滑稽よね。神を崇める彼ら自身が神の領域を冒す"不死”を求めたのですもの」
確かに滑稽だ。
そういえば、教会の手先であるレインも、そのような事をこぼしていたな。
神の領域とは、サンジェルマンたちによって、果たして冒されきたのだろうか?
人知れず続けられていた命のバトンリレーではあるが、それを証明する術は誰も持ち合わせてはいない。
幾多の時代に姿を現し、決して人前では飲食しなかったと言う、謎の人物サンジェルマン。
それも、本人が名乗ったからであって、誰も顔を覚えていた訳じゃない。
写真でさえ、以前に見せてもらった事はあったけど、あれほどまでに不鮮明だと本人と特定するのは難しい。
「やめろ、サンジェルマン!」
継代ホムンクルスとマンドレイクを奪った張本人でありながら、カリオストロはサンジェルマンの選択を否定し、思い直しを求めた。
「だったら、全部をサンジェルマンに返せよ」
「できるかよ!今さら」
昌樹はつい横から口を挟んでみたものの、やはり即拒否されてしまった。
「あながち、サンジェルマンの判断は正しいかもよ」
突然の、聞き覚えのある男性の声に、昌樹は思わず声の方へと向いた。
「エグリゴリ!」
「ちょっと視線が高いよ。探偵さん」
やはり、視線はエグリゴリのさみしい頭頂部へと向いてしまう。不覚にも。
「どうしてアンタがここに?」
昌樹が視線を戻してエグリゴリに訊ねた。
「レインの衣服に盗聴器を仕込ませてもらっていたのでね。それと」
エグリゴリはサンジェルマンへと向いた。
「お初にお目に掛かります、サンジェルマン伯爵」
丁寧に頭を下げて挨拶をすると。
「いわゆるステルス能力が、随分とくたびれてきているせいでしょうな。貴方様にこうしてお目にかかれるようになったのも」
エグリゴリに図星を突かれて、サンジェルマンはやや目を細めた。
「ステルス能力?」
「エレメンツの能力みたいなものさね。顔を覚えられない、隠れ蓑のような能力を常に展開させていたから、今まで誰にも追跡されなかった。不思議な事に、写真や映像にもハッキリと映らない便利能力だったのに、年を取ると弱まってくるんだよ」
昌樹の疑問にカリオストロが答えてくれた。
「ちなみに探偵さんに見つかったのは、貴方の特殊能力といったところかしら。声を掛けられたあの時ほど驚いた事は今まで無かった」
それほどまでに精巧な能力だったのかと、昌樹はただただ感心するだけ。
「しかし恐れ入ったわ。盗聴器ごときで貴方たち教会の者に見つかってしまうなんて。もう、私の力は、いえ、私の命はこれまでのようね」
諦めたかのように、サンジェルマンはゆっくりと首を横に振る。
「では、皆々様方、大人しく匣とマンドレイクを私に渡して頂けますかな?」
エグリゴリが両手を広げて皆に告げた。
「とことんメデタイ男だね。このハゲは。アタシを怒らせるとどうなるか、その体に教えてやろうかね!」
カリオストロが杖から抜剣!
周囲の人々の視線を一身に浴びた。
と、同事に周囲に潜んでいた黒パーカーをまとった者たちが一斉に姿を現した。
その中の1人がパーカーのフードを払うと、何と!スノーではないか。
久し振りに顔を合わすスノー。
エイジの”白銀の刃”によって鉄のフィーエを失い、同事に人生の4分の一をも失ってしまった彼が、どうしてこの場にいるのか?
その答えは直ぐに出た。
以前とは、明らかに小型化した鉄のフィーエを体の中から出現させたのだ。
と、周囲を取り囲む黒パーカーの者たちも、それぞれ顔を露わにすると自らのエレメンツを出現させた。
その数、5人。
「フォグさぁ、僕を含めて何とか5人揃えたよ」
これまでモンキーエレメンツを出現させた者は、ことごとくレインによって始末されてきたが、彼女の知り得ない所でフォグはその数を増やしていたのだった。
手下のスノーを使って。
仕込み杖から剣を引き抜いた老婆と。
それを取り囲む5人の黒パーカーをまとった者たち。そして異形のエレメンツたち。
パァン!
フォグが天空へと向けて発砲したピストルの銃声に、周囲の人々は恐怖に駆られて散り散りにその場から立ち去って行った。
「無観客試合という事で」
おどけたようエグリゴリ(フォグ)がサンジェルマンたちに告げた。
「お心遣い、感謝の至りと言えばよろしいかしら。で?」
「素直にこちらの要求を聞き入れて下されば、痛い目には遭わずに済みます」
月並みのやり取りを、ただ眺めている場合ではない。
昌樹も携帯警棒を取り出してサンジェルマンを守る。その背中をエイジに任せる。
「エグリゴリ、不死を求めているのは教会のお偉さんなのだろう。そんな個人の欲望のために組織掛かってタブーとされている神の領域に踏み込む悪行に加担する事を、アンタ自身は嫌悪感を抱かないのか?」
フォグの良心に訴えかけるも。
「探偵くんの言う通り、老人のわがままに付き合わされるのは正直願い下げなんだけどね、何分、報酬が破格なんでね。乗らない手は無いだろう?」
要は金に目がくらんだワケだ。
解り易いヤツだ。
「私の協力者も皆同じ意見でね。いわゆる利害一致というヤツさ」
利はあっても害は無いくせに。
単に金に目がくらんだだけの連中に、語る正義は無い。
「全員、この場でブチのめすよ!」
カリオストロの意見に賛成だ。
が、ここは日本。
どんな相手であっても殺人を犯してはならない。
だったら。
「エイジ、片っ端からコイツらのエレメンツを叩きのめしてやれ!人生の4分の1を奪ってしまおうが構う事は無い。金と引き換えに捨てたんだと見なせば良い!」
昌樹の中の罪悪感は、見事に吹っ切れていた。
不死という命の理から外れたものを得るために、人としての道徳を外れてはいけない。相応の報いを受けたとしても、それは自業自得だ。
「その意見には賛成ね」
銃声が鳴り、フォグの手からピストルが弾き飛ばされた。
「レイン!それにナンブ」
突如現れた現れたレインが手にする拳銃からは硝煙が立ち上っていた。
あれほど乗り気で無かったくせに、レインとナンブが駆け付けて来てくれたのだ。
「まったく、性懲りも無く、またモンキーエレメンツを量産してくれるなんて」
呆れてため息を漏らす。
「この場はお金で言う事を聞いてくれるかもしれないけど、コイツらエレメンツの能力をゼッタイに悪用するに決まっているわ。アレが世に知れたら、教会の立場が悪くなるって、どうして分らないのかしらね?」
文句を垂れつつ、片っ端から黒パーカーの連中の脚を撃ち抜いてゆく。
さすがにエレメンツを従えたところで銃器には敵わない。
それを分っていてフォグはピストルを持ち出したのだが、逆にレインによって制裁を受けてしまった。
その中でフィーエだけはその防御力で宿主のスノーを守り切った。
相変わらず、その防御力には脱帽する。
「ナンブ!」
レインがナンブにフィーエを任せようと声を掛けた、その時、エイジが2人の間に割って入った。
「ここでディープステッチャーを使わせる訳にはいかない」
静かに告げると、フィーエ目がけて真っ直ぐに突っ込んでゆく。
「お言葉ですが、Ag。私が16分の1ごときに遅れを取るとでも?奥の手を使うまでもありません」
そんなエイジを追い抜くとナンブはフィーエの左側へとスルリと回り込み、繰り出された鉄の鎌を、身をかがめて難なくかわしながら脇腹へ拳を叩き込んだ。
「やはり4分の1の、さらに4分の1。能力全てが低下している」
分析報告をするかのように呟くと視線をエイジへと向けた。
そのエイジは。
高い跳躍から、フィーエの右肩へと"白銀の刃”、白銀に輝く右脚のかかと落としを炸裂させた。
瞬時にして光と化すFeのフィーエ。
エレメンツを分子レベルで崩壊させるエイジの必殺技が今、見ている者すべてが見惚れるほど鮮やかに決まった。
「な、何をやっている!?キミたち。彼らの好きにさせるな!」
フォグが黒パーカーの連中に命令するも、スノーを覗いた全員が無様にも敵に背を向けて逃走していた。
やはり飛び道具には敵わないわな。
皆、脚を撃ち抜かれて、やっと命の重さを思い知った事だろう。
この場合、彼らを意気地無しと笑ってやっては可哀相だな。
「さて、エグリゴリ。アンタはどうする?」
警棒の先を突き付けて、昌樹がフォグに問う。
「横から割り込んで申し訳ないけど、”エグリゴリ”は私たちの部隊名であって、彼はフォグという名のハゲオヤジよ」
本当に、このデカ女という女だけは話の流れを変な所で止めてくれる。
つくづく呆れる女だ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~
ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。
休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。
啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。
異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。
これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。
私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
卒業パーティーのその後は
あんど もあ
ファンタジー
乙女ゲームの世界で、ヒロインのサンディに転生してくる人たちをいじめて幸せなエンディングへと導いてきた悪役令嬢のアルテミス。 だが、今回転生してきたサンディには匙を投げた。わがままで身勝手で享楽的、そんな人に私にいじめられる資格は無い。
そんなアルテミスだが、卒業パーティで断罪シーンがやってきて…。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる