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[13]ミドルゲームスタート!!
-127―:止めろぉーッ!!
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草間・涼馬の目指す剣とは。
それは、一点の曇りも無く。
―最速の剣を極めること―
彼は医学を極めようと勉学に励む中、自然に人体の筋組織や骨格の知識を身に着けて行くことになる。
その中で彼は、その目で人体が発揮できる限界速度というものを確かめたい衝動に駆られてしまった。虜と言っても過言ではない。
力は必要ない。
それは。
ジャンプを多用するスポーツの選手が、長距離走練習に大幅に時間を割かないのと同じように、一切筋トレを取り入れずに、ただひたすらに最速を生み出す事のみを心掛けて練習に励んだ。
それでも、やはり何度も何度も筋肉痛に悩まされた。
そこで彼は、ある発想にたどり着く。
―壊れた筋組織を修復しながら剣を振るえば、最速により近づけるのではないか―
以前、彼は文献で読んだことのある、『イメージトレーニング』を取り入れてみる事にした。
イメージトレーニングとは、スポーツ選手たちがただ“成功”をイメージする事だけではない。
ケガによる故障でさえも、治療後をイメージする事で治癒力を高め、奇跡の復帰を果たしたりしている。
彼が強くイメージする事とは?
“常に体組織を治癒・回復しつつ、最良の結果を生み出す“事。
自身に強く暗示を掛け続けることによって、ついに彼は、“音速の壁”を突き破る事に成功した。
剣が、“空を斬る”白い線を割った後少し間を置いて、踏み込み時の音が鳴り響く、最速にして最凶の剣技“冬の一発雷”が生まれた瞬間であった。
しかし。
この剣技はこれまで試合で使われる事は一切無かった。
この剣を見た者誰もが戦慄し、“決して人に使ってはならないもの”として封印を求めた。
結果。
“冬の一発雷”は禁じ手としてスポーツ、実戦問わず剣道界から封印されたのである。
(使ってみたい)
初めて出会う最強の好敵手、高砂・飛遊午に使って見たい衝動に駆られてしまった。
彼の心はすでに!自身の体細胞すべてに治癒機能を最大限に発揮するよう働き掛けている。
(試してみたい。彼の“二天撃”と僕の“冬の一発雷”がぶつかったら、僕は彼を圧し斬れるのか…)
まさに悪魔の誘惑。
リョーマが正眼→上段の構えを2度ほど変えつつ2歩跳ぶように後退。
城砦西高校側が一気にざわついた。
ヒューゴの耳にも彼らのざわつきが届いた。
そして誰かが叫んだ。
「止めろぉーッ!!クサマぁーッ!!!」
しかし、その声はリョーマの「メーン!」の声によってかき消されてしまった。
面越しにヒューゴの目に映ったものは。
リョーマの竹刀が、縦一直線に白い線をまとう異様な光景を―。
しかし!
すでにヒューゴは、2振りの竹刀を交差させて防御に入っていた。
が。
リョーマは見た!
高砂・飛遊午が両手を竹刀を同時に手放す瞬間を。
ドオォォォォーォォンッ!!
会場の誰もが天井を見やった。そして。
「雷?」「え?雷?」「いま、雷鳴った?」
不思議そうに口々に問うている。
それもそのはず。外は雲一つない晴天の空であった。
皆が再び試合をしている二人に目を戻すと。
「きゃあぁあ!」
ざわめき、悲鳴が響く、まさに地獄絵図。
彼らの視線の先には。
仰向けに倒れた高砂・飛遊午の姿が。
彼の頭部を守っているはずの面には何と!折れた竹刀が突き刺さっていた。
面を撃ち込まれた瞬間に、木っ端微塵に弾けて折れた先が彼の面をかいくぐって突き刺さってしまったのだ。
ピューとクジラが潮を吹くように飛び出す血潮に、応援席にいた“鈴木くれは”は不謹慎にも「クジラじゃん」ププッと笑ってしまった。
それは、一点の曇りも無く。
―最速の剣を極めること―
彼は医学を極めようと勉学に励む中、自然に人体の筋組織や骨格の知識を身に着けて行くことになる。
その中で彼は、その目で人体が発揮できる限界速度というものを確かめたい衝動に駆られてしまった。虜と言っても過言ではない。
力は必要ない。
それは。
ジャンプを多用するスポーツの選手が、長距離走練習に大幅に時間を割かないのと同じように、一切筋トレを取り入れずに、ただひたすらに最速を生み出す事のみを心掛けて練習に励んだ。
それでも、やはり何度も何度も筋肉痛に悩まされた。
そこで彼は、ある発想にたどり着く。
―壊れた筋組織を修復しながら剣を振るえば、最速により近づけるのではないか―
以前、彼は文献で読んだことのある、『イメージトレーニング』を取り入れてみる事にした。
イメージトレーニングとは、スポーツ選手たちがただ“成功”をイメージする事だけではない。
ケガによる故障でさえも、治療後をイメージする事で治癒力を高め、奇跡の復帰を果たしたりしている。
彼が強くイメージする事とは?
“常に体組織を治癒・回復しつつ、最良の結果を生み出す“事。
自身に強く暗示を掛け続けることによって、ついに彼は、“音速の壁”を突き破る事に成功した。
剣が、“空を斬る”白い線を割った後少し間を置いて、踏み込み時の音が鳴り響く、最速にして最凶の剣技“冬の一発雷”が生まれた瞬間であった。
しかし。
この剣技はこれまで試合で使われる事は一切無かった。
この剣を見た者誰もが戦慄し、“決して人に使ってはならないもの”として封印を求めた。
結果。
“冬の一発雷”は禁じ手としてスポーツ、実戦問わず剣道界から封印されたのである。
(使ってみたい)
初めて出会う最強の好敵手、高砂・飛遊午に使って見たい衝動に駆られてしまった。
彼の心はすでに!自身の体細胞すべてに治癒機能を最大限に発揮するよう働き掛けている。
(試してみたい。彼の“二天撃”と僕の“冬の一発雷”がぶつかったら、僕は彼を圧し斬れるのか…)
まさに悪魔の誘惑。
リョーマが正眼→上段の構えを2度ほど変えつつ2歩跳ぶように後退。
城砦西高校側が一気にざわついた。
ヒューゴの耳にも彼らのざわつきが届いた。
そして誰かが叫んだ。
「止めろぉーッ!!クサマぁーッ!!!」
しかし、その声はリョーマの「メーン!」の声によってかき消されてしまった。
面越しにヒューゴの目に映ったものは。
リョーマの竹刀が、縦一直線に白い線をまとう異様な光景を―。
しかし!
すでにヒューゴは、2振りの竹刀を交差させて防御に入っていた。
が。
リョーマは見た!
高砂・飛遊午が両手を竹刀を同時に手放す瞬間を。
ドオォォォォーォォンッ!!
会場の誰もが天井を見やった。そして。
「雷?」「え?雷?」「いま、雷鳴った?」
不思議そうに口々に問うている。
それもそのはず。外は雲一つない晴天の空であった。
皆が再び試合をしている二人に目を戻すと。
「きゃあぁあ!」
ざわめき、悲鳴が響く、まさに地獄絵図。
彼らの視線の先には。
仰向けに倒れた高砂・飛遊午の姿が。
彼の頭部を守っているはずの面には何と!折れた竹刀が突き刺さっていた。
面を撃ち込まれた瞬間に、木っ端微塵に弾けて折れた先が彼の面をかいくぐって突き刺さってしまったのだ。
ピューとクジラが潮を吹くように飛び出す血潮に、応援席にいた“鈴木くれは”は不謹慎にも「クジラじゃん」ププッと笑ってしまった。
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