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第五章 破滅を招くもの
366 西から来た冒険者
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先程の魔物の雄叫びには覚えがあった。
あれは魔物が、自分のテリトリーに強い魔物を見つけたときに上げる挑戦の声だ。
魔物は魔力を含んだ食べ物を大量に必要とするため、普通の動物よりも広いテリトリーを持っている。
だからこそ食性が被った魔物が自分のテリトリーに侵入することを許さないのだ。
「あの濃い魔力を競争相手の魔物と思ったということなのか?」
どう見てもあれは生物ではないし、魔力を好む魔物が住み着くために集まるのはわかるが、敵と認識するのは不思議な感じがする。
そんなことをつらつら考えながら駆けつけると、すでに空白地帯は大変な状況に陥っていた。
人間の三倍はデカイ大猿の魔物が群れで襲いかかっていたのである。
「ちいっ、下等な魔物めが! おい! ワームの魔核はまだセット出来ないのか? この間抜け!」
平野人の男は、機械の影に隠れるようにしつつ、大猿に何かを投げる。
男の投げたものはコントロール不足なのか、大猿にぶつかる前に地面に転がったが、それを大猿が触ろうとすると、透明な何かが飛び出した。
色がないのでよくわからないが、どうもスライムのようだった。
大猿の手が溶け、悲鳴が上がる。
すると別のひと回り大きな大猿がその負傷した大猿に向かって吠えた。
透明なスライムのようなものが手を溶かされた大猿から吹き飛ばされる。
そしてそのほとんど見えないスライムのようなものへ、大猿たちは吠えながら石を投げて攻撃し始めた。
スライムのようなものはしばしうごめいていたが、たくさんの石の下敷きになり無力化したようだ。
石だけじゃなく、あの吠え声になんらかの魔法効果があるのだろうと思われた。
とは言え、その間に時間を稼いだ人間たちはどうやら目的を達したようだった。
機械のほうからブーンという鈍い音が響き、俺たちが昨日暗闇のなかで見た、透明な触手のようなものが飛び出して来る。
「ギャッ、ギャ!」
大猿の一匹がその触手に掴まれ、押しつぶされるように飲み込まれる。
透明な魔物らしきもののなかで大猿が潰れる様子は気味の悪いものだった。
「これは俺たちの助けは必要ないか」
「俺はあの猿共に手助けしたいぐらいだ」
「気持ちはわかるけどな」
俺と勇者は近くまで来ていたが、今の所介入する必要を感じられないため見守るだけに留める。
いくらあの平野人の男が気に入らないからって魔物を助けるわけにもいかないしな。
助けるとしたら同族の人間だ。
そうこうしているうちにはしごを登って大地人の男が姿を見せる。
「のろまめ! 貴重な自衛用の魔核を使ってしまったじゃないか!」
「申し訳ありません」
大地人の男は怯えながら謝ると、魔宝石の結晶が詰まった場所に蓋をして留め金を留めて行く。
「こいつら、いついなくなるんだ!」
平野人の男が怒鳴るが、答えを持っている人間などどこにもいない。
大猿は、仲間を襲った不思議な透明の触手を警戒してか、空白地帯から距離をとりつつも、その周囲をぐるっと囲んでいた。
あの透明な魔物はどうも一定範囲より外には攻撃しないらしい。
「旦那さま、助けを呼ばれたほうがよろしいかと」
「だまれ!」
平野人の男が大地人の男を殴る。
「私に指図するな! 亜人の分際で!」
さらに蹴りを入れた。
「あの野郎!」
「抑えろ」
俺自身も腹が立ったが、勇者を止めなければならないので自分の怒りを意識している暇がない。
と、大猿たちが一斉に口を開けた。
「グオオオオォッ!」
空白地帯の中心にいる男たちめがけて放たれた叫びは、やはりただの声ではなかったようだ。
「ぎゃああああ!」
「うわああああ!」
二人は跳ね飛ばされるように転げ回り、中心部から離れる。
そこへ大猿の一匹が近づいた。
「まずい!」
思わず飛び出したが、そこはまだ触手の範囲だったらしい。
大猿が触手の攻撃を受ける。
それを邪魔するように別の大猿が叫ぶ。
一瞬触手の動きが止まり、捕まっていた大猿が逃げ出した。
とりあえず、痛み分けのような形になった訳だが、そこに飛び出した俺を両者が認識した。
もうこうなったら仕方ない。
「おい、あんたら。助けは必要か?」
「なんだ貴様ら、なぜここにいる?」
「俺たちは西の冒険者だ。たまたま居合わせだけだ。あんたらが困っているようだったから来てみたんだが、必要ないなら手出しはしないぜ。もし助けがいるならそれなりの報酬を約束して欲しい」
「冒険者? だ、と?」
む? 平野人の男はどうも冒険者という存在は知っているが、実在するとは思わなかったという顔をしているぞ。
大地人のほうは、大猿におびえてそれどころではないな。
「どうなんだ? 助けはいるのかいらないのか?」
「わ、わかった。それなりの報酬で雇おう」
どうやら話を飲み込んでくれたようだ。
俺は小さな声で勇者に耳打ちをした。
「魔法を使ってみせるんだ」
「……? 師匠がそう言うなら」
俺と勇者は背中合わせに飛び離れると、それぞれ別方向の大猿に向かった。
俺は平野人と大地人のそばにいる大猿を「星降りの剣」で両断し、そのままの勢いで周囲の樹上に陣取っている大猿の足場となっている木を切り倒す。
ドラゴンの爪で作られた剣だからこそ出来る無茶な攻撃だ。
だが、派手さで言えば勇者に敵うはずもない。
「切り裂け!」
勇者は片手で魔法を発動し、もう片方の手に握った剣には炎をまとわせて、まとめて数匹の大猿を吹き飛ばしていた。
「おお……」
平野人の男の顔に安堵とは違う笑みが浮かぶ。
どうやら釣れたようだな。
昨日のこいつらの会話を聞いて考えたんだが、おそらくこいつらは魔力の強い人間を欲している。
だから勇者の力を見れば放って置くはずがないのではないかと思ったのだ。
あのデカイ要塞に、少人数の俺たちが正攻法で行って何かが出来るはずもない。
ならば正攻法以外の方法を取る必要があった。
そう、あそこに入り込むには連中が欲しがるものをこちらが持っていることを見せつけてやればいい。
かなり危険を伴うが、その保険にメルリルたちに待機しておいてもらったのだ。
大猿たちは俺たちの攻撃に敵わぬと思ったのかギャーギャー鳴き交わしながら逃げて行った。
吠え声の攻撃は動いている相手には効果が薄そうだったもんな。
通常ならあの体格だ。
人間など力で圧倒出来るんだろうが、勇者相手じゃあ全然足りない。
「これでいいか?」
周囲にもう魔物がいないことを確認して平野人の男に尋ねた。
「おお、もちろんだ。あっ、君! その金属部分に触れるんじゃない。危ないぞ」
俺の問いに答えた男は、勇者がこちら側に来ようと空白地帯を横断しようとしたのを見て、慌てて止めた。
「なんかあるのか? そう言えばさっき変な魔物みたいなのが出ていたが」
「ふん、魔物の能力を写した番犬だ。認識証を持っていない生物には問答無用で襲いかかるから注意したまえ」
「そりゃすげえな」
「当然だ。私たちは魔生物の研究と利用では世界で一番進んでいるからな」
さっきまで大猿に襲われて腰を抜かしていた奴とは思えないぐらい偉そうに言った。
魔生物の研究と利用、ね。
「で、報酬は?」
「待ち給え、ここにはない」
「おいおい、約束が違うぞ」
「慌てるな。研究所に行けばいくらでも払える。付いて来るがいい」
「わかった。おい、あんた大丈夫か?」
魔物の恐ろしさにすっかり腰が抜けたのか立ち上がれない大地人へ手を差し伸べようとする。
「よしたまえ。それは私の持ち物だ」
「は?」
「私の奴隷だと言ったんだ」
「ああ、なるほどね。だったら大事にするこったな。俺たち冒険者は自分の持ち物を粗末に扱ったりしないぞ」
「余計ないお世話だ。使えなくなったら買い換えればいいだけだ。貧しいお前たちと一緒にするな」
こいついちいちイライラする男だな。
見ろ、勇者がすっかりキレかけてるじゃねえか。
大地人の男はそれでも必死で立ち上がると、俺たちのほうは一顧だにせずに平野人の男の後を追って歩きだした。
「行くぞ!」
先へ行く平野人の男に睨み殺しそうな目を向けていた勇者をどつく。
「師匠、あの野郎が……」
「この先おそらくもっと酷いものを見ることになるぞ。いちいち怒っていたら助けられるものも助けられなくなる。冷静に行動しろ」
勇者は怒りの収まらない顔をしていたが、それをぐっと飲み込んでうなずいた。
あれは魔物が、自分のテリトリーに強い魔物を見つけたときに上げる挑戦の声だ。
魔物は魔力を含んだ食べ物を大量に必要とするため、普通の動物よりも広いテリトリーを持っている。
だからこそ食性が被った魔物が自分のテリトリーに侵入することを許さないのだ。
「あの濃い魔力を競争相手の魔物と思ったということなのか?」
どう見てもあれは生物ではないし、魔力を好む魔物が住み着くために集まるのはわかるが、敵と認識するのは不思議な感じがする。
そんなことをつらつら考えながら駆けつけると、すでに空白地帯は大変な状況に陥っていた。
人間の三倍はデカイ大猿の魔物が群れで襲いかかっていたのである。
「ちいっ、下等な魔物めが! おい! ワームの魔核はまだセット出来ないのか? この間抜け!」
平野人の男は、機械の影に隠れるようにしつつ、大猿に何かを投げる。
男の投げたものはコントロール不足なのか、大猿にぶつかる前に地面に転がったが、それを大猿が触ろうとすると、透明な何かが飛び出した。
色がないのでよくわからないが、どうもスライムのようだった。
大猿の手が溶け、悲鳴が上がる。
すると別のひと回り大きな大猿がその負傷した大猿に向かって吠えた。
透明なスライムのようなものが手を溶かされた大猿から吹き飛ばされる。
そしてそのほとんど見えないスライムのようなものへ、大猿たちは吠えながら石を投げて攻撃し始めた。
スライムのようなものはしばしうごめいていたが、たくさんの石の下敷きになり無力化したようだ。
石だけじゃなく、あの吠え声になんらかの魔法効果があるのだろうと思われた。
とは言え、その間に時間を稼いだ人間たちはどうやら目的を達したようだった。
機械のほうからブーンという鈍い音が響き、俺たちが昨日暗闇のなかで見た、透明な触手のようなものが飛び出して来る。
「ギャッ、ギャ!」
大猿の一匹がその触手に掴まれ、押しつぶされるように飲み込まれる。
透明な魔物らしきもののなかで大猿が潰れる様子は気味の悪いものだった。
「これは俺たちの助けは必要ないか」
「俺はあの猿共に手助けしたいぐらいだ」
「気持ちはわかるけどな」
俺と勇者は近くまで来ていたが、今の所介入する必要を感じられないため見守るだけに留める。
いくらあの平野人の男が気に入らないからって魔物を助けるわけにもいかないしな。
助けるとしたら同族の人間だ。
そうこうしているうちにはしごを登って大地人の男が姿を見せる。
「のろまめ! 貴重な自衛用の魔核を使ってしまったじゃないか!」
「申し訳ありません」
大地人の男は怯えながら謝ると、魔宝石の結晶が詰まった場所に蓋をして留め金を留めて行く。
「こいつら、いついなくなるんだ!」
平野人の男が怒鳴るが、答えを持っている人間などどこにもいない。
大猿は、仲間を襲った不思議な透明の触手を警戒してか、空白地帯から距離をとりつつも、その周囲をぐるっと囲んでいた。
あの透明な魔物はどうも一定範囲より外には攻撃しないらしい。
「旦那さま、助けを呼ばれたほうがよろしいかと」
「だまれ!」
平野人の男が大地人の男を殴る。
「私に指図するな! 亜人の分際で!」
さらに蹴りを入れた。
「あの野郎!」
「抑えろ」
俺自身も腹が立ったが、勇者を止めなければならないので自分の怒りを意識している暇がない。
と、大猿たちが一斉に口を開けた。
「グオオオオォッ!」
空白地帯の中心にいる男たちめがけて放たれた叫びは、やはりただの声ではなかったようだ。
「ぎゃああああ!」
「うわああああ!」
二人は跳ね飛ばされるように転げ回り、中心部から離れる。
そこへ大猿の一匹が近づいた。
「まずい!」
思わず飛び出したが、そこはまだ触手の範囲だったらしい。
大猿が触手の攻撃を受ける。
それを邪魔するように別の大猿が叫ぶ。
一瞬触手の動きが止まり、捕まっていた大猿が逃げ出した。
とりあえず、痛み分けのような形になった訳だが、そこに飛び出した俺を両者が認識した。
もうこうなったら仕方ない。
「おい、あんたら。助けは必要か?」
「なんだ貴様ら、なぜここにいる?」
「俺たちは西の冒険者だ。たまたま居合わせだけだ。あんたらが困っているようだったから来てみたんだが、必要ないなら手出しはしないぜ。もし助けがいるならそれなりの報酬を約束して欲しい」
「冒険者? だ、と?」
む? 平野人の男はどうも冒険者という存在は知っているが、実在するとは思わなかったという顔をしているぞ。
大地人のほうは、大猿におびえてそれどころではないな。
「どうなんだ? 助けはいるのかいらないのか?」
「わ、わかった。それなりの報酬で雇おう」
どうやら話を飲み込んでくれたようだ。
俺は小さな声で勇者に耳打ちをした。
「魔法を使ってみせるんだ」
「……? 師匠がそう言うなら」
俺と勇者は背中合わせに飛び離れると、それぞれ別方向の大猿に向かった。
俺は平野人と大地人のそばにいる大猿を「星降りの剣」で両断し、そのままの勢いで周囲の樹上に陣取っている大猿の足場となっている木を切り倒す。
ドラゴンの爪で作られた剣だからこそ出来る無茶な攻撃だ。
だが、派手さで言えば勇者に敵うはずもない。
「切り裂け!」
勇者は片手で魔法を発動し、もう片方の手に握った剣には炎をまとわせて、まとめて数匹の大猿を吹き飛ばしていた。
「おお……」
平野人の男の顔に安堵とは違う笑みが浮かぶ。
どうやら釣れたようだな。
昨日のこいつらの会話を聞いて考えたんだが、おそらくこいつらは魔力の強い人間を欲している。
だから勇者の力を見れば放って置くはずがないのではないかと思ったのだ。
あのデカイ要塞に、少人数の俺たちが正攻法で行って何かが出来るはずもない。
ならば正攻法以外の方法を取る必要があった。
そう、あそこに入り込むには連中が欲しがるものをこちらが持っていることを見せつけてやればいい。
かなり危険を伴うが、その保険にメルリルたちに待機しておいてもらったのだ。
大猿たちは俺たちの攻撃に敵わぬと思ったのかギャーギャー鳴き交わしながら逃げて行った。
吠え声の攻撃は動いている相手には効果が薄そうだったもんな。
通常ならあの体格だ。
人間など力で圧倒出来るんだろうが、勇者相手じゃあ全然足りない。
「これでいいか?」
周囲にもう魔物がいないことを確認して平野人の男に尋ねた。
「おお、もちろんだ。あっ、君! その金属部分に触れるんじゃない。危ないぞ」
俺の問いに答えた男は、勇者がこちら側に来ようと空白地帯を横断しようとしたのを見て、慌てて止めた。
「なんかあるのか? そう言えばさっき変な魔物みたいなのが出ていたが」
「ふん、魔物の能力を写した番犬だ。認識証を持っていない生物には問答無用で襲いかかるから注意したまえ」
「そりゃすげえな」
「当然だ。私たちは魔生物の研究と利用では世界で一番進んでいるからな」
さっきまで大猿に襲われて腰を抜かしていた奴とは思えないぐらい偉そうに言った。
魔生物の研究と利用、ね。
「で、報酬は?」
「待ち給え、ここにはない」
「おいおい、約束が違うぞ」
「慌てるな。研究所に行けばいくらでも払える。付いて来るがいい」
「わかった。おい、あんた大丈夫か?」
魔物の恐ろしさにすっかり腰が抜けたのか立ち上がれない大地人へ手を差し伸べようとする。
「よしたまえ。それは私の持ち物だ」
「は?」
「私の奴隷だと言ったんだ」
「ああ、なるほどね。だったら大事にするこったな。俺たち冒険者は自分の持ち物を粗末に扱ったりしないぞ」
「余計ないお世話だ。使えなくなったら買い換えればいいだけだ。貧しいお前たちと一緒にするな」
こいついちいちイライラする男だな。
見ろ、勇者がすっかりキレかけてるじゃねえか。
大地人の男はそれでも必死で立ち上がると、俺たちのほうは一顧だにせずに平野人の男の後を追って歩きだした。
「行くぞ!」
先へ行く平野人の男に睨み殺しそうな目を向けていた勇者をどつく。
「師匠、あの野郎が……」
「この先おそらくもっと酷いものを見ることになるぞ。いちいち怒っていたら助けられるものも助けられなくなる。冷静に行動しろ」
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