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第五章 破滅を招くもの
442 残光
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その日、大陸東部北方で未曾有の大災害が発生した。
後の人々はそれを魔禍と呼んだ。
大陸東部北方のほぼ中心にあった天守山から突如として膨大な魔力が雪崩落ちる暗雲のように四方八方に広がったのだ。
魔力に抵抗する力のない者たちや建造物などがバタバタと倒れ、その被害は正確な数字として算出出来ない規模に上った。
当時戦争準備を整えて北冠の港に集まっていた南海と水棲人たちの合同軍が、あまりの惨状に急遽戦闘を停止し、被災者救助に切り替えた程である。
背の高い建物ほど大きな被害を被ったため、富裕層が高層階に住むという北冠社会の慣習により、その被害は国家の要人に集中し、国としての運営が危うくなるという事態に陥った。
そしてそれに便乗した南海国の半ば侵略に近い支援を受けて新政府が誕生する。
また、天杜や央国では急激な魔力中毒の症状にのたうち回る者たちの傍らで、体内魔力の反発反応による強力な力を得た亜人奴隷による決起が頻発することとなる。
北方三国はこの災害によって内乱に近い状態に陥ってしまった。
その災害の中心地である天守山は、まるで巨大な宝石で出来た山のような姿に変わっていた。
その全ては純度の高い魔鉱石であり、災害で疲弊した周辺国は、後にこの魔鉱石を用いた技術を西方から取り入れて新たな文化を発展させることになる。
── ◇ ◇ ◇ ──
「師匠! ししょおおおお!」
血まみれのまま、勇者は必死で魔力の結晶と化した大地に剣を突き刺した。
ミホム王国に代々伝わる勇者の聖剣も、継ぎ目も見当たらない魔宝石に大してはあまり力を発揮することが出来ず、せいぜいカケラを周辺にばらまく程度だった。
その後ろには倒れ伏した聖騎士を回復しつつ勇者を案じる視線を向ける聖女と、固く歯を食いしばり、自分の無力を心中で嘆くモンクがいる。
聖女とモンクとて無事ではない。
すさまじい魔力が膨れ上がって弾けたのを感じた瞬間、結界は千々に引き裂かれ、まるで高熱にあぶられるような心地を味わった末に体内魔力の高まりを感じて、慌てて山頂へと駆けつけたのである。
そのときにはすでにメルリルの姿はなかった。
おそらくは、結界が引き裂かれた瞬間に風に乗ったのだろうと聖女は考えていた。
とにかくも、今は魔力のない身に過剰な魔力をぶつけられ、一度心臓が停止してしまった聖騎士の回復が急務であり、そのほかのことは手をつける段階にない。
勇者とダスターに何があったのかも知るよしもなかった。
だが、そこにはことの顛末を全て見ていたモノもいた。
『そこにはもう誰もいないよ?』
若葉は勇者の血塗れの頭にちょこんと座ると、ぺしぺしとその額を叩きながらそう言った。
「ぐっ! きさまぁ!」
勇者の体が金色に光り、その光は剣をも覆った。その状態で勇者は頭上に斬りつける。
若葉はその剣をぱくっと咥えると、剣と一緒に振り回された。
『さっきたくさん食べたからこんなにいらないよ?』
若葉からしてみれば友達がおやつをくれたぐらいの感覚のようだ。
勇者は乱れる息を必死で整えた。
彼の師は、どんなときでも感情に振り回されるなと教えてくれていた。
勇者は深く自分の未熟を感じたが、それで憤りがなくなる訳ではない。
「貴様らドラゴンはいつでも人間の痛みや苦しみを高みの見物だ。さぞかし愉快だろうな、俺たちがあがくのを見るのは!」
『怒ってるの?』
びっくりしたように若葉が言う。
「当たり前だろう! 師匠が、このなかに閉じ込められたんだぞ!」
『人の子よ。その幼きものは言葉を知らぬ。だが、我らは偽りは言わぬ。そこにはかの者は存在せぬ。肉体もだ』
勇者は、ダスターの死を認めまいとドラゴンを睨みつけたが、心の片隅から、そのドラゴンの言葉をちゃんと聞けという囁きを感じた。
感情は正しき判断を狂わせる。
それは何度も彼が師から言われた言葉だ。
「存在しないとは……どういう、ことだ? もう、人としての姿を保っていないという……こと、か?」
絞り出すように問う。
圧倒的に強大な存在に大しても、勇者は怯むことはしない。
彼が頭を垂れる相手は強きものではないのだ。
理を知り、人を導く、ただ一人の勇者の師に対してだけ、勇者アルフレッドはその膝を突き、頭を地面に垂れる。
『人は言葉を多様に解釈しすぎる。そのまま受け取るのだ。そこにはもうそなたの探す者たちはいない』
「たち?」
『そうだ。そなたの師と森の娘、二人は道を開いた。我らもさすがにその先は見通せぬがな』
「道?」
勇者の脳裏にメルリルの開く森の道が浮かんだ。
それが森のなかなら、濃密な緑の気配に満ちた不思議で安全な道を開く力をあの森人の女性は持っている。
しかし、ここは森ではない。
とは言え、ドラゴンは嘘をつかないというのは事実なのだろうと勇者は理解していた。
「師匠は生きて、いる?」
『よくわかんない』
混ぜっ返すようなことを言う若葉にイラッとした勇者だったが、なんとか気持ちを抑え込んだ。
「ミュリア、クルスは大丈夫か?」
「あ、はい。お師匠様が以前教えてくださったように、魔力を持たない人は体内に魔力を留めることはありません。衝撃で止まった心臓さえ動かしてしまえばあとはケガの治療をするだけで大丈夫です」
「ごめん」
聖女の報告にほっと息をついた勇者に、モンクが頭を下げた。
「なんだ?」
勇者はいぶかしげにモンクを見る。
「なにも出来なかった。及ばないなんてもんじゃなかったよ」
「それは俺もだ。まだまだ俺たちには修行が必要だってことだな」
そしてふっと笑う。
「やっぱり師匠がいないと、な」
「違いないね」
モンクも笑った。
『我がここに留まるのは問題があるゆえ戻るが、ひとことだけそなたに謝ろう。勇者よ』
白いドラゴンが自分に頭を下げるのを見て、勇者は用心深く相手の出方を窺った。
「どういうことだ?」
『アレが世界を歪めているのはわかっていたが、勇者との盟約により、滅ぼすことは出来なんだ。本来なら我らが喰らうべき闇であったのにな。こっちの黒呪ももどかしい思いをしていたようだ。すまなかった』
「てめえらの盟約など知るか! そもそもお前達はなんでもかんでも額面通り受け取って、それを考えるということをしない獣だ。それを理解出来ずに盟約なんぞで命を縮めた初代勇者がバカだっただけの話だ」
『そなたがそれを言うのか』
「当然だ。俺だから言えるのさ。俺みたいなバカだって師匠に出会って変われたんだ。初代勇者はよほど出会いの運のない奴だったんだろうよ」
『出会いも運か。確かに、それに違いない』
白いドラゴンはバサリと巨大な羽根を広げ高く飛び立った。
何もかも吹き飛ばされて雲一つない青に輝く空に虹色の輝きが走ると、白のドラゴンはそのなかへと吸い込まれるように消え去る。
「そう、俺は運がいいんだ。だから、必ず師匠を探し出す。待っていてくれ、師匠」
勇者がドラゴンの消えた空に突き出した拳に、残光のような虹の輝きがキラリと反射した。
後の人々はそれを魔禍と呼んだ。
大陸東部北方のほぼ中心にあった天守山から突如として膨大な魔力が雪崩落ちる暗雲のように四方八方に広がったのだ。
魔力に抵抗する力のない者たちや建造物などがバタバタと倒れ、その被害は正確な数字として算出出来ない規模に上った。
当時戦争準備を整えて北冠の港に集まっていた南海と水棲人たちの合同軍が、あまりの惨状に急遽戦闘を停止し、被災者救助に切り替えた程である。
背の高い建物ほど大きな被害を被ったため、富裕層が高層階に住むという北冠社会の慣習により、その被害は国家の要人に集中し、国としての運営が危うくなるという事態に陥った。
そしてそれに便乗した南海国の半ば侵略に近い支援を受けて新政府が誕生する。
また、天杜や央国では急激な魔力中毒の症状にのたうち回る者たちの傍らで、体内魔力の反発反応による強力な力を得た亜人奴隷による決起が頻発することとなる。
北方三国はこの災害によって内乱に近い状態に陥ってしまった。
その災害の中心地である天守山は、まるで巨大な宝石で出来た山のような姿に変わっていた。
その全ては純度の高い魔鉱石であり、災害で疲弊した周辺国は、後にこの魔鉱石を用いた技術を西方から取り入れて新たな文化を発展させることになる。
── ◇ ◇ ◇ ──
「師匠! ししょおおおお!」
血まみれのまま、勇者は必死で魔力の結晶と化した大地に剣を突き刺した。
ミホム王国に代々伝わる勇者の聖剣も、継ぎ目も見当たらない魔宝石に大してはあまり力を発揮することが出来ず、せいぜいカケラを周辺にばらまく程度だった。
その後ろには倒れ伏した聖騎士を回復しつつ勇者を案じる視線を向ける聖女と、固く歯を食いしばり、自分の無力を心中で嘆くモンクがいる。
聖女とモンクとて無事ではない。
すさまじい魔力が膨れ上がって弾けたのを感じた瞬間、結界は千々に引き裂かれ、まるで高熱にあぶられるような心地を味わった末に体内魔力の高まりを感じて、慌てて山頂へと駆けつけたのである。
そのときにはすでにメルリルの姿はなかった。
おそらくは、結界が引き裂かれた瞬間に風に乗ったのだろうと聖女は考えていた。
とにかくも、今は魔力のない身に過剰な魔力をぶつけられ、一度心臓が停止してしまった聖騎士の回復が急務であり、そのほかのことは手をつける段階にない。
勇者とダスターに何があったのかも知るよしもなかった。
だが、そこにはことの顛末を全て見ていたモノもいた。
『そこにはもう誰もいないよ?』
若葉は勇者の血塗れの頭にちょこんと座ると、ぺしぺしとその額を叩きながらそう言った。
「ぐっ! きさまぁ!」
勇者の体が金色に光り、その光は剣をも覆った。その状態で勇者は頭上に斬りつける。
若葉はその剣をぱくっと咥えると、剣と一緒に振り回された。
『さっきたくさん食べたからこんなにいらないよ?』
若葉からしてみれば友達がおやつをくれたぐらいの感覚のようだ。
勇者は乱れる息を必死で整えた。
彼の師は、どんなときでも感情に振り回されるなと教えてくれていた。
勇者は深く自分の未熟を感じたが、それで憤りがなくなる訳ではない。
「貴様らドラゴンはいつでも人間の痛みや苦しみを高みの見物だ。さぞかし愉快だろうな、俺たちがあがくのを見るのは!」
『怒ってるの?』
びっくりしたように若葉が言う。
「当たり前だろう! 師匠が、このなかに閉じ込められたんだぞ!」
『人の子よ。その幼きものは言葉を知らぬ。だが、我らは偽りは言わぬ。そこにはかの者は存在せぬ。肉体もだ』
勇者は、ダスターの死を認めまいとドラゴンを睨みつけたが、心の片隅から、そのドラゴンの言葉をちゃんと聞けという囁きを感じた。
感情は正しき判断を狂わせる。
それは何度も彼が師から言われた言葉だ。
「存在しないとは……どういう、ことだ? もう、人としての姿を保っていないという……こと、か?」
絞り出すように問う。
圧倒的に強大な存在に大しても、勇者は怯むことはしない。
彼が頭を垂れる相手は強きものではないのだ。
理を知り、人を導く、ただ一人の勇者の師に対してだけ、勇者アルフレッドはその膝を突き、頭を地面に垂れる。
『人は言葉を多様に解釈しすぎる。そのまま受け取るのだ。そこにはもうそなたの探す者たちはいない』
「たち?」
『そうだ。そなたの師と森の娘、二人は道を開いた。我らもさすがにその先は見通せぬがな』
「道?」
勇者の脳裏にメルリルの開く森の道が浮かんだ。
それが森のなかなら、濃密な緑の気配に満ちた不思議で安全な道を開く力をあの森人の女性は持っている。
しかし、ここは森ではない。
とは言え、ドラゴンは嘘をつかないというのは事実なのだろうと勇者は理解していた。
「師匠は生きて、いる?」
『よくわかんない』
混ぜっ返すようなことを言う若葉にイラッとした勇者だったが、なんとか気持ちを抑え込んだ。
「ミュリア、クルスは大丈夫か?」
「あ、はい。お師匠様が以前教えてくださったように、魔力を持たない人は体内に魔力を留めることはありません。衝撃で止まった心臓さえ動かしてしまえばあとはケガの治療をするだけで大丈夫です」
「ごめん」
聖女の報告にほっと息をついた勇者に、モンクが頭を下げた。
「なんだ?」
勇者はいぶかしげにモンクを見る。
「なにも出来なかった。及ばないなんてもんじゃなかったよ」
「それは俺もだ。まだまだ俺たちには修行が必要だってことだな」
そしてふっと笑う。
「やっぱり師匠がいないと、な」
「違いないね」
モンクも笑った。
『我がここに留まるのは問題があるゆえ戻るが、ひとことだけそなたに謝ろう。勇者よ』
白いドラゴンが自分に頭を下げるのを見て、勇者は用心深く相手の出方を窺った。
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「当然だ。俺だから言えるのさ。俺みたいなバカだって師匠に出会って変われたんだ。初代勇者はよほど出会いの運のない奴だったんだろうよ」
『出会いも運か。確かに、それに違いない』
白いドラゴンはバサリと巨大な羽根を広げ高く飛び立った。
何もかも吹き飛ばされて雲一つない青に輝く空に虹色の輝きが走ると、白のドラゴンはそのなかへと吸い込まれるように消え去る。
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