145 / 233
羽化
その十
しおりを挟む
間を読まない人間ってのはどこにもいるものだ。
例えば他人が一生懸命下準備をして推し進めていた仕事を台無しにする奴とか。
「どうせお前ら俺を殺すんだろうがぁあああ!」
冒険者で賑わう特区の、彼らの間で宿屋街と呼ばれている通りでの出来事だ。
突然、特区内に怪異が出現したという警報が発令され、周囲に緊張感が走ったのだが、蓋を開けてみればそれは怪異では無かった。
自らを山犬と名乗ったそいつは、どうやら国内の単独冒険者で、協会にもカンパニーにも所属していない、保証のない命を担保に無茶をやるタイプの冒険者だったらしい。
詳しい情報は後から聞いた話だが、どうやらそれなりに実績はあった冒険者だったようだった。
それまでフィールドで稼いでいたのだが、この迷宮に一攫千金を夢見てやって来たということである。
ソロである以上、その男に信頼出来る仲間という存在はいない。
迷宮は到底1人で攻略するような場所じゃないのだが、そこは、はぐれものははぐれもの同士ということで、野良パーティという一時的な契約を結んだパーティを組み、迷宮に潜って獲物を山分けする習わしがあるようだった。
そして、この山犬(当然本名じゃない)という男は、地元出身でそこそこ腕が良いということで、はぐれものの中でも組む相手に困らず、ほとんど毎日迷宮に潜っていたという話だった。
そしてメタモルフォーゼ化、イマージュになった。
変化した自分の体を、当初は装備やマスクで隠していた男だったが、とうとうどうしようもない程完全に変化してしまい。
狩る側から狩られる側になったと思い込んで、思い余って暴れだしたのだ。
相談する相手というストッパーがいないと、こんな時は自分の思い込みだけで勝手に転がり落ちるもんなんだなとしみじみと思わせることの次第である。
運がいいことに、というか運が悪いのかもしれんが、この事件が発生したとき、俺達は丁度冒険者の街、特区に立ち寄っていた。
最近の調査内容からしてみれば願ったりかなったりのはずなのだが、大学の先生やら冒険者協会やら政府のお偉方やらと難しい調整を行っていた俺達からすれば、特注で頼んだ通販で購入予定の品物が目の前に捨ててあったような気分になるのはしょうがない所だろう。
「こりゃあ確かに怪異じゃなくて人間の感触だよな」
騒動を感知した軍によってたちまちの内に張られた防衛線を、冒険者達が今にも破らんとしている。
別に山犬とやらの仲間という訳でもなく、単に道を塞がれているのが癪に障るとの言い分だった。
彼らを突き動かしているのは好奇心か功名心か微妙な所だ。
とは言え、さすがに軍も百戦錬磨の冒険者相手にこの場の封鎖を長く持たせることは出来ないだろう。
「見た目はあの、ワーウルフにちょっと似ている」
「それはそうだが、あれよりなんというか生臭い感じ? ええっと、精霊っぽくないというか」
「まんま人間ですからね。やはり走査でも怪異の反応は出ませんね」
暴れている山犬という男は、その名前の通り、二本足で立っている犬のような見た目になっていた。
とは言え、犬という言葉から連想される可愛さは微塵もなく、全身を剛毛に覆われた化け物としか言いようがない。
人間って代を重ねることなく一代でそこまで変化するもんなのか、驚きの真実だ。
今、その山犬男は軍の特殊装甲車の繰り出す対能力者用ジャミングによって抑えられている。
この男が能力者と言えるかどうかはわからないが、もし能力者でなくても、このジャミングは波動を乱す効果があるので、無能力者以外の普通の人間なら、上手く行動が出来なくなる程度の効果は期待出来る。
実際その男の足取りはふらふらとしていた。
「てか、俺らは参戦しちゃいかんのかよ!」
「あなた方は仕事が違うでしょう。これは私達の仕事ですよ」
苛立つ俺に封鎖係の軍人さんがなだめるように言った。
まぁ相手は人間だから確かにそうなんだけどさ。
この件をずっと追っかけてた身からすればもどかしいことこの上ない。
しかもこの状況、どうも好転しそうにないんだけど、どう収めるつもりなんだ?
殺傷兵器を使うかどうかどうも決めかねているようで、軍の動きが鈍い。
いくら姿が化け物だからって、大勢の冒険者達の目の前で仲間を問答無用で殺したりしたら何が起こるかわからないからな。
さすがに死ぬような攻撃をいきなり行ったりはしないだろうとは思うのだが、自分がコントロールしていない状況はどう転ぶかわからない怖さがあるな。
そうこうしている内に盾に守られた隙間から山犬男に向けてネットが発射された。
なんでも蜘蛛の糸を参考に開発された鎮圧用ネットらしい。
「こんなもんでえええ!」
一瞬ネットに包まれた男は、それを分解して拘束を解いた。
おい、能力者かよ。
熱波のような物を感じたので熱系の能力者かもしれない。
ジャミングの影響があるからか放射はすぐに収まったが、ネットは役に立たなくなったので山犬男にとっては問題ないという所か。
そう言えば火や熱は人間の細胞に元々備わっている機能だからか能力が発現しやすいと聞いたことがあった。
軍はめげずに次の手を打ち出した。
ドン! と重い発射音に、周囲の冒険者達が少し騒然としたが、どうやら殺傷武器ではなくゴム弾だったらしい。
それは砲丸投げの球ぐらいの大きさだったが、山犬男は腹で受け止め、平気でそれを拾うと、投げ返した。
見た目だけじゃなくて、身体能力が強化されてるっぽい。
ドウン! と、重い衝突音と共に、包囲の一画に穴が開く。
「いかん! 出るぞ!」
「ん」
「あ!」
俺が飛び出そうとした時、浩二が何かを見て取って、短く声を上げた。
開いた穴に向けて山犬男が突っ込むより先に、その穴から飛び出した者がいたのだ。
そいつが手にしていたのは、まるでステンレスの物干し竿を半分に切って両手に持ったような得物だった。
伸縮が出来るようで一振りして伸ばしたそれを持ったまま両手を広げて山犬男に突進した。
バチッ! と弾けるような音と空気が焦げるような臭い。
「あ! がっがぁあああ、があっ!」
山犬男は激しく痙攣するとひっくり返った。
「冒険者の面倒は冒険者が見る。軍隊なんぞお呼びでないんだよ」
薄く笑ってそう言ってみせたのは、燃えるような赤毛にスレンダーな体をライダースーツで覆った、どうやら女性らしき冒険者だった。
ふと、そいつは何かに気づいた風にこっちを見ると、にィッと笑い、まるでごちそうを前にした蛇を思わせる雰囲気をまといながら、真っ赤な舌でぺろりと自分の唇を舐め上げた。
こええ。
俺はこの冒険者とは一切関わりあいになるまいと心に決めたのだった。
例えば他人が一生懸命下準備をして推し進めていた仕事を台無しにする奴とか。
「どうせお前ら俺を殺すんだろうがぁあああ!」
冒険者で賑わう特区の、彼らの間で宿屋街と呼ばれている通りでの出来事だ。
突然、特区内に怪異が出現したという警報が発令され、周囲に緊張感が走ったのだが、蓋を開けてみればそれは怪異では無かった。
自らを山犬と名乗ったそいつは、どうやら国内の単独冒険者で、協会にもカンパニーにも所属していない、保証のない命を担保に無茶をやるタイプの冒険者だったらしい。
詳しい情報は後から聞いた話だが、どうやらそれなりに実績はあった冒険者だったようだった。
それまでフィールドで稼いでいたのだが、この迷宮に一攫千金を夢見てやって来たということである。
ソロである以上、その男に信頼出来る仲間という存在はいない。
迷宮は到底1人で攻略するような場所じゃないのだが、そこは、はぐれものははぐれもの同士ということで、野良パーティという一時的な契約を結んだパーティを組み、迷宮に潜って獲物を山分けする習わしがあるようだった。
そして、この山犬(当然本名じゃない)という男は、地元出身でそこそこ腕が良いということで、はぐれものの中でも組む相手に困らず、ほとんど毎日迷宮に潜っていたという話だった。
そしてメタモルフォーゼ化、イマージュになった。
変化した自分の体を、当初は装備やマスクで隠していた男だったが、とうとうどうしようもない程完全に変化してしまい。
狩る側から狩られる側になったと思い込んで、思い余って暴れだしたのだ。
相談する相手というストッパーがいないと、こんな時は自分の思い込みだけで勝手に転がり落ちるもんなんだなとしみじみと思わせることの次第である。
運がいいことに、というか運が悪いのかもしれんが、この事件が発生したとき、俺達は丁度冒険者の街、特区に立ち寄っていた。
最近の調査内容からしてみれば願ったりかなったりのはずなのだが、大学の先生やら冒険者協会やら政府のお偉方やらと難しい調整を行っていた俺達からすれば、特注で頼んだ通販で購入予定の品物が目の前に捨ててあったような気分になるのはしょうがない所だろう。
「こりゃあ確かに怪異じゃなくて人間の感触だよな」
騒動を感知した軍によってたちまちの内に張られた防衛線を、冒険者達が今にも破らんとしている。
別に山犬とやらの仲間という訳でもなく、単に道を塞がれているのが癪に障るとの言い分だった。
彼らを突き動かしているのは好奇心か功名心か微妙な所だ。
とは言え、さすがに軍も百戦錬磨の冒険者相手にこの場の封鎖を長く持たせることは出来ないだろう。
「見た目はあの、ワーウルフにちょっと似ている」
「それはそうだが、あれよりなんというか生臭い感じ? ええっと、精霊っぽくないというか」
「まんま人間ですからね。やはり走査でも怪異の反応は出ませんね」
暴れている山犬という男は、その名前の通り、二本足で立っている犬のような見た目になっていた。
とは言え、犬という言葉から連想される可愛さは微塵もなく、全身を剛毛に覆われた化け物としか言いようがない。
人間って代を重ねることなく一代でそこまで変化するもんなのか、驚きの真実だ。
今、その山犬男は軍の特殊装甲車の繰り出す対能力者用ジャミングによって抑えられている。
この男が能力者と言えるかどうかはわからないが、もし能力者でなくても、このジャミングは波動を乱す効果があるので、無能力者以外の普通の人間なら、上手く行動が出来なくなる程度の効果は期待出来る。
実際その男の足取りはふらふらとしていた。
「てか、俺らは参戦しちゃいかんのかよ!」
「あなた方は仕事が違うでしょう。これは私達の仕事ですよ」
苛立つ俺に封鎖係の軍人さんがなだめるように言った。
まぁ相手は人間だから確かにそうなんだけどさ。
この件をずっと追っかけてた身からすればもどかしいことこの上ない。
しかもこの状況、どうも好転しそうにないんだけど、どう収めるつもりなんだ?
殺傷兵器を使うかどうかどうも決めかねているようで、軍の動きが鈍い。
いくら姿が化け物だからって、大勢の冒険者達の目の前で仲間を問答無用で殺したりしたら何が起こるかわからないからな。
さすがに死ぬような攻撃をいきなり行ったりはしないだろうとは思うのだが、自分がコントロールしていない状況はどう転ぶかわからない怖さがあるな。
そうこうしている内に盾に守られた隙間から山犬男に向けてネットが発射された。
なんでも蜘蛛の糸を参考に開発された鎮圧用ネットらしい。
「こんなもんでえええ!」
一瞬ネットに包まれた男は、それを分解して拘束を解いた。
おい、能力者かよ。
熱波のような物を感じたので熱系の能力者かもしれない。
ジャミングの影響があるからか放射はすぐに収まったが、ネットは役に立たなくなったので山犬男にとっては問題ないという所か。
そう言えば火や熱は人間の細胞に元々備わっている機能だからか能力が発現しやすいと聞いたことがあった。
軍はめげずに次の手を打ち出した。
ドン! と重い発射音に、周囲の冒険者達が少し騒然としたが、どうやら殺傷武器ではなくゴム弾だったらしい。
それは砲丸投げの球ぐらいの大きさだったが、山犬男は腹で受け止め、平気でそれを拾うと、投げ返した。
見た目だけじゃなくて、身体能力が強化されてるっぽい。
ドウン! と、重い衝突音と共に、包囲の一画に穴が開く。
「いかん! 出るぞ!」
「ん」
「あ!」
俺が飛び出そうとした時、浩二が何かを見て取って、短く声を上げた。
開いた穴に向けて山犬男が突っ込むより先に、その穴から飛び出した者がいたのだ。
そいつが手にしていたのは、まるでステンレスの物干し竿を半分に切って両手に持ったような得物だった。
伸縮が出来るようで一振りして伸ばしたそれを持ったまま両手を広げて山犬男に突進した。
バチッ! と弾けるような音と空気が焦げるような臭い。
「あ! がっがぁあああ、があっ!」
山犬男は激しく痙攣するとひっくり返った。
「冒険者の面倒は冒険者が見る。軍隊なんぞお呼びでないんだよ」
薄く笑ってそう言ってみせたのは、燃えるような赤毛にスレンダーな体をライダースーツで覆った、どうやら女性らしき冒険者だった。
ふと、そいつは何かに気づいた風にこっちを見ると、にィッと笑い、まるでごちそうを前にした蛇を思わせる雰囲気をまといながら、真っ赤な舌でぺろりと自分の唇を舐め上げた。
こええ。
俺はこの冒険者とは一切関わりあいになるまいと心に決めたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
【完結】前代未聞の婚約破棄~なぜあなたが言うの?~【長編】
暖夢 由
恋愛
「サリー・ナシェルカ伯爵令嬢、あなたの婚約は破棄いたします!」
高らかに宣言された婚約破棄の言葉。
ドルマン侯爵主催のガーデンパーティーの庭にその声は響き渡った。
でもその婚約破棄、どうしてあなたが言うのですか?
*********
以前投稿した小説を長編版にリメイクして投稿しております。
内容も少し変わっておりますので、お楽し頂ければ嬉しいです。
第一王子様から選ばれるのは自分だと確信していた妹だったけれど、選ばれたのは私でした。
睡蓮
恋愛
ルビー第一王子様からもたらされた招待状には、名前が書かれていなかった。けれど、それを自分に宛てたものだと確信する妹のミーアは、私の事をさげすみ始める…。しかしルビー様が最後に選んだのは、ミーアではなく私だったのでした。
【完結】聖女は国を救わないと決めていた~「みんなで一緒に死にましょうよ!」と厄災の日、聖女は言った
ノエル
恋愛
「来たりくる厄災から、王国を救う娘が生まれる。娘の左手甲には星印が刻まれている」
――女神の神託により、王国は「星印の聖女」を待ち望んでいた。
完璧な星印を持つ子爵令嬢アニエスと、不完全な星印しか持たない公爵令嬢レティーナ。
人々はこぞってアニエスを“救いの聖女”と讃え、レティーナを虐げた。
だが、本当に王国を救うのは、誰なのか。
そして、誰にも愛されずに生きてきたレティーナの心を誰が救うのか。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる
僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。
スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。
だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。
それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。
色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。
しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。
ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。
一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。
土曜日以外は毎日投稿してます。
チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?
桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」
その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。
影響するステータスは『運』。
聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。
第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。
すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。
より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!
真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。
【簡単な流れ】
勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ
【原題】
『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』
はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる