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小学生生活は洋服からイジメ
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小学校での私はやはり1人だった。
私は小学3年から転校してこの学校に通ったが、1ヶ月程からイジメにあった。
理由は「汚い」からだそうだ。
小学校は普通の市立だったから当たり前の様に皆私服で来るのだが、私はこの「私服」が数着しか無かった。
しかもこの数着は施設に居た頃から着ている寄付のお古か先住の子からのお古か…である為、既にヨレヨレだったのを更に着込んだ為ヨレヨレ具合はかなりだった。
その後成長に合わせて買っては貰えたが、常に3セット程を着回す程度しか持ち合わせが無かった。
住んでいた団地はモンスター団地で小学校はその団地の為に作られたので、通っている生徒はほぼその団地住人。
どこの家族もそんな裕福ではないだろうが、格好だけを見れば私は断トツでヨレヨレだったのだ。
そのイジメが更に加速したのは体育の時間が終わってからだ。
私の父親は若い頃かなり運動神経が良かったらしい。
野球は特にプロを目指せるんじゃないかという程の実力だったそうで、100mは11秒台だとか言っていた。私はその父親の血を引いていたからか、小学1年の時から徒競走では負け無しだった。
どこにでもいると思うが、学年に1人位勉強もスポーツも結構出来て人気者の男の子がいた。
まだまだ世間知らずだった私はその子に徒競走で勝ってしまった事で目をつけられた。
そこからはよくイジメの話になると出てくる様な嫌がらせは一通り受けた。
ただ「汚い」が前提だったから全て遠巻きでだったのを覚えている。
1度だけ学校に行きたくないと、お母さんに話してみた事があった。
その時お母さんがとても面倒くさそうな・嫌そうな顔をしたのだけは、それから30年以上経った今でもハッキリ覚えている。
どうにか学校へ行ったその日の夜父親にぶん殴られて
「お前が弱いからイジメられるんだ!」で話は終わった。
それともう1つ、どうにかして学校へ行かなければならない理由があった。
それは「給食」だ。
家での質素な食事だけだは到底足りないのだ。
給食の時間だけはイジメられていようが避けられていようが、意地でも何度もおかわりに並んだものだ。
その結果、貧乏・卑しい等悪口は追加された。
そして弟が産まれた事で更に私の洋服等お構い無しになっていき、ズボンのゴムも緩くなって脱げそうなのをビニール紐を自分で通して縛っていた位だ。
話の少し先の事だが、卒業式に学生服が間に合わずにこの「紐ジャージ」で卒業式に出席した。
当時の私はそのイジメに耐えるだけの精神力は持っておらず、また家での軟禁ドリル生活も続いた為、確か小学5年から卒業までの間で3回程「自殺」を試みた。
団地なので飛び降りれる場所には困らなかった。
だが軟禁生活のせいでチャンスが登下校しか無かった事もあって一瞬にして野次馬に囲まれ大人に阻止される。
人のいなそうな場所を見つけても、いつの間にか集まってくる。
そして最大の難関…私自身がまだそこで飛び降りようと決意出来る程まで追い詰まってはいなかった。
団地の最上階まで上がる間は「これで楽になれる」「解放される」と思ったもんだが、いざ身を乗り出すとやはり怖かった。
まぁだから43年経った今になって、こうして懐かしい想い出として書き記しているのだが…
私は小学3年から転校してこの学校に通ったが、1ヶ月程からイジメにあった。
理由は「汚い」からだそうだ。
小学校は普通の市立だったから当たり前の様に皆私服で来るのだが、私はこの「私服」が数着しか無かった。
しかもこの数着は施設に居た頃から着ている寄付のお古か先住の子からのお古か…である為、既にヨレヨレだったのを更に着込んだ為ヨレヨレ具合はかなりだった。
その後成長に合わせて買っては貰えたが、常に3セット程を着回す程度しか持ち合わせが無かった。
住んでいた団地はモンスター団地で小学校はその団地の為に作られたので、通っている生徒はほぼその団地住人。
どこの家族もそんな裕福ではないだろうが、格好だけを見れば私は断トツでヨレヨレだったのだ。
そのイジメが更に加速したのは体育の時間が終わってからだ。
私の父親は若い頃かなり運動神経が良かったらしい。
野球は特にプロを目指せるんじゃないかという程の実力だったそうで、100mは11秒台だとか言っていた。私はその父親の血を引いていたからか、小学1年の時から徒競走では負け無しだった。
どこにでもいると思うが、学年に1人位勉強もスポーツも結構出来て人気者の男の子がいた。
まだまだ世間知らずだった私はその子に徒競走で勝ってしまった事で目をつけられた。
そこからはよくイジメの話になると出てくる様な嫌がらせは一通り受けた。
ただ「汚い」が前提だったから全て遠巻きでだったのを覚えている。
1度だけ学校に行きたくないと、お母さんに話してみた事があった。
その時お母さんがとても面倒くさそうな・嫌そうな顔をしたのだけは、それから30年以上経った今でもハッキリ覚えている。
どうにか学校へ行ったその日の夜父親にぶん殴られて
「お前が弱いからイジメられるんだ!」で話は終わった。
それともう1つ、どうにかして学校へ行かなければならない理由があった。
それは「給食」だ。
家での質素な食事だけだは到底足りないのだ。
給食の時間だけはイジメられていようが避けられていようが、意地でも何度もおかわりに並んだものだ。
その結果、貧乏・卑しい等悪口は追加された。
そして弟が産まれた事で更に私の洋服等お構い無しになっていき、ズボンのゴムも緩くなって脱げそうなのをビニール紐を自分で通して縛っていた位だ。
話の少し先の事だが、卒業式に学生服が間に合わずにこの「紐ジャージ」で卒業式に出席した。
当時の私はそのイジメに耐えるだけの精神力は持っておらず、また家での軟禁ドリル生活も続いた為、確か小学5年から卒業までの間で3回程「自殺」を試みた。
団地なので飛び降りれる場所には困らなかった。
だが軟禁生活のせいでチャンスが登下校しか無かった事もあって一瞬にして野次馬に囲まれ大人に阻止される。
人のいなそうな場所を見つけても、いつの間にか集まってくる。
そして最大の難関…私自身がまだそこで飛び降りようと決意出来る程まで追い詰まってはいなかった。
団地の最上階まで上がる間は「これで楽になれる」「解放される」と思ったもんだが、いざ身を乗り出すとやはり怖かった。
まぁだから43年経った今になって、こうして懐かしい想い出として書き記しているのだが…
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