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コマーシャルの衝撃——フィギュアスケート物語
しおりを挟むそれは、ご主人のお父さんとお母さんがこの部屋に泊まった時だった。
いつもはご主人が立つ台所に、お母さんが立ってお料理をつくる。
お2人が肉じゃがを食べながらテレビを見ている時、それは起きた。
今年流れまくった「鬼滅の刃」の主題歌「紅蓮華」が流れた。
またか……と思ったが、ちょっと待てと思ったのは僕だけではなかったらしい。
「ねえ! 今のフィギュアスケート全日本選手権の番宣じゃない!?」
「そうだよ!」
「なんで? ねえなんで?」
「俺に聞くなよ知るか」
「なんでー!!」
ぬいぐるみたちは蜂の巣をつついた、というような大騒ぎになったのだが、ご主人のご両親は全く頓着せずご飯を食べている。
「あれ取って」
と夫たるお父さんに言われて、お母さんは漬物を取ってあげている。お母さんが漬けたのは美味しいらしいが、ご主人は苦手なんだよな。
テレビは番組に戻った。クイズ番組というヤツらしい。
うちのご主人はフィギュアスケートの選手である。
スポンサーがついて、海外のグランプリシリーズにも出ている。
ちなみにとある、言葉の訛りのきつめな大都市でひとり暮らしだ。
ご両親がここにいるのは、全日本選手権でここにいないご主人に代わって、水回りやリヴィングの大掃除をするためなんだとか。
しかし、今のはどういうことだろう。
「鬼滅の刃」と言う漫画は、うちのご主人も今年の自粛中で練習もできるか怪しいという時に、アイスメイトの間で流行り始めていたので読んで面白いと言っていた。
だから、同じテレビ局でこんなことしてたよと言ったら、何か反応をすると思う。
『ねえ、今の見た!?』
『今の見た!?』
隣でもテレパシーをキャッチしてる。
『どういうこと、あんたのご主人フィギュアの選手だよね、何か知らない!?』
知るわけないじゃんそんなん。
待てよ、フィギュアの全日本選手権でトップクラスだった先輩に、そこの局の社員になったひと、いたよな。
ご主人、彼女から情報仕入れてこないかな?
終わってしまえ
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