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第12章 激闘編
遭遇
<ヴァーンベック視点>
「ヴァーン?」
「……駄目だ。逃げるぞ、シア」
「いいの?」
「ああ」
追跡が続く可能性は高いものの、絶対というわけでもねえ。
まずは回避して、追いつかれたらその時のこと。
戦えばいい。
「でも……この先にある素材は大丈夫かな?」
「山には植物なんて無数にあるんだ。ベニワスレを選んで破壊するなんてことはねえよ」
「けどよぉ、ありゃあ結構な数をなぎ倒しちまいそうだぜ」
「それでも可能性は低い」
って、こんな話してる場合じゃないぞ。
「とにかく、今は逃げるんだ」
「分かったわ。で、どこへ?」
狭く険しいこの獣道は一本道。
逃げるなら。
「茂みだな。道から離れて遭遇を回避する」
「茂み……」
「道無しかよ……」
「サージが先頭、ブリギッテは後ろを頼む」
「「……了解」」
「ヴァーン?」
「ああ、シアは俺と一緒だ。ほら、この手を放すなよ」
「うん」
頷くシアに伸ばした手。
その手を。
「あっ!?」
シアが取り損ねた。
躓いてしまった。
「シア!」
「「シアさん!」」
「痛っ……」
深い草の下、地面からせり出した木の根に足を取られたのか?
「シア、怪我は?」
「……大丈夫。膝を打っただけだから」
「でも、血が出てるわ」
「これくらい平気です。それより、今は逃げないと」
「……」
「ヴァーン!」
「……そうだな。治療は後にして、まずは茂みに入ろう。シア、立てるな?」
「うん……えっ?」
「どうした?」
「足が……」
「シアさんの足が根に挟まってる」
っ!
「でも、大丈夫。シアさん足を伸ばして」
「は、はい」
「足先を前に伸ばすように。ええ、そんな感じよ」
「すぐ出してやるぞ」
「痛っ!?」
「あっ、ごめんなさい」
「いいんです。けど……」
「こいつぁ、思ったより深く挟まってるぜ、ブリギッテ、ヴァーン」
「……そうみたいね。だったら」
「根を斬るしかないな。シア、動くなよ」
「……分かった」
抜剣し、慎重に木の根のもとへ。
ザッ!
想像以上に硬いな。
ザシュッ!
けどまあ、上手く切ることができたはず。
「ありがとう、ヴァーン」
「おう。で、今度は立てるか?」
「うん、大丈夫」
そう言って立ち上がるシア。
よし!
あとは逃げるだけだぞ。
と思ったのに。
「グガアァァァ!」
坂下から叫び声が!
近い!
「ヴァーン!?」
「……」
やつのいる坂下まではまだ若干の距離がある。
が、その目はこっちを捉えている。
俺たち4人を完全に捕捉している。
「アアァァァ!」
こうなれば、もう。
「戦うしかないか」
「ええ」
「だな」
「ブリギッテは後ろでシアを頼む」
「分かったわ」
「サージ、俺たちは前だ。出るぞ!」
「おう!」
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