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第12章 激闘編
やるしかない
ガン!
ガキッ!
蒼い鱗に体を覆われ、変わり果てた姿を見せるギリオン。
そんなギリオンの反応を見るため、ひとまずは剣を交えてやる。
ガン!
ギン!
ガギン!
時間にしてわずか数秒、手数も10合に満たない。
それでも、色々と掴むことができた。
まずは、剣撃の質。
見た目以上に早くて重い剛剣だ。
おそらくは鱗化したオルセーと同等、あるいは少し上くらいか。
次に発する気配。
やはり、兇神エビルズマリスに近いものがある。
もちろんあいつには劣っているが、並の魔物の比じゃないな。兇神の分体をも凌駕していると考えた方がいいだろう。
ただし、この剣質も気配も想定の範囲内。
加えて、特別な何かや未知なる力もまったく感じない。
これなら、俺が手こずることもないはず。
ならば、よし。
様子見は終わりだ。
そろそろ眠ってもらおう。
手段は掌底か手刀か、それとも雷撃か?
頑丈なこいつに有効なのは……?
ん?
「コーキ!」
シアを残してヴァーンが近づいて来る。
「……無事か、ヴァーン?」
「こっちは問題ねえ。それより、おまえが相手してんのはギリオンだ。殺るんじゃねえぞ」
分かってるさ。
何といっても、こっちは一度経験してるんだから。
とはいえ、遡行前を知らないヴァーンが心配するのも当然だな。
「……了解」
「鱗と筋力で強化されてっから大変だと思うがよ」
そうだな。
「で、やれんのか?」
「戦う分には問題ない」
「そっちじゃねえ」
「……」
「倒すだけじゃねえ。そいつを元に戻さなきゃなんねえんだぞ?」
「……ああ」
「やれんのか、コーキ?」
「今の段階で断言はできないな。けど」
このままの状態で放置なんてできないだろ。
「できようができまいが、やるしかない」
「……」
「まずは意識を奪って拘束する。その後で色々と治療するつもりだ」
「……それで駄目なら?」
「他の手段を考えてやる。大神殿を頼るなり、治癒専門の魔法使いを探すなり……。必ずどこかに道があるはずだからな」
「このギリオンを神殿まで連れて行けんのかよ?」
「応急処置をするか眠らせればいい」
「……分かった。頼んだぞ」
「ああ。ヴァーンはシアの傍にいてやれ。それと、あの2人の介抱もな」
「了解だ」
頷いたヴァーンが坂上に駆けていく。
さてと。
「ァァァ」
「ギリオン、放置して悪かったな」
「アァァ」
「安心しろ。楽に眠らせてやる」
「アアァァ!」
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