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第1章 オルドウ編
リセット 1
……もう。
…………。
今にも途切れそうな意識の中。
『リセット』
ねんじ……た…………。
「はっ!?」
「はあ、はあ」
呼吸ができる!
「はあ、はあ」
寒くない!
「はあ、はあ、はあ」
い、生きてる!
「はあ、はあ」
よかった!
生きてる!!
……。
……。
……。
正気に戻るまで、どれくらいかかっただろう?
10分とも1時間とも思えてしまう。
もし他人が見ていたら奇妙な光景だったはずだ。
両手、両膝を地面についた男が、荒い息を吐きながらずっと身動きもしないでいたのだから。
しかし、今はこういうことを考えることができる程には回復している。
……。
とんでもない経験だ。
でも、こうやって戻って来ることができた。
そう、ここは。
周りには誰もいない。
ここはあの路地裏。
「……ここに戻ってきたのか」
リセットのおかげだ。
だから、セーブしていたこの場所に戻って来ることができた。
よかった。
……。
結局、セーブに助けられたのか。
セーブとリセットはなるべく使わないとエラそうなことを考えていたのに。
情けないことだ。
でも、今回は命が懸かっていた。
仕方ないことだった、か。
……。
あの時、背後から…。
何が起こったか分からないまま力が抜けてしまったけど、おそらく首を斬られたんだよな。
「ぐっ」
思い出すと、喉が詰まるような感覚がよみがえる。
「はあ、はあ」
死にかけた。
もう死ぬ直前だった。
セーブしていなかったら、確実に死んでいたんだ。
あの、息のできない苦しさ。
凍えるような寒さ。
暗闇に落ちる恐怖。
死の恐怖。
「はあ、はあ、はあ」
考えるだけで、息が苦しくなってくる。
だめだ、足に力が入らない。
まだ動ける気がしない。
もうしばらく、ここで……。
路地裏で少し休んだのち、大通りに出る。
ある程度、正常な状態に戻ったと思っていたんだが。
「だめだな」
ステータス上は身体に異状がなくとも、心が拒絶してしまう。
大通りを歩いていると夕連亭のことが頭に浮かび、足がすくむ。
「あぁ……情けない」
けど、まだ歩く気になれない。
ゆっくり休みたい。
戻るか。
いちど家に戻って、ゆっくり考えよう。
「異世界間移動」
……。
えっ?
発動しない?
どうして??
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