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第3章 救出編
弟子 2
「本当ですか?」
ほら、こんな顔になるだろ。
「ですよね、コーキさん」
「おめぇも付き合えよ」
まあ……。
仕方ない。
「……時間がある時にな」
「ありがとうございます。嬉しいです」
「まあ、そのうちシアとアルだけでも狩りに行けるようになんだろ。このオレ様が指導すんだからよ」
「おれ、強くなれるのか?」
「オレについてくりゃあ、間違いねえ。しっかりついてくんだぞ」
「ああ」
アルが嬉しそうに何度も頷いている。
「ギリオン、さん、これからよろしく頼む……お願いします」
「おう、任せとけや」
「分かっ、分かりました」
「おうよ」
このふたり、もうすでに良い師弟コンビだよな。
「そんで、シアはどうすんだ?」
「えっ、何がでしょうか?」
「おめぇも誰かに教わんねぇのか」
「そんな方は」
「いんじゃねぇーか」
「……?」
小首をかしげキョトンとしているこの表情。
年相応の少女のものだな。
魔物相手に魔法で攻撃をしていた時とは隔絶したものがある。
「ほら、ここに」
うん?
ギリオンが指さす先にいるのは……。
俺かよ!?
「コーキは魔法もやるかんな」
「そうですよ、コーキさんの魔法はとんでもないですから。適任です」
あのさ、午前の時点で俺がアルに断ったのを見ていたよね、フォルディさん。
ギリオンはまだしも、フォルディさんがそう言うのはどうかと思うわ。
「……」
まっ、あの時と今じゃ、俺の気持ちもかなり違っているけど。
「コーキさん!」
ほら。
また、シアが期待した目で俺を見ているじゃないか。
「姉さんにも教えてやってくれ。頼む、コー、コーキさん」
「……」
「ほら、コーキさん」
「ケチケチすんなよ」
4対1かよ。
弟子ハラだな、これ。
「……」
まあね、今はもうそんなに嫌なわけじゃない。
とはいえ、これがきっかけで問題が噴出するとか、それは勘弁してほしいからな。
そこは細心の注意を払わないといけない。
ということで、もうこれは……。
「空いている時間でいいなら、教えようか?」
「本当ですか!?」
「10日に1度か2度、時間は数時間。それでもいいかな?」
「は、はい!!」
「それと、私の魔法は我流なのでこちらの流派とはかなり異なっているんだけど。そこも問題ないのかな」
「はい、はい! 全く問題ないです」
「そうか。それなら引き受けよう」
「おう、良かったじゃねえか」
「はい、本当に嬉しいです」
「姉さん、よかったな」
「ありがと、アル」
そんなに喜ばれると、何というか、やりづらいな。
「コーキさん、皆さん、本当にありがとうございます。これからよろしくお願いします」
「おれも、お願いします」
今日一番のお辞儀をするシア。
遅れて頭を下げるアル。
目の前の光景は今朝とよく似たものだが、朝とは全く異なる意味合いのものになっている。
もちろん、俺の心のうちも朝とは違う。
そう。
やると決めたからには、しっかり教えるとするか。
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