30年待たされた異世界転移

明之 想

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第3章 救出編

守り人 2


 あの魔力を纏った剣撃でも、大した効果がないなら。
 次は。

「雷撃!」

 紫電がゴーレムに襲い掛かる。
 ゴーレムの素材次第では、これで!

 ……。

 雷撃を浴びたその刹那だけ、動きを止めたようにも見えたが。

 すぐに動き始め。
 その眼が光り。
 眼から光が溢れ、光線が放たれる。

「っ!」

 跳躍して回避。
 この光線は喰らう気がしない。

 それはいいんだが。
 雷撃は効いているのか?

 もう一撃だな。

「雷撃!」

 再び、その身に直撃。
 が……。

 雷撃を浴びている間だけは動きを止めるが、それが済めば平然としたもの。
 
 ドシーン!

 雷撃も効かないか。

 仕方ない。
 では次だ。

「ファイヤーボール」






 ……まいったな。

 剣に雷撃、火魔法。
 その後も、何種類もの魔法攻撃を仕掛けてみたが、全く効果が感じられない。
 これは、魔法の威力云々ではないな。

 ゴーレムのあの謎素材、物理魔法両面において高度な耐性を誇っているのだろう。

 なら、どうすべきなのか?

「……」

 正直、手詰まりだ。

 あいつの攻撃を受ける気もしないが、倒すイメージもわかない。

 距離をとって、仕切りなおしてはいるが……。

「あの、コーキさん」

 後ろから、セレス様の声。
 どうしたんだ?

「その、今思い出したのだけど……」

「何でしょう」

 何でもいい。
 攻略の糸口があれば。

「ゴーレムには胸に核があって、そこが弱点だったような。そんな気がするの」

「分かりました!」

 それが事実なら大きい。
 攻略の重要な鍵となるぞ。

 ドシーン!
 ドシーン!

 セレス様から離れるように、ゴーレムを誘導し対峙。
 ゴーレムも立ち止まって、こちらを見つめている。
 その眼は無機質ながら、なんらかの意志を感じさせるものはある。

 ここを守ろうという意志か。

 ……。

 このゴーレムに、どれほどの知能があるのかは分からない。
 が、それでも、ゴーレムのこの単純さには助けられるな。

 頑丈さ以外は、トリプルヘッドの方が明らかに上だ。

 まっ、その頑強な身体がとんでもないレベルなんだけど。

 ドシーン!

 さて、では、胸を狙ってと。

 ブオーン!

 風圧を身体全体に感じるようなゴーレムの右腕の強烈な一振りを掻いくぐり。
 胸に剣を一突き!

 キン!

 狙い違わず、胸に突き当たったが……。

 駄目だな。
 やはり表面に傷をつけるのがせいぜい。
 中までは通らない。

 急所がそこに存在するとしたら、あの胸の内側にあるはずだから。
 中に攻撃を通さないと意味がない。

 とっ!

 連続で繰り出される左の腕を避け、また距離をとる。

 そして。

「雷撃!」

 ピンポイントに胸を撃つ。

 が、こちらも効果なし。

 ……。

 あの素材、本当にとんでもないな。

 これはもう。

 仮に胸が弱点だったとしても、どうしたらいいものか。

 ……。

 ……。

 攻撃を避けながら、考える。

 避ける。
 躱す。

 ……。

 やはり、これしかない、か。

 試したことはないが、おそらくできるはず。
 事ここに至っては、試せることは全て試すだけ。

 いくぞ!

 攻撃をかわしながら接近、そしてゴーレムの胸に掌を当てる!

 掌底!

 だが、ここからだ。
 当てた掌を通して、魔力をゴーレムの胸に流し込む。
 ほんの僅かの間に強烈に!
 一気に流す!

 これで、どうだ!

 すると……。

 ゴーレムが震え、硬直!
 明らかに今までと違う。

 雷撃を浴びている間とも異なり、震え硬直している。

 これは、効いたか?

 と、思った次の瞬間。
 ゴーレムの眼が光る!

 至近距離だ!
 ちょっとまずい。

 脚に力を込め……。

「っ!」

 左肩に激痛!
 火傷痕か!!

 いきなりの激痛に、脚の力が抜ける。
 思わず動きがとまってしまう。

 が、目の前のゴーレムの眼からは光が溢れ……。

 まずい!
 間に合ってくれ!

 左に跳躍!

 ジュゥ!

 嫌な音が耳に響く。

 転瞬、右肩に焼けたような熱が走る。

「痛ぅ!」

 ゴーレムの光線の直撃は、なんとか避けることができた。
 が、光線が右肩をかすめてしまった。

「っ」

 左肩には黒炎による痛み、右肩には光線による傷。

「……」

 簡単じゃないな。

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