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第4章 異能編
再びの…… 3
魔落に来て8日が経った。
今回は俺のレベルも上がっているし、何より一度経験している魔落だ。
ほとんど問題なく過ごすことができている。
魔物相手に大きな怪我をすることもない。
食料も休憩所も問題なし。
脱出口を探すというのも、ここで数日過ごすための口実。
セレス様相手の名目に過ぎない。
目的は当然、セレス様の治療とセレス様を助けるための他の手段を探すことだ。
そんなわけで、魔落に来て以来ずっとセレス様の治療を続けている。
治癒魔法、その応用、気功を使った治療など。
考えつく術を全て試してみた。
たっぷりと時間もかけている。
けれど、その成果が分からないんだ。
セレス様の体内をめぐる魔力も気も問題はない。
鑑定で調べてみても何も異状は見つからない。
でもそれは、初日からずっとそう。
これでは、完治できたかどうかを判別することなどできるわけもない。
「……」
これ以上、ここで治療を続けても結果は変わらないんじゃないか。
今では半ば以上そう思っている。
「……」
もちろん、治療以外の他の手段もいろいろと考えてみた。
が、現状これといった解決策は見出せていない。
こうなるともう……。
トトメリウス様の知恵を借りるしかないのか?
「……」
その思いが強くなり。
結局、あの神域中枢を訪れることを決意したんだ。
そして今。
うっすらと霞がかった空間。
トトメリウス様の神域空間に俺とセレス様は足を踏み入れた。
「コーキさん、ここは?」
「ええ、神域です」
セレス様には、ここがトトメリウス様の神域だと説明済み。
なぜ俺が知っているんだ、もっと早く来れば良かったんじゃないか、なんていう疑問をセレス様が抱かないように、適当に話は作っている。
いい加減な作り話ではあるが、それなりに信じてくれたようだ。
「……」
魔落に来てから、俺は嘘ばかりついているな。
おかげで嘘が上手くなってしまった。
まったく嬉しくないよ。
嬉しくないし、申し訳ない。
セレス様、こんな嘘は今だけですから、どうか許してください。
「大丈夫なのでしょうか?」
「ええ、問題ないはずです」
とはいえ、トトメリウス様の対応は読めない。
今回が2回目だと認識してくれているのかどうなのか?
時を司っているのだから、全て了解済み。
時間遡行など関係なく、トトメリウス様は俺のことを覚えている。
そう思いたいが……。
もし覚えていなかったら。
俺はどういう態度をとればいいんだ?
「……」
今さらながら不安になってくる。
まあでも……。
どちらにしても、目的に変わりはない。
お願いするだけだ。
「……」
ゴーレムが現れないな。
二度目だからか?
前回俺が倒したからなのか?
「……」
そもそも、トトメリウス様は?
現れてくれるんだろうな。
まさか、姿を見せないなんてことは……。
「コーキさん?」
セレス様の表情が曇っている。
こんな謎空間にずっと立っているだけなんだ。
当然か。
「もう少し待ってください」
「……はい」
「……」
やはりゴーレムは現れない、か。
それなら。
(トトメリウス様)
心の中で呼びかけてみる。
(トトメリウス様。 トトメリウス様!)
すると……。
いきなり空気が変わった。
その威圧感に身体が重く感じられる、が……。
あの空気だ。
「コーキさん、これは!?」
曇っていたセレス様の顔色が変化している。
「大丈夫です。任せてください」
と、目の前にはあの異形。
トトメリウス様だ!
今回は俺のレベルも上がっているし、何より一度経験している魔落だ。
ほとんど問題なく過ごすことができている。
魔物相手に大きな怪我をすることもない。
食料も休憩所も問題なし。
脱出口を探すというのも、ここで数日過ごすための口実。
セレス様相手の名目に過ぎない。
目的は当然、セレス様の治療とセレス様を助けるための他の手段を探すことだ。
そんなわけで、魔落に来て以来ずっとセレス様の治療を続けている。
治癒魔法、その応用、気功を使った治療など。
考えつく術を全て試してみた。
たっぷりと時間もかけている。
けれど、その成果が分からないんだ。
セレス様の体内をめぐる魔力も気も問題はない。
鑑定で調べてみても何も異状は見つからない。
でもそれは、初日からずっとそう。
これでは、完治できたかどうかを判別することなどできるわけもない。
「……」
これ以上、ここで治療を続けても結果は変わらないんじゃないか。
今では半ば以上そう思っている。
「……」
もちろん、治療以外の他の手段もいろいろと考えてみた。
が、現状これといった解決策は見出せていない。
こうなるともう……。
トトメリウス様の知恵を借りるしかないのか?
「……」
その思いが強くなり。
結局、あの神域中枢を訪れることを決意したんだ。
そして今。
うっすらと霞がかった空間。
トトメリウス様の神域空間に俺とセレス様は足を踏み入れた。
「コーキさん、ここは?」
「ええ、神域です」
セレス様には、ここがトトメリウス様の神域だと説明済み。
なぜ俺が知っているんだ、もっと早く来れば良かったんじゃないか、なんていう疑問をセレス様が抱かないように、適当に話は作っている。
いい加減な作り話ではあるが、それなりに信じてくれたようだ。
「……」
魔落に来てから、俺は嘘ばかりついているな。
おかげで嘘が上手くなってしまった。
まったく嬉しくないよ。
嬉しくないし、申し訳ない。
セレス様、こんな嘘は今だけですから、どうか許してください。
「大丈夫なのでしょうか?」
「ええ、問題ないはずです」
とはいえ、トトメリウス様の対応は読めない。
今回が2回目だと認識してくれているのかどうなのか?
時を司っているのだから、全て了解済み。
時間遡行など関係なく、トトメリウス様は俺のことを覚えている。
そう思いたいが……。
もし覚えていなかったら。
俺はどういう態度をとればいいんだ?
「……」
今さらながら不安になってくる。
まあでも……。
どちらにしても、目的に変わりはない。
お願いするだけだ。
「……」
ゴーレムが現れないな。
二度目だからか?
前回俺が倒したからなのか?
「……」
そもそも、トトメリウス様は?
現れてくれるんだろうな。
まさか、姿を見せないなんてことは……。
「コーキさん?」
セレス様の表情が曇っている。
こんな謎空間にずっと立っているだけなんだ。
当然か。
「もう少し待ってください」
「……はい」
「……」
やはりゴーレムは現れない、か。
それなら。
(トトメリウス様)
心の中で呼びかけてみる。
(トトメリウス様。 トトメリウス様!)
すると……。
いきなり空気が変わった。
その威圧感に身体が重く感じられる、が……。
あの空気だ。
「コーキさん、これは!?」
曇っていたセレス様の顔色が変化している。
「大丈夫です。任せてください」
と、目の前にはあの異形。
トトメリウス様だ!
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