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第4章 異能編
里村晴海 2
「有馬君、これからどこに行くの?」
校門を出てしばらく歩いたところで、里村が話しかけてきた。
「あいつら1時間後に駅裏の廃墟ビルに里村君を連れて行く予定だったらしいからな」
大学から最も近い駅の裏に、取り壊し予定の廃墟ビルがある。
俺たちはその廃墟ビルに連れて行かれるところだった、というわけだ。
「一緒にいたんだから、それはボクも聞いたよ。そうじゃなくて、今はどこに向かっているのかってこと」
「ビルに行く前に、里村君を家まで送っているところじゃないか」
「何それ? っていうか、ボクの家知ってるの?」
「……知らないな。教えてもらっても?」
本当は知っているが、この時間軸でそれはおかしい話だ。
「それはいいんだけど、どうしてボクの家に?」
「……心配だから、かな」
「大丈夫だよ。彼らのことは話も済んだしさ。それに、もうあまり時間ないから、廃墟ビルに向かった方がいいよ」
「里村君は、ひとりで帰るのか?」
「もちろん、ひとりで帰れるけど、今は帰らないよ」
「……」
「ボクも一緒に行く」
「危ないから、家で大人しくしておいた方がいい」
「そういうわけにはいかないよ。元はといえばボクが原因でしょ。古野白さんのことも気になるし、一緒に行くよ」
「何が起こるか分からないんだ。里村君は家で待機してもらえないか。結果の連絡はするからさ」
「有馬くんといれば大丈夫でしょ。だから、ボクも行く」
「……」
確かに、俺が力を出して良いのなら、里村ひとりを守ることは可能だと思う。
だが、それをすると俺の能力がばれてしまう。
結果、異世界の露見につながる可能性も否定できない。
それは避けたいところだ。
となると、里村を連れて行くのは危険すぎる。
おそらく、相手は古野白さんと敵対する異能者。
何が起こるか想像もできないのだから。
「有馬くんがひとりで行っても、後からボクも行くから。場所は知ってるんだし」
そこが問題だ。
あの3人に洗いざらい喋らせた場には、里村もいたんだよなぁ。
「いいでしょ?」
そう言えばこいつ、言い出したら聞かない奴だった。
見た目に反して強情なんだよ、困ったことに。
「駄目かなぁ?」
その上、この上目遣い。
分かってやってるのか?
……。
はぁぁ。
下手にひとりで行動されるより、俺が監視した方がまし。
まだ一緒の方がいいか。
仕方ない。
「……責任は持てないぞ」
「大丈夫だよ」
「指示には必ず従うように」
「うん、分かった」
「無茶は禁止」
「分かってるよ。もう、心配性だなぁ」
いや、危険を分かってないのはお前の方だ。
「……それと、簡単な変装も必要だな」
「分かった。じゃあ、駅前のキンドに寄ろうよ」
ということで、キンドで購入した帽子とサングラスで軽く変装。
その姿で駅裏に向かっていると。
「ボクたち、もう友達だよね」
突然、里村がこちらを見あげてきた。
「……」
友達。
友達かぁ。
前回の人生では、ほぼ使うことのなかったこの単語。
今回の人生では……。
「ああ……里村君とは友達だな」
「だよね!」
そうだな。
けど、そんな目で嬉しそうに俺を見つめるなよ。
「あっ、里村でいいよ」
「……なら、俺も有馬でいいから」
「有馬……ううん、やっぱり有馬くんって呼んでいいかな? そっちの方がしっくりくるから」
「いいけど」
「うん、うん。それと、もう気を遣って話さなくていいからね。友達なんだから」
「……分かった」
これに近い会話を前回も里村とした記憶がある。
どの時間軸でも、里村はやっぱり里村だ。
校門を出てしばらく歩いたところで、里村が話しかけてきた。
「あいつら1時間後に駅裏の廃墟ビルに里村君を連れて行く予定だったらしいからな」
大学から最も近い駅の裏に、取り壊し予定の廃墟ビルがある。
俺たちはその廃墟ビルに連れて行かれるところだった、というわけだ。
「一緒にいたんだから、それはボクも聞いたよ。そうじゃなくて、今はどこに向かっているのかってこと」
「ビルに行く前に、里村君を家まで送っているところじゃないか」
「何それ? っていうか、ボクの家知ってるの?」
「……知らないな。教えてもらっても?」
本当は知っているが、この時間軸でそれはおかしい話だ。
「それはいいんだけど、どうしてボクの家に?」
「……心配だから、かな」
「大丈夫だよ。彼らのことは話も済んだしさ。それに、もうあまり時間ないから、廃墟ビルに向かった方がいいよ」
「里村君は、ひとりで帰るのか?」
「もちろん、ひとりで帰れるけど、今は帰らないよ」
「……」
「ボクも一緒に行く」
「危ないから、家で大人しくしておいた方がいい」
「そういうわけにはいかないよ。元はといえばボクが原因でしょ。古野白さんのことも気になるし、一緒に行くよ」
「何が起こるか分からないんだ。里村君は家で待機してもらえないか。結果の連絡はするからさ」
「有馬くんといれば大丈夫でしょ。だから、ボクも行く」
「……」
確かに、俺が力を出して良いのなら、里村ひとりを守ることは可能だと思う。
だが、それをすると俺の能力がばれてしまう。
結果、異世界の露見につながる可能性も否定できない。
それは避けたいところだ。
となると、里村を連れて行くのは危険すぎる。
おそらく、相手は古野白さんと敵対する異能者。
何が起こるか想像もできないのだから。
「有馬くんがひとりで行っても、後からボクも行くから。場所は知ってるんだし」
そこが問題だ。
あの3人に洗いざらい喋らせた場には、里村もいたんだよなぁ。
「いいでしょ?」
そう言えばこいつ、言い出したら聞かない奴だった。
見た目に反して強情なんだよ、困ったことに。
「駄目かなぁ?」
その上、この上目遣い。
分かってやってるのか?
……。
はぁぁ。
下手にひとりで行動されるより、俺が監視した方がまし。
まだ一緒の方がいいか。
仕方ない。
「……責任は持てないぞ」
「大丈夫だよ」
「指示には必ず従うように」
「うん、分かった」
「無茶は禁止」
「分かってるよ。もう、心配性だなぁ」
いや、危険を分かってないのはお前の方だ。
「……それと、簡単な変装も必要だな」
「分かった。じゃあ、駅前のキンドに寄ろうよ」
ということで、キンドで購入した帽子とサングラスで軽く変装。
その姿で駅裏に向かっていると。
「ボクたち、もう友達だよね」
突然、里村がこちらを見あげてきた。
「……」
友達。
友達かぁ。
前回の人生では、ほぼ使うことのなかったこの単語。
今回の人生では……。
「ああ……里村君とは友達だな」
「だよね!」
そうだな。
けど、そんな目で嬉しそうに俺を見つめるなよ。
「あっ、里村でいいよ」
「……なら、俺も有馬でいいから」
「有馬……ううん、やっぱり有馬くんって呼んでいいかな? そっちの方がしっくりくるから」
「いいけど」
「うん、うん。それと、もう気を遣って話さなくていいからね。友達なんだから」
「……分かった」
これに近い会話を前回も里村とした記憶がある。
どの時間軸でも、里村はやっぱり里村だ。
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