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第5章 王都編
王都 1
なんとか閉門前に着くことができた。
これで、ようやく人心地つける。
と、思ったのだが……。
エリシティア様たちと門兵の話がなかなか終わらない。
多数の賊を引き連れているため、手続きに時間がかかるようだ。
そんなわけで、エリシティア様たちとは城門を入った所で別れることになった。
「時間がかかるものなのですね」
「そのようです。今回は賊の身柄を預かるのですから、仕方ないことですが」
隣国の王族であっても時間がかかる。
そういうものなんだな。
「それで、コーキにジンクよ。此度のこと礼をしたいのだが、王都にはしばらく滞在するのか?」
「そうですね、オレは王都で暮らしてますから」
「私は数日後には王都を出る予定です」
ウィルさん次第で日程は変わるものの、王都に長期滞在することはないだろう。
「ふむ。ならば、早い方が良いな。ウォーライル、明日はどうだ?」
「明日は午前に式典があり、午餐会、小舞踏会と続きます。その後は休憩をはさんで晩餐会となりますので、難しいかと」
「休憩時に館に戻ることはできんのか?」
「さすがに、それは……」
「襲撃された直後だというのに、厄介なことだな」
「……いっそ、すべてキャンセルいたしましょうか?」
「式典も舞踏会もすべてか」
「はい。襲撃後ですので、それも可能かと」
「元気な姿を門兵に見られておるぞ」
「……」
「すべてのキャンセルというのは、キュベリッツに迷惑も掛かるであろう」
「……はい」
「明日は、予定通り式典に付き合うとしよう。それで、明後日はどうだ?」
「午後からでしたら」
「コーキ、ジンク、明後日の午後は空いておるか?」
「オレは大丈夫ですよ」
「私も空いております」
「では、決まりだな」
ということで、明後日の午後に決定。
あまり王女様に関わるつもりはなかったのだが、これは仕方ないだろう。
「中央通りから西にひとつ入った通り沿いにある『煉瓦と煙亭』だから、間違えんなよ」
「分かっていますよ」
エリシティア様たちと別れた後。
王都の家に帰るジンクとも別れることに。
「腹を空かせて来るんだぞ」
「了解です。では、また明後日に」
そのジンクが、明後日の昼に親が経営するレストランで俺とウィルさんに昼食を御馳走してくれるらしい。それも、自らが腕を振るってくれると。
ジンクが料理人というのは本当なんだな……。
「おう! ふたりとも王都を楽しんでくれよ」
「はい」
「ええ、そのつもりです」
「じゃあ、また明後日だ」
そう言って、軽い足取りで去って行った。
「私たちも宿を探しましょうか」
「そうですね。もう遅いですから、早めに探しましょう」
既に夜の帳が下りている時間だ。
早く宿に入った方がいい。
そう思って急ぐ王都の大通り。
やっぱり、オルドウとは違うな。
通りに設置された多くの街灯が煌々と道を照らし出している。
「想像以上に明るいですね」
「ええ、本当に」
オルドウの街にも魔道具による灯は存在していたが、これほど多くはなかった。
それに、一つひとつの明るさも違う。
この明るさなら、夜の街でもそれなりに観光気分で眺めることができそうだな。
とはいえ、色々と見て回るのは明日以降か。
「あちらが多くの宿が存在する区画みたいですね。コーキさん行きましょう」
キュベリッツ王国の王都キュベルリア。
白都とも称されるキュベルリアは美しく巨大な都市だ。
30万余りの市民が暮らすこの都市は、10メートル以上の高さがある城壁に四方を囲まれた堅牢な城塞都市としても有名で、キュベリッツ王国の繁栄の象徴として国内外に知られているらしい。
都市の中心部には、外壁よりひとまわり低い内壁で囲われた貴族の居住区があり、さらにその中心には白亜宮と呼ばれる壮麗な宮城が燦然とそびえ立っている。
この王都キュベルリアは緩やかな高台に位置しているのだが、宮城周辺が最も高地となっているため貴族区域外にいても白亜宮の威容をはっきりと眺めることができる。
そのため、キュベルリアを初めて訪れる者は城門をくぐった際に、先に見える宮城に見惚れて立ち止まってしまうという。
その正門に名付けられた名前が『時忘門』。
文字通り、時を忘れて白亜宮に見入ってしまうのは初見の訪問者に限らないとも言われている。その奇跡の扉を開くのが『時忘門』だ。
『時忘門』の先に広がるのは、白を基調とした街並み、前方にそびえる純白の白亜宮。
白の全てが陽光に輝き、キュベルリアを訪問する者の心をつかんで離さない。
まさに美しき白の都、白都キュベルリア。
これで、ようやく人心地つける。
と、思ったのだが……。
エリシティア様たちと門兵の話がなかなか終わらない。
多数の賊を引き連れているため、手続きに時間がかかるようだ。
そんなわけで、エリシティア様たちとは城門を入った所で別れることになった。
「時間がかかるものなのですね」
「そのようです。今回は賊の身柄を預かるのですから、仕方ないことですが」
隣国の王族であっても時間がかかる。
そういうものなんだな。
「それで、コーキにジンクよ。此度のこと礼をしたいのだが、王都にはしばらく滞在するのか?」
「そうですね、オレは王都で暮らしてますから」
「私は数日後には王都を出る予定です」
ウィルさん次第で日程は変わるものの、王都に長期滞在することはないだろう。
「ふむ。ならば、早い方が良いな。ウォーライル、明日はどうだ?」
「明日は午前に式典があり、午餐会、小舞踏会と続きます。その後は休憩をはさんで晩餐会となりますので、難しいかと」
「休憩時に館に戻ることはできんのか?」
「さすがに、それは……」
「襲撃された直後だというのに、厄介なことだな」
「……いっそ、すべてキャンセルいたしましょうか?」
「式典も舞踏会もすべてか」
「はい。襲撃後ですので、それも可能かと」
「元気な姿を門兵に見られておるぞ」
「……」
「すべてのキャンセルというのは、キュベリッツに迷惑も掛かるであろう」
「……はい」
「明日は、予定通り式典に付き合うとしよう。それで、明後日はどうだ?」
「午後からでしたら」
「コーキ、ジンク、明後日の午後は空いておるか?」
「オレは大丈夫ですよ」
「私も空いております」
「では、決まりだな」
ということで、明後日の午後に決定。
あまり王女様に関わるつもりはなかったのだが、これは仕方ないだろう。
「中央通りから西にひとつ入った通り沿いにある『煉瓦と煙亭』だから、間違えんなよ」
「分かっていますよ」
エリシティア様たちと別れた後。
王都の家に帰るジンクとも別れることに。
「腹を空かせて来るんだぞ」
「了解です。では、また明後日に」
そのジンクが、明後日の昼に親が経営するレストランで俺とウィルさんに昼食を御馳走してくれるらしい。それも、自らが腕を振るってくれると。
ジンクが料理人というのは本当なんだな……。
「おう! ふたりとも王都を楽しんでくれよ」
「はい」
「ええ、そのつもりです」
「じゃあ、また明後日だ」
そう言って、軽い足取りで去って行った。
「私たちも宿を探しましょうか」
「そうですね。もう遅いですから、早めに探しましょう」
既に夜の帳が下りている時間だ。
早く宿に入った方がいい。
そう思って急ぐ王都の大通り。
やっぱり、オルドウとは違うな。
通りに設置された多くの街灯が煌々と道を照らし出している。
「想像以上に明るいですね」
「ええ、本当に」
オルドウの街にも魔道具による灯は存在していたが、これほど多くはなかった。
それに、一つひとつの明るさも違う。
この明るさなら、夜の街でもそれなりに観光気分で眺めることができそうだな。
とはいえ、色々と見て回るのは明日以降か。
「あちらが多くの宿が存在する区画みたいですね。コーキさん行きましょう」
キュベリッツ王国の王都キュベルリア。
白都とも称されるキュベルリアは美しく巨大な都市だ。
30万余りの市民が暮らすこの都市は、10メートル以上の高さがある城壁に四方を囲まれた堅牢な城塞都市としても有名で、キュベリッツ王国の繁栄の象徴として国内外に知られているらしい。
都市の中心部には、外壁よりひとまわり低い内壁で囲われた貴族の居住区があり、さらにその中心には白亜宮と呼ばれる壮麗な宮城が燦然とそびえ立っている。
この王都キュベルリアは緩やかな高台に位置しているのだが、宮城周辺が最も高地となっているため貴族区域外にいても白亜宮の威容をはっきりと眺めることができる。
そのため、キュベルリアを初めて訪れる者は城門をくぐった際に、先に見える宮城に見惚れて立ち止まってしまうという。
その正門に名付けられた名前が『時忘門』。
文字通り、時を忘れて白亜宮に見入ってしまうのは初見の訪問者に限らないとも言われている。その奇跡の扉を開くのが『時忘門』だ。
『時忘門』の先に広がるのは、白を基調とした街並み、前方にそびえる純白の白亜宮。
白の全てが陽光に輝き、キュベルリアを訪問する者の心をつかんで離さない。
まさに美しき白の都、白都キュベルリア。
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