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第5章 王都編
王都冒険者ギルド 3
「立ち合いでオレが実力を見てやろう」
はぁ。
そうなるよな。
この流れなんだ。
分かってたさ。
「……」
ヴァルターさんがウィルさんを心配する気持ちは理解できる。
ただ、こちらとしてもウィルさんの信頼を裏切ることはできない。
となると、もう……。
王都に来てまで腕を試されるとは思っていなかったが。
「分かりました」
「おっ、いいのか! オレは王都の冒険者ギルドの教官だぞ」
ヴァルターさん、このギルドの教官だったのか。
「はい。ヴァルターさんの心配も分かりますが、こうしてウィルさんが私のことを信用してくれていますので」
「その気概は立派なもんだ」
「コーキさん、そんなことしなくてもいいんですよ。ヴァルターの言葉なんか無視してください!」
「お嬢、そりゃあ、ないですよ」
「あんた、ウィル様の考えは尊重しないと」
「いや、こればかりは譲れない。お嬢の安全のためだからな!」
俺との手合わせを主張するヴァルターさん。
反対するウィルさん。
ウィルさんの考えを尊重するカロリナさん。
そんな混沌とした状況の中。
当事者であるはずの俺ひとりだけ蚊帳の外。
といった状態で、まったく話が進まない。
この時間のギルドがいくら空いているとはいえ。
このまま皆が主張を譲らないと、さすがに人目を引いてしまう。
実際、こちらを眺めている人が増えてきたような……。
「ウィルさん、カロリナさん、私なら問題ありません。ヴァルターさんも、このままでは納得できないでしょうし」
こんな場所で目立つより、さっさと実力を見てもらった方がいい。
「でも、コーキさん」
「大丈夫ですから」
「……」
「いい心意気だ。よし、場所を移すぞ」
「分かりました」
俺の返答を聞き、場所を借りる手続きをするためギルドの受付に向かうヴァルターさん。
カロリナさんも一緒に受付に行くようだ。
ところで、俺の名前なんだが。
この場では、アリマにしてもらうように頼んでいる。
というのも、今回の王都訪問で出会った相手がエリシティア様にコルドゥラ、そして剣姫イリサヴィア様と。
どうにも厄介事に巻き込まれそうな気がしてならない。
せっかく髪を茶色に染めて目立たないようにして来たというのに……。
ここはもう、コウキという名前は伏せておいた方が無難。
そう考えたわけだ。
「コーキさん、こんな迷惑を……。本当に良いのですか?」
申し訳なさを全面に出して語りかけてくるウィルさん。
「ええ、問題ないです。ヴァルターさんとカロリナさんにも安心してもらいたいですからね」
「……ありがとうございます」
「いえ、これも仕事みたいなものですよ」
「コーキさんは優しいですね」
「……」
「では、お手数ですが、よろしくお願いいたします」
こちらを気遣い、さらには頭まで下げてくれる。
申し訳ない気持ちになってしまうな。
「……了解しました」
が、まあ、それはそれとして。
「ところで、お嬢と呼ばれてもいいんですか? ウィルさんは男装しているのに」
「あっ、そうでした!」
だよな。
この場にはあまり人がいなかったから問題ないと思うけれど、大勢の前でお嬢と呼ばれるのはまずいだろうから。
「ヴァルターに注意しておかないと」
そこに。
カロリナさんだけがこちらに戻って来た。
ヴァルターさんはまだ受付にいるようだ。
「ウィル様、コーキさん、本当に大丈夫ですか? ウチのはやる気満々ですが」
「とりあえず、頑張ります」
「ウチのヴァルターは、あれですよ。ウィル様、良いのでしょうか? もちろん、加減はすると思いますけど」
「大丈夫。コーキさんなら、ヴァルター相手にも良い勝負ができるはずです」
「大丈夫なのですね……」
「ええ、間違いないです」
この2人の言葉。
やはり、ヴァルターさんはかなりの腕の持ち主なんだな。
「でも、手合わせするとなると……。コーキさんには申し訳ないのですが、少し楽しみになってきました」
「気にしないでください。楽しんで観戦してもらえれば私も嬉しいですよ」
「はい!」
どうせやるんだ。
それなら、ウィルさんに楽しんでもらった方がいい。
「幻影ヴァルターとコーキさんの勝負。楽しみです!!」
「えっ?」
はぁ。
そうなるよな。
この流れなんだ。
分かってたさ。
「……」
ヴァルターさんがウィルさんを心配する気持ちは理解できる。
ただ、こちらとしてもウィルさんの信頼を裏切ることはできない。
となると、もう……。
王都に来てまで腕を試されるとは思っていなかったが。
「分かりました」
「おっ、いいのか! オレは王都の冒険者ギルドの教官だぞ」
ヴァルターさん、このギルドの教官だったのか。
「はい。ヴァルターさんの心配も分かりますが、こうしてウィルさんが私のことを信用してくれていますので」
「その気概は立派なもんだ」
「コーキさん、そんなことしなくてもいいんですよ。ヴァルターの言葉なんか無視してください!」
「お嬢、そりゃあ、ないですよ」
「あんた、ウィル様の考えは尊重しないと」
「いや、こればかりは譲れない。お嬢の安全のためだからな!」
俺との手合わせを主張するヴァルターさん。
反対するウィルさん。
ウィルさんの考えを尊重するカロリナさん。
そんな混沌とした状況の中。
当事者であるはずの俺ひとりだけ蚊帳の外。
といった状態で、まったく話が進まない。
この時間のギルドがいくら空いているとはいえ。
このまま皆が主張を譲らないと、さすがに人目を引いてしまう。
実際、こちらを眺めている人が増えてきたような……。
「ウィルさん、カロリナさん、私なら問題ありません。ヴァルターさんも、このままでは納得できないでしょうし」
こんな場所で目立つより、さっさと実力を見てもらった方がいい。
「でも、コーキさん」
「大丈夫ですから」
「……」
「いい心意気だ。よし、場所を移すぞ」
「分かりました」
俺の返答を聞き、場所を借りる手続きをするためギルドの受付に向かうヴァルターさん。
カロリナさんも一緒に受付に行くようだ。
ところで、俺の名前なんだが。
この場では、アリマにしてもらうように頼んでいる。
というのも、今回の王都訪問で出会った相手がエリシティア様にコルドゥラ、そして剣姫イリサヴィア様と。
どうにも厄介事に巻き込まれそうな気がしてならない。
せっかく髪を茶色に染めて目立たないようにして来たというのに……。
ここはもう、コウキという名前は伏せておいた方が無難。
そう考えたわけだ。
「コーキさん、こんな迷惑を……。本当に良いのですか?」
申し訳なさを全面に出して語りかけてくるウィルさん。
「ええ、問題ないです。ヴァルターさんとカロリナさんにも安心してもらいたいですからね」
「……ありがとうございます」
「いえ、これも仕事みたいなものですよ」
「コーキさんは優しいですね」
「……」
「では、お手数ですが、よろしくお願いいたします」
こちらを気遣い、さらには頭まで下げてくれる。
申し訳ない気持ちになってしまうな。
「……了解しました」
が、まあ、それはそれとして。
「ところで、お嬢と呼ばれてもいいんですか? ウィルさんは男装しているのに」
「あっ、そうでした!」
だよな。
この場にはあまり人がいなかったから問題ないと思うけれど、大勢の前でお嬢と呼ばれるのはまずいだろうから。
「ヴァルターに注意しておかないと」
そこに。
カロリナさんだけがこちらに戻って来た。
ヴァルターさんはまだ受付にいるようだ。
「ウィル様、コーキさん、本当に大丈夫ですか? ウチのはやる気満々ですが」
「とりあえず、頑張ります」
「ウチのヴァルターは、あれですよ。ウィル様、良いのでしょうか? もちろん、加減はすると思いますけど」
「大丈夫。コーキさんなら、ヴァルター相手にも良い勝負ができるはずです」
「大丈夫なのですね……」
「ええ、間違いないです」
この2人の言葉。
やはり、ヴァルターさんはかなりの腕の持ち主なんだな。
「でも、手合わせするとなると……。コーキさんには申し訳ないのですが、少し楽しみになってきました」
「気にしないでください。楽しんで観戦してもらえれば私も嬉しいですよ」
「はい!」
どうせやるんだ。
それなら、ウィルさんに楽しんでもらった方がいい。
「幻影ヴァルターとコーキさんの勝負。楽しみです!!」
「えっ?」
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