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第5章 王都編
迎撃 6
俺の体調は万全じゃない。
マリスダリスの刻宝の影響も残っている。
それでも、魔落での修業のおかげで、剣を振るうことができた。
何とか倒すことができた。
「……」
倒せたのは俺の力だけじゃないな。
オルセーが油断していたから。
宝具を使ったことで、俺が動けないと侮っていたから。
だから、この身体でも一撃で。
「オルセー様!?」
「オルセー様がやられた!」
「そんな馬鹿な……」
「宝具を使ったのに」
「マリスダリスの刻宝が効かないなんて……」
あっけないような。
長かったような、短かったような。
自分でも名状しがたい感情が浮かび上がってくる。
そんな中、予想通り生まれたのがひとつの思い。
「……」
一対一の戦闘、しかも剣で相手を手にかけてしまった。
ついに剣で人を……。
……。
……。
なのに、どうしてだろう?
思っていたほど心が動かない。
それに、この奇妙な感覚?
覚悟していたからか?
体調が悪いからなのか?
分からない。
分からないが、悪くないぞ。
これなら、平常心で戦闘を続けることができる!
「……」
手に力を入れ、剣を握り直す。
よし!
剣を振るえる!
「やられたのか、オルセー」
「でかした!」
俺のすぐ傍にはヴァルターさんと相手のバシモス。
戦いの手を止め、こちらを眺めている。
「さすがだな」
「まあ、なんとか」
残りの連中はオルセーが倒された驚きで呆然と立ち尽くしたまま。
「残りの者は私が相手しますので、ヴァルターさんはそちらをお願いします」
「それは助かるが……顔色が良くないぞ。まだ戦えるのか?」
「やってみますよ」
やるしかないだろ。
オルセーの後ろに控えていた武装兵に向け、足を運ぶ。
少しふらつくが、それはやむを得ないこと。
体調不良に加え、マリスダリスの刻宝を使われたのだから。
「くっ!?」
「相手はひとりだ」
「オルセー様の仇を取るぞ!」
数名が自失状態から立ち直ったみたいだ。
「かかれ!」
「「「「「「「「おう!!」」」」」」」」
まだ動けない者もいるが、その大半が怒号を上げて向かってくる。
対するこちらは数歩後退。
狭隘地で応戦させてもらおう。
「「「「「「「「オオォ!!」」」」」」」」
殺到してくる武装兵。
けど、残念だったな。
ここには多人数が剣を振るう余裕などない。
せいぜい2、3人がいいところなんだよ。
「「「オオォ!」」」
先陣として突っ込んできたのは3人。
後ろには5人が控えている。
その中には魔法の準備をしている者もいるな。
なら、まずは。
後ろの5人に対して。
「雷波!」
身体の自由を奪う程度の威力を持った一撃を放つ。
「ギャァ!」
「ウグッ!」
「ウゥゥ」
「アッ」
「……」
その場に崩れ落ちる5人。
それを見つめる残りの者たちの動きも瞬時に止まってしまう。
先陣の3人も背後を振り返ったまま。
そんな隙を見逃してやる必要はない。
「雷波!」
「「「ウッ!」」」
今度は、その3人がこちらに背を向けたまま地に沈んだ。
よーし!
これで残っているレンヌ家の兵士は10人程度。
しかも、まだ動きを止めている。
これなら、あと数撃で終われそうだぞ。
続けて雷波を撃とうとしたところで。
「!?」
立っていられないほどの目眩が急に襲いかかってきた。
身体に力も入らない。
これまでの疲労では経験のない感覚!
「くっ!」
耐えきれず、片手と片膝を地面につけてしまう。
まずい。
まだ戦闘中なのに。
「……」
すぐには立ち上がれない。
雷波を放つこともできない。
他の魔法も……。
無理だ!
まずいぞ。
足音が近づいてくる。
このままじゃ、なす術がない。
「チャンスだ! かかれぇ!!」
「「「「「オオォ!!」」」」」
「コーキさん!」
まずい、まずい!
「っ!」
まだ動けない。
なら!
「来い!!」
俺の言葉に呼応するように、目の前の空間に黒い霧が溢れ出す。
マリスダリスの刻宝の影響も残っている。
それでも、魔落での修業のおかげで、剣を振るうことができた。
何とか倒すことができた。
「……」
倒せたのは俺の力だけじゃないな。
オルセーが油断していたから。
宝具を使ったことで、俺が動けないと侮っていたから。
だから、この身体でも一撃で。
「オルセー様!?」
「オルセー様がやられた!」
「そんな馬鹿な……」
「宝具を使ったのに」
「マリスダリスの刻宝が効かないなんて……」
あっけないような。
長かったような、短かったような。
自分でも名状しがたい感情が浮かび上がってくる。
そんな中、予想通り生まれたのがひとつの思い。
「……」
一対一の戦闘、しかも剣で相手を手にかけてしまった。
ついに剣で人を……。
……。
……。
なのに、どうしてだろう?
思っていたほど心が動かない。
それに、この奇妙な感覚?
覚悟していたからか?
体調が悪いからなのか?
分からない。
分からないが、悪くないぞ。
これなら、平常心で戦闘を続けることができる!
「……」
手に力を入れ、剣を握り直す。
よし!
剣を振るえる!
「やられたのか、オルセー」
「でかした!」
俺のすぐ傍にはヴァルターさんと相手のバシモス。
戦いの手を止め、こちらを眺めている。
「さすがだな」
「まあ、なんとか」
残りの連中はオルセーが倒された驚きで呆然と立ち尽くしたまま。
「残りの者は私が相手しますので、ヴァルターさんはそちらをお願いします」
「それは助かるが……顔色が良くないぞ。まだ戦えるのか?」
「やってみますよ」
やるしかないだろ。
オルセーの後ろに控えていた武装兵に向け、足を運ぶ。
少しふらつくが、それはやむを得ないこと。
体調不良に加え、マリスダリスの刻宝を使われたのだから。
「くっ!?」
「相手はひとりだ」
「オルセー様の仇を取るぞ!」
数名が自失状態から立ち直ったみたいだ。
「かかれ!」
「「「「「「「「おう!!」」」」」」」」
まだ動けない者もいるが、その大半が怒号を上げて向かってくる。
対するこちらは数歩後退。
狭隘地で応戦させてもらおう。
「「「「「「「「オオォ!!」」」」」」」」
殺到してくる武装兵。
けど、残念だったな。
ここには多人数が剣を振るう余裕などない。
せいぜい2、3人がいいところなんだよ。
「「「オオォ!」」」
先陣として突っ込んできたのは3人。
後ろには5人が控えている。
その中には魔法の準備をしている者もいるな。
なら、まずは。
後ろの5人に対して。
「雷波!」
身体の自由を奪う程度の威力を持った一撃を放つ。
「ギャァ!」
「ウグッ!」
「ウゥゥ」
「アッ」
「……」
その場に崩れ落ちる5人。
それを見つめる残りの者たちの動きも瞬時に止まってしまう。
先陣の3人も背後を振り返ったまま。
そんな隙を見逃してやる必要はない。
「雷波!」
「「「ウッ!」」」
今度は、その3人がこちらに背を向けたまま地に沈んだ。
よーし!
これで残っているレンヌ家の兵士は10人程度。
しかも、まだ動きを止めている。
これなら、あと数撃で終われそうだぞ。
続けて雷波を撃とうとしたところで。
「!?」
立っていられないほどの目眩が急に襲いかかってきた。
身体に力も入らない。
これまでの疲労では経験のない感覚!
「くっ!」
耐えきれず、片手と片膝を地面につけてしまう。
まずい。
まだ戦闘中なのに。
「……」
すぐには立ち上がれない。
雷波を放つこともできない。
他の魔法も……。
無理だ!
まずいぞ。
足音が近づいてくる。
このままじゃ、なす術がない。
「チャンスだ! かかれぇ!!」
「「「「「オオォ!!」」」」」
「コーキさん!」
まずい、まずい!
「っ!」
まだ動けない。
なら!
「来い!!」
俺の言葉に呼応するように、目の前の空間に黒い霧が溢れ出す。
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