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第6章 移ろう魂編
急転 7
<セレスティーヌ視点>
『セレス、お前が私を助けに!?』
『お父様、私だけではありません。ここにいる皆の力を借りてお父様を助けることができたのです』
『……そうだな。皆のおかげだ。それでも、セレスが助けに来てくれた事実に変わりはない』
『……はい』
『このような勇敢な娘を持てたこと、私は誇りに思うぞ』
『お父様……』
『心から感謝するよ、セレス』
『……』
嬉しい。
お父様にこうしてまた会えたこと。
お力になれたこと。
そして、お父様に認めてもらえたこと。
神娘ではなく、ひとりの娘として。
そう、あの瞬間。
私は間違いなく幸せを感じていた。
今まで感じたことのない幸せを。
「……」
私はいつも家族のみんなに可愛がってもらっていた。
神娘として大切にもされてきた。
神娘の力を褒められもした。
でも、神娘ではない素のままの私はどうなのだろう?
ただの娘としての私は?
ひとりの女性としては?
本当の私を見てもらえているのか?
必要とされているのか?
そんな疑問が頭から離れることはなかった。
本当の私を分かってもらいたい。
認めてもらいたい。
そう願っていたのに、いつの間にか神娘の仮面を被り。
それが日常のこととなってしまっていた。
仮面を外すことのない時間が普通に……。
そんな私のことを皆は褒め、これぞ真の神娘だと言って敬ってくれたけど。
決してそれが嫌だったわけではないけれど。
でも、私の中身は違う。
違うから……。
本当の私を認めてもらいたいという思いは、満たされることはなった。
ユーナスあにさまに理解してもらうまでは。
「……」
本当の私を知っているのはユーナスあにさま。
そして、コーキさん……。
えっ?
コーキさん?
どうして?
どうして、コーキさんのことが今頭に浮かんだの?
確かに、あの地下の世界で。
極限状態で一緒に過ごしたけれど。
「……」
コーキさん、ある程度は私のことを理解していると思う。
でも、本当の私まで理解しているはずがない。
だって、見せてないから。
情けない私の本質を知らないのだから。
それなのに、どうしてコーキさんの名前が?
『閣下、セレスティーヌ様。お話は後程に。まずは、ここからの脱出を!』
『うむ。今はワイルズの指示に従うとしよう。頼んだぞ』
『はっ』
そうだ!
ワイルズの言う通り、お父様と共に今は早く脱出しないと。
瑠璃離宮の中で、ゆっくりなんてしてられない。
まだ、救出作戦は終わっていないのよ!
っ?
終わっていない??
「……」
救出作戦は成功したのでは?
これは……?
夢?
私、夢の中にいるの?
「……」
ただの夢?
それとも、白昼夢?
まさか、予知の夢?
すると。
「何!?」
目の前が一瞬で切り替わり、そこには。
『セレス様、無理はなさらないでください。そんなに祝福をお使いになると、お身体に障ります』
『私は大丈夫ですよ、シア』
『大丈夫ではありません。お顔の色も良くないです』
『……ここには治癒魔法を使える者が少ないのですから、できる者が頑張らないと』
『ですが……』
私が喋っている。
それを私が見ている。
やっぱり夢なの?
けど、この場面は……。
『あっ!?』
『セレス様、大丈夫ですか?』
『セレス様?』
『『『セレス様!?』』』
これは……!
思い出した!
ここ、あの救出作戦の後だ。
私は倒れてしまったんだ。
それで、私は……。
……。
……。
……。
暗い。
とても暗い。
何も見えない。
何も感じない。
気付いた時には、私はそんな空間にいた。
「……」
暗いのに、どうしてか。
不安を感じることはない。
とても不思議な感覚が……。
******************
毎日訪れている病室。
俺の目に映る幸奈の姿には、やっぱり変わりはない。
「幸奈……」
ベッドの上に横たわる幸奈。
その表情はとても穏やかで、今にも目を覚ますのではないかと思ってしまう。
けれど。
ずっと、そう思うだけ。
依然、幸奈の意識が戻ることはない。
「……」
今は病室に武志の姿がない。
今日の午前中、学校で用事があるそうだ。
幸奈の両親も今はいない。
いや、今だけじゃないな。
ふたりがこの病室を訪れることなんて、ほとんどないのだから。
実際、俺はこの部屋で幸奈の両親に会っていない。
「……」
今回、武志と話をすることで知った事実。
決して良好とは言えない両親と幸奈との複雑な関係。
幸奈が今までどういった環境で暮らしてきたのかを初めて知った。
「はぁ……」
俺は本当に何も知らなかったんだな。
それに、知ろうともしていなかった。
前回の人生でも、今回の人生でも……。
ほんと、俺はどうしようもないな……。
「……」
けど!
遅くなったけど、今回はこうして知ることができた。
なら、この人生では対処できる。
解決策を一緒に考えることもできる。
だから、目覚めてくれよ。
なっ、幸奈。
お願いだ!
『セレス、お前が私を助けに!?』
『お父様、私だけではありません。ここにいる皆の力を借りてお父様を助けることができたのです』
『……そうだな。皆のおかげだ。それでも、セレスが助けに来てくれた事実に変わりはない』
『……はい』
『このような勇敢な娘を持てたこと、私は誇りに思うぞ』
『お父様……』
『心から感謝するよ、セレス』
『……』
嬉しい。
お父様にこうしてまた会えたこと。
お力になれたこと。
そして、お父様に認めてもらえたこと。
神娘ではなく、ひとりの娘として。
そう、あの瞬間。
私は間違いなく幸せを感じていた。
今まで感じたことのない幸せを。
「……」
私はいつも家族のみんなに可愛がってもらっていた。
神娘として大切にもされてきた。
神娘の力を褒められもした。
でも、神娘ではない素のままの私はどうなのだろう?
ただの娘としての私は?
ひとりの女性としては?
本当の私を見てもらえているのか?
必要とされているのか?
そんな疑問が頭から離れることはなかった。
本当の私を分かってもらいたい。
認めてもらいたい。
そう願っていたのに、いつの間にか神娘の仮面を被り。
それが日常のこととなってしまっていた。
仮面を外すことのない時間が普通に……。
そんな私のことを皆は褒め、これぞ真の神娘だと言って敬ってくれたけど。
決してそれが嫌だったわけではないけれど。
でも、私の中身は違う。
違うから……。
本当の私を認めてもらいたいという思いは、満たされることはなった。
ユーナスあにさまに理解してもらうまでは。
「……」
本当の私を知っているのはユーナスあにさま。
そして、コーキさん……。
えっ?
コーキさん?
どうして?
どうして、コーキさんのことが今頭に浮かんだの?
確かに、あの地下の世界で。
極限状態で一緒に過ごしたけれど。
「……」
コーキさん、ある程度は私のことを理解していると思う。
でも、本当の私まで理解しているはずがない。
だって、見せてないから。
情けない私の本質を知らないのだから。
それなのに、どうしてコーキさんの名前が?
『閣下、セレスティーヌ様。お話は後程に。まずは、ここからの脱出を!』
『うむ。今はワイルズの指示に従うとしよう。頼んだぞ』
『はっ』
そうだ!
ワイルズの言う通り、お父様と共に今は早く脱出しないと。
瑠璃離宮の中で、ゆっくりなんてしてられない。
まだ、救出作戦は終わっていないのよ!
っ?
終わっていない??
「……」
救出作戦は成功したのでは?
これは……?
夢?
私、夢の中にいるの?
「……」
ただの夢?
それとも、白昼夢?
まさか、予知の夢?
すると。
「何!?」
目の前が一瞬で切り替わり、そこには。
『セレス様、無理はなさらないでください。そんなに祝福をお使いになると、お身体に障ります』
『私は大丈夫ですよ、シア』
『大丈夫ではありません。お顔の色も良くないです』
『……ここには治癒魔法を使える者が少ないのですから、できる者が頑張らないと』
『ですが……』
私が喋っている。
それを私が見ている。
やっぱり夢なの?
けど、この場面は……。
『あっ!?』
『セレス様、大丈夫ですか?』
『セレス様?』
『『『セレス様!?』』』
これは……!
思い出した!
ここ、あの救出作戦の後だ。
私は倒れてしまったんだ。
それで、私は……。
……。
……。
……。
暗い。
とても暗い。
何も見えない。
何も感じない。
気付いた時には、私はそんな空間にいた。
「……」
暗いのに、どうしてか。
不安を感じることはない。
とても不思議な感覚が……。
******************
毎日訪れている病室。
俺の目に映る幸奈の姿には、やっぱり変わりはない。
「幸奈……」
ベッドの上に横たわる幸奈。
その表情はとても穏やかで、今にも目を覚ますのではないかと思ってしまう。
けれど。
ずっと、そう思うだけ。
依然、幸奈の意識が戻ることはない。
「……」
今は病室に武志の姿がない。
今日の午前中、学校で用事があるそうだ。
幸奈の両親も今はいない。
いや、今だけじゃないな。
ふたりがこの病室を訪れることなんて、ほとんどないのだから。
実際、俺はこの部屋で幸奈の両親に会っていない。
「……」
今回、武志と話をすることで知った事実。
決して良好とは言えない両親と幸奈との複雑な関係。
幸奈が今までどういった環境で暮らしてきたのかを初めて知った。
「はぁ……」
俺は本当に何も知らなかったんだな。
それに、知ろうともしていなかった。
前回の人生でも、今回の人生でも……。
ほんと、俺はどうしようもないな……。
「……」
けど!
遅くなったけど、今回はこうして知ることができた。
なら、この人生では対処できる。
解決策を一緒に考えることもできる。
だから、目覚めてくれよ。
なっ、幸奈。
お願いだ!
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