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第6章 移ろう魂編
移ろい、移ろわぬもの 1
<セレスティーヌ視点>
「そんなことが……」
「……」
「本当のことなのですね、コーキさん?」
「はい。信じられないと思いますが、お話したことは全て事実です」
「……信じます。コーキさんのことは信じていますから」
コーキさんが私に嘘を吐くはずがない。
特に、こんな重要なことで。
それに。
「今のこの姿を見れば……」
鏡に映る私は、セレスティーヌの姿ではない。
明らかに違う。
初めて見る体。
けれど、その中にいるのは私。
他人の体の中に私が入っている。
その事実が、現実を教えてくれる。
コーキさんの話が真実だと。
「こんな荒唐無稽な話を信じていただき、ありがとうございます」
「いえ……」
「その体に、この世界の環境と、慣れないことばかりだと思いますが」
「……」
「しばらくはこちらの世界で、幸奈の姿で過ごしてもらうことになります」
「はい。分かっております」
鏡に映る自分の姿。
コーキさんから聞いた説明。
本当に驚いてしまった。
今の私の状況も。
この世界のことも。
コーキさんが異世界の方で、2つの世界を往来できるということも……。
全てに驚き混乱したけれど。
「……」
私が目覚めたこの場所は、予知で見た未知のあの世界。
この部屋の中にあるものも窓の外に見えるものも、全てが異世界のもの。
オルドウの広場で、コーキさんに話した予知の中の世界。
そこは異世界ではと、コーキさんは言ってくれた。
あの時は冗談だと思ったけれど……。
本当のことだったのね。
本当に異世界の予知だったんだ。
「……」
周りは未知のものばかり。
未知なのに私は知っている。
だから……。
私の魂がこの体に入っていること。
私が異世界にいること。
もちろん驚きはあるけれど、納得するものもあった。
それに……。
コーキさんが、私をセレスだと気づけなかった理由も理解できたから。
「……」
コーキさん……。
私をゆきなと呼んで、私と認識できなかった時。
見知らぬ場所でひとりにされたようで、とても不安だった。
コーキさんが私のことを忘れてしまったんだと思うと、心が張り裂けそうで。
今の状況も忘れて、ただ悲しくて。
心が痛くて……。
でも、忘れたわけではなかったんだ。
それを知れただけで、体が満たされていく。
安心で心が……。
本当によかった!
「セレス様、身体は辛くないですか?」
「……平気だと思います」
ゆきなさんという方の体なのに、思った以上に馴染んでいるような?
不思議。
「そうですか。では、現在の状況は理解してもらえたようですので、今後についてお話しても?」
「はい、お願いします」
「セレス様の魂が今の体を出て本来の体に戻ることは……おそらく可能だと思います。ただ、それがいつ実現するかは分かりません」
「ゆきなさんの異能次第ということですね」
「そうなります。ですので、しばらくは幸奈としてこの世界で暮らしてもらう必要があります」
「はい」
あちらの世界のこと。
心配だけれど、幸いお父様の救出は無事終了している。
あとは、オルドウに下るだけ……。
それに、皆がついている。
シア、アル、ディアナ、ユーフィリア、ヴァーンさん。
ワディン騎士のみんなが。
だから、大丈夫。
きっと、無事にワディンに戻れるはず。
「……」
そもそも、この世界にいる私にできることなんて何もない。
どうしようもない。
それなら、今は自分のことを。
自分のことを考えるしか!
「この世界に不慣れなセレス様には、様々なことを知ってもらわなければいけません」
「……はい」
「私がずっとそばにいることができれば良いのですが、あちらの世界の様子を見に行く必要もありますので」
「……」
この世界でコーキさんと離れたくない。
でも、やっぱり。
あちらの世界のことも気になってしまう。
向こうにいるゆきなさん、お父様、みんな。
大丈夫だと思っても、心配が消えることなんてない。
けど、コーキさんが様子を見に行ってくれるなら……。
「当分の間、私は2世界を往来することになると思います」
「……」
「ですので、まずはこの世界について最低限の知識を身につけてもらえればと」
「……そうですね」
「それと、他の者がいる前ではセレス様のことを幸奈と呼びますので、忘れず返答してくださいね」
「……分かりました」
コーキさんにはセレスと呼んでもらいたい。
この世界でひとりにもなりたくない。
他にも色々と……。
でも、この状況だから。
そう。
今は頑張らないと!
「っ!?」
と思ったのに、急に頭痛が。
***********************
※ セレスの予知については、第3章『異世界人』『予知』や第4章『予知』『手掛かりは』などで少し触れております。
「そんなことが……」
「……」
「本当のことなのですね、コーキさん?」
「はい。信じられないと思いますが、お話したことは全て事実です」
「……信じます。コーキさんのことは信じていますから」
コーキさんが私に嘘を吐くはずがない。
特に、こんな重要なことで。
それに。
「今のこの姿を見れば……」
鏡に映る私は、セレスティーヌの姿ではない。
明らかに違う。
初めて見る体。
けれど、その中にいるのは私。
他人の体の中に私が入っている。
その事実が、現実を教えてくれる。
コーキさんの話が真実だと。
「こんな荒唐無稽な話を信じていただき、ありがとうございます」
「いえ……」
「その体に、この世界の環境と、慣れないことばかりだと思いますが」
「……」
「しばらくはこちらの世界で、幸奈の姿で過ごしてもらうことになります」
「はい。分かっております」
鏡に映る自分の姿。
コーキさんから聞いた説明。
本当に驚いてしまった。
今の私の状況も。
この世界のことも。
コーキさんが異世界の方で、2つの世界を往来できるということも……。
全てに驚き混乱したけれど。
「……」
私が目覚めたこの場所は、予知で見た未知のあの世界。
この部屋の中にあるものも窓の外に見えるものも、全てが異世界のもの。
オルドウの広場で、コーキさんに話した予知の中の世界。
そこは異世界ではと、コーキさんは言ってくれた。
あの時は冗談だと思ったけれど……。
本当のことだったのね。
本当に異世界の予知だったんだ。
「……」
周りは未知のものばかり。
未知なのに私は知っている。
だから……。
私の魂がこの体に入っていること。
私が異世界にいること。
もちろん驚きはあるけれど、納得するものもあった。
それに……。
コーキさんが、私をセレスだと気づけなかった理由も理解できたから。
「……」
コーキさん……。
私をゆきなと呼んで、私と認識できなかった時。
見知らぬ場所でひとりにされたようで、とても不安だった。
コーキさんが私のことを忘れてしまったんだと思うと、心が張り裂けそうで。
今の状況も忘れて、ただ悲しくて。
心が痛くて……。
でも、忘れたわけではなかったんだ。
それを知れただけで、体が満たされていく。
安心で心が……。
本当によかった!
「セレス様、身体は辛くないですか?」
「……平気だと思います」
ゆきなさんという方の体なのに、思った以上に馴染んでいるような?
不思議。
「そうですか。では、現在の状況は理解してもらえたようですので、今後についてお話しても?」
「はい、お願いします」
「セレス様の魂が今の体を出て本来の体に戻ることは……おそらく可能だと思います。ただ、それがいつ実現するかは分かりません」
「ゆきなさんの異能次第ということですね」
「そうなります。ですので、しばらくは幸奈としてこの世界で暮らしてもらう必要があります」
「はい」
あちらの世界のこと。
心配だけれど、幸いお父様の救出は無事終了している。
あとは、オルドウに下るだけ……。
それに、皆がついている。
シア、アル、ディアナ、ユーフィリア、ヴァーンさん。
ワディン騎士のみんなが。
だから、大丈夫。
きっと、無事にワディンに戻れるはず。
「……」
そもそも、この世界にいる私にできることなんて何もない。
どうしようもない。
それなら、今は自分のことを。
自分のことを考えるしか!
「この世界に不慣れなセレス様には、様々なことを知ってもらわなければいけません」
「……はい」
「私がずっとそばにいることができれば良いのですが、あちらの世界の様子を見に行く必要もありますので」
「……」
この世界でコーキさんと離れたくない。
でも、やっぱり。
あちらの世界のことも気になってしまう。
向こうにいるゆきなさん、お父様、みんな。
大丈夫だと思っても、心配が消えることなんてない。
けど、コーキさんが様子を見に行ってくれるなら……。
「当分の間、私は2世界を往来することになると思います」
「……」
「ですので、まずはこの世界について最低限の知識を身につけてもらえればと」
「……そうですね」
「それと、他の者がいる前ではセレス様のことを幸奈と呼びますので、忘れず返答してくださいね」
「……分かりました」
コーキさんにはセレスと呼んでもらいたい。
この世界でひとりにもなりたくない。
他にも色々と……。
でも、この状況だから。
そう。
今は頑張らないと!
「っ!?」
と思ったのに、急に頭痛が。
***********************
※ セレスの予知については、第3章『異世界人』『予知』や第4章『予知』『手掛かりは』などで少し触れております。
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