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第7章 南部編
異なる世界 4
「恐ろしいほどに暗い……」
果てもなく左右に広がっている真の暗闇。
「……」
墨で塗りつぶしたように立ち込めるそれは不思議なほどに立体的で、近くにも遠くにも感じられる。
闇の立体が腕を広げ、こちらを抱え込もうと、飲み込もうと迫って!?
そんな錯覚すら覚えてしまう暗闇……。
「見渡す限り、全て闇だな」
剣姫の言う通り。
目の前も、その左右も、先も全てが暗闇。
闇色しか見えない。
「……」
この境界。
赤と黒との境界は、黄泉との臨界を想起させるほどの得体の知れなさを孕んでいる。
なのに!
「イリサヴィア様!」
「うむ?」
「触れるつもりですか?」
全く躊躇が見られない。
何か確信でも?
「触れねば何も分からぬだろ? 当然、先にも進めぬ」
「……危険です。まずは、剣で、そして魔法で確かめてみましょう」
「……」
無言で剣を抜き放つ剣姫。
これまた無言で、闇に剣を打ちつけた!
無音のまま剣が闇の中に!
「ん?」
闇に吸い込まれるようにして剣が止まっている。
まさか、抜けないのか?
「イリサヴィア様?」
「ドゥエリンガーに問題はない」
そう言って、愛剣を闇から解放する剣姫。
「だが、感触が奇怪に過ぎる」
剣を鞘に戻した剣姫が、また腕を伸ばそうとしている。
「待ってください!」
「ドゥエリンガーを見たであろう。魔力で腕を覆えば問題など無いぞ」
そうかもしれないが。
「先に魔法を試しますので」
「……うむ」
剣姫イリサヴィアは、こんな性格だったか?
もっと、冷静で慎重じゃなかったか?
「どうした?」
ゆっくりしてると、今にも手で触れてしまいそうだ。
「いえ、少し下がりましょう」
「……」
「……ファイヤーボール!」
顕現した拳大のファイヤーボールが闇に激突。
と、消えた?
闇の中に?
「アイスアロー!」
こっちも消失。
「雷撃!」
雷撃も……。
「これならどうだ?」
剣姫が地面に転がる小石を拾い上げ、投げつけた!
「……」
消えない!
闇に当たった小石は消えることなく、そのまま真下に落下。
「何も変化は見られぬな」
確かに。
闇にも小石にも異常は見えない。
「ならば」
「あっ!」
止める間もなく、剣姫が闇の中に手を!
「うむ……」
平気なのか?
「奇天烈な感触だ」
奇天烈?
どんな感触を?
「適当な言葉が見つからぬ」
「……」
「アリマ、君も試してみるがいい」
闇から取り出した右手を一瞥し、何事もなく提案してくる。
「問題などないぞ」
鑑定で得た情報は、闇と境界。
そんなことは調べなくても見れば分かる。
「……」
本当に大丈夫なんだろうな?
果てもなく左右に広がっている真の暗闇。
「……」
墨で塗りつぶしたように立ち込めるそれは不思議なほどに立体的で、近くにも遠くにも感じられる。
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「見渡す限り、全て闇だな」
剣姫の言う通り。
目の前も、その左右も、先も全てが暗闇。
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「……」
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なのに!
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「うむ?」
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全く躊躇が見られない。
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「……」
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これまた無言で、闇に剣を打ちつけた!
無音のまま剣が闇の中に!
「ん?」
闇に吸い込まれるようにして剣が止まっている。
まさか、抜けないのか?
「イリサヴィア様?」
「ドゥエリンガーに問題はない」
そう言って、愛剣を闇から解放する剣姫。
「だが、感触が奇怪に過ぎる」
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「待ってください!」
「ドゥエリンガーを見たであろう。魔力で腕を覆えば問題など無いぞ」
そうかもしれないが。
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「……うむ」
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もっと、冷静で慎重じゃなかったか?
「どうした?」
ゆっくりしてると、今にも手で触れてしまいそうだ。
「いえ、少し下がりましょう」
「……」
「……ファイヤーボール!」
顕現した拳大のファイヤーボールが闇に激突。
と、消えた?
闇の中に?
「アイスアロー!」
こっちも消失。
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雷撃も……。
「これならどうだ?」
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消えない!
闇に当たった小石は消えることなく、そのまま真下に落下。
「何も変化は見られぬな」
確かに。
闇にも小石にも異常は見えない。
「ならば」
「あっ!」
止める間もなく、剣姫が闇の中に手を!
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平気なのか?
「奇天烈な感触だ」
奇天烈?
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闇から取り出した右手を一瞥し、何事もなく提案してくる。
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「……」
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